はじめに

Clineはタスクの中でVSCodeのターミナルでのコマンドの実行・結果の参照が出来ます。
これをDocker+DevContainerを利用したVSCode上で試したところ失敗してしまったので、成功するまでの手順を記載します。

失敗原因

失敗原因はClineも教えてくれており、PowerShellを利用する必要があるためでした。
対象のDevContainerはAlpine Linuxであるため、デフォルトではPowershellは入っていません。

DevContainerのリポジトリに、PowerShellをインストールするためのスクリプトがあったのですが、これはDebian Linux向けでした。

今回はAlpine Linuxなので上記のスクリプトをそのまま使うことは出来ません。
そのため、今回はDockerfileにインストールコマンドを追加して自前でセットアップしていきます。

対応手順

1. PowerShellをインストールするスクリプトを作成

Debian向けの例のようにスクリプトファイルを作成し、実行する方式にすることにしました。
PowerShellのインストールスクリプトは公式にAlpine LinuxへのPowerShellのインストールがあるため、こちらを参考にします。

# Alpine Linux への PowerShell のインストール
# https://learn.microsoft.com/ja-jp/powershell/scripting/install/install-alpine?view=powershell-7.5

# install the requirements
sudo apk add --no-cache \
    ca-certificates \
    less \
    ncurses-terminfo-base \
    krb5-libs \
    libgcc \
    libintl \
    libssl3 \
    libstdc++ \
    tzdata \
    userspace-rcu \
    zlib \
    icu-libs \
    curl

apk -X https://dl-cdn.alpinelinux.org/alpine/edge/main add --no-cache \
    lttng-ust \
    openssh-client \

# Download the powershell '.tar.gz' archive
curl -L https://github.com/PowerShell/PowerShell/releases/download/v7.5.0/powershell-7.5.0-linux-musl-x64.tar.gz -o /tmp/powershell.tar.gz

# Create the target folder where powershell will be placed
sudo mkdir -p /opt/microsoft/powershell/7

# Expand powershell to the target folder
sudo tar zxf /tmp/powershell.tar.gz -C /opt/microsoft/powershell/7

# Set execute permissions
sudo chmod +x /opt/microsoft/powershell/7/pwsh

# Create the symbolic link that points to pwsh
sudo ln -s /opt/microsoft/powershell/7/pwsh /usr/bin/pwsh

# Start PowerShell
pwsh

こちらをプロジェクトカレントの.devcontainer/library-scriptsフォルダに配置しました。

2. Dockerfileでスクリプトを呼び出す

1で作成したスクリプトをDockerfileで呼び出します。

FROM node:22-alpine

COPY .devcontainer/library-scripts/install-powershell.sh /tmp/library-scripts/

RUN apk add sudo &&\
    ash /tmp/library-scripts/install-powershell.sh

3. docker-compose build

ビルドします。

4. docker-compose up

upします。
個人的にはここでハマってしまい、DockerDesktop上で▶を押しても反映されず、upし直す必要がありました。

5. VSCodeをDevContainerで開いてPowerShellを選択

VSCodeをDevContainerで開きます。
Ctrl+Shift+Pでコマンドパレットを開き、Select Default Profileを選択します。
すると、shやashなどと一緒に、pwshがあると思うので、pwshを選択します。

6. 試す！

これで設定は完了です。
適当なプロンプトで実行結果の取得を試してみます。

`ls`コマンドを実行して、その結果を教えて。

ちなみに、jestやvitestなどでテスト結果を参照して欲しい時などは、Watchモードにならないように--runオプションを付与するなどする必要があります。

おわりに

これで、DevContainerを利用したVSCodeでClineがコマンドの実行結果を参照出来るようになりました。
Debian向けのスクリプトやAlpineへのPowerShellインストール方法など、公式でのドキュメントがそれぞれ見つかったので助かりました。
これでCline君ともっと戯れていきたいと思います！
より良い方法などがあれば教えていただけると助かります。
ここまで見ていただきありがとうございました。