enumを利用したSingleton実装のサンプルコード

Javaプログラミングの古典のひとつ『Effective Java』ではSingleton実現にあたってenumを利用することが推奨されています(「項目4: privateのコンストラクタかenum型でシングルトン特性を強制する」)。先日業務においてenumを利用したSingletonの実装を行う機会があったので、そのサンプルコードを残しておきたいと思います。

Singleton.java

public enum Singleton {

    /** クラス外部から呼び出してはならない. */
    INSTANCE;

    private String field;

    /**
     * 事実上のコンストラクタ。
     * インスタンスの取得にはこのメソッド以外を利用してはならない。
     * @return インスタンス
     */
    public static Singleton getInstance() {
        if (INSTANCE.field == null) {
            INSTANCE.field =  "field";
        }
        return INSTANCE;
    }

    public String getField() {
        return field;
    }

    public void setField(String field) {
        this.field = field;
    }
}

Main.java

public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Singleton instance1 = Singleton.getInstance();
        System.out.println(instance1.getField()); //=> field

        instance1.setField("changed field");

        // 別のインスタンスを生成しているように見えるが、
        // 実は同じインスタンスを使いまわしている。
        Singleton instance2 = Singleton.getInstance();
        System.out.println(instance2.getField()); //=> changed field
    }
}

classを用いた方法だと、とりわけ並列プログラミングにおいて考慮すべき点が増え、それに比例して実装も複雑化するのですが、enumを使うと、ごくごくシンプルにSingletonを実現することができます。とはいえこの利用方法はenum本来の使い方からは逸脱している――ありていにいえば「裏技」のようにも思えるので、「実装するだけでシングルトンになるinterface」が標準ライブラリにあればいいのになあと節に思う次第です(´・ω・｀)