Docker ComposeでRails + PostgreSQLの開発環境を構築する

Last updated at 2025-06-18Posted at 2025-06-16

はじめに

本記事は、RailsプロジェクトにPostgreSQLを追加し、Docker Composeで開発環境を構築する手順について解説します。
Dockerを使うことでローカル環境に依存しない開発環境を用意することができ、チームでの共有にも役立ちます。
（手順はDocker公式サイトのクィックスタート: Compose と Railsを参考にしました）

この記事でできること

Docker Composeを使ってRails + PostgreSQL開発環境を構築
http://localhost:3000でRailsアプリにアクセスできる
ソースコードの変更をブラウザに即時反映させる

バージョン情報と動作環境

バージョン情報

Ruby: 3.2.2
Rails: 7.0.6
PostgreSQL: 12

動作環境

MacBook Air
チップ：Apple M3
メモリ 16GB

準備

Dockerを使用するには、Docker Desktopを起動しておく必要があります。
初めて使用する方は、以下のリンクからインストールしてください。

手順

1. Railsプロジェクトのディレクトリへ移動する

ターミナルを開き、cdコマンドでRailsプロジェクトのディレクトリへ移動します。

ターミナル

$ cd rails-docker

lsコマンドでディレクトリの中身を表示すると、以下のようになっています。
※ Gemfile と Gemfile.lock はRailsの使用ライブラリを定義したファイルです。プロジェクトに含まれていることを確認してください。

ターミナル

$ ls
Gemfile		    Rakefile	config		lib		  storage	 vendor
Gemfile.lock	app		    config.ru	log		  test
README.md	    bin		    db		    public	  tmp

2. Dockerfileの作成

エディタを開き、Dockerfileを作成します。
以下のように記述します。

Dockerfile

FROM ruby:3.2.2
RUN apt-get update -qq && apt-get install -y \
    build-essential \
    libpq-dev \
    nodejs
WORKDIR /myapp
COPY Gemfile Gemfile.lock /myapp
RUN bundle install

3. docker-compose.ymlの作成

続けて、docker-compose.ymlファイルを作成します。
以下のように記述します。

docker-compose.yml

services:
  db:
    image: postgres:12
    # PostgreSQLの初期ユーザー名とパスワードを設定する（これが無いとエラーになる）
    environment:
      POSTGRES_USER: postgres
      POSTGRES_PASSWORD: password
  web:
    build: .
    # docker-compose up実行時にDBを起動しブラウザにアクセスできるようにする
    command: >
      bash -c "
        bundle exec rails db:prepare &&
        bundle exec rails s -p 3000 -b '0.0.0.0'
      "
    # webからdbへ接続するためにdbと同じ値を環境変数に設定する（database.ymlに対応）
    environment:
      POSTGRES_USER: postgres
      POSTGRES_PASSWORD: password
    # ホストのカレントディレクトリをコンテナの/myappディレクトリにマウントする
    volumes:
      - .:/myapp
    ports:
      - "3000:3000"
    # dbの起動後にwebを起動する
    depends_on:
      - db

4. database.ymlの修正

データベース（PostgreSQL）との接続設定を行います。
configディレクトリ内のdatabase.ymlを以下のように書き換えます。

database.yml

default: &default
  adapter: postgresql
  encoding: unicode
  host: db
  username: postgres
  password: password
  pool: 5
  
  development:
  <<: *default
  database: myapp_development
  
  test:
  <<: *default
  database: myapp_test
  
  # 以下はコメントアウトする
  # production:
  #   <<: *default
  #   database: myapp_production
  #   username: myapp
  #   password: <%= ENV["MYAPP_DATABASE_PASSWORD"] %>

5. アプリの起動とブラウザ表示

ファイルの設定が完了したので、以下のコマンドでアプリを起動します。

ターミナル

$ docker-compose up

docker-compose upの実行により、次の処理が自動で行われます。

Dockerイメージをビルドする（初回のみ）
db（PostgreSQL）のコンテナを作成・起動する
web（Rails）のコンテナを作成・起動する
Railsのコマンド（rails db:prepare, rails s）を実行し、アプリが起動する（ブラウザでhttp://localhost:3000にアクセスできるようになる）

起動が成功すると、ターミナルがログ出力中の状態になります。