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Raspberry Pi 3B の電源関係の警告を消す方法

Last updated at Posted at 2021-04-06

Raspberry Pi 3B の電源関係の警告を消す方法

Raspberry Pi 3 ModelB+を使っていると右上に電源関係の警告が出るようになりました
Lowvoltagewarning.png

Low voltage warning
Please check your power supply

そのまま訳せば

低電圧警告
使用中の電源を確認してください

ということになります。
さらにVNCでは見えませんが、専用のタッチディスプレイには雷マークの警告も出て、明らかに電源がよろしくないと言ってきています。
まあ単純にACアダプタの性能が足りないということなんでしょう。
しかし、このRaspberry Pi 3 ModelB+に使っているのは秋月電子通商の5V3Aの電源です。
スイッチングACアダプター(USB ACアダプター) MicroBオス 5V3A
ここでRaspberry Pi 3 ModelB+のデータシートを見てみます。
Power Supply
データシートによれば本体に必要な電流は2.5A
Raspberry Pi Touch Display
取り付けている専用タッチディスプレイの消費電流は200mAなので0.2A
合計2.7Aなので3Aで十分なはずなのですが、どうやらこれでも電源の性能が足りないようです。ちょっと困りました。

この表示を消す方法

専用タッチディスプレイを使っていると、用途によってはこの表示がかなり邪魔なので、消すこと試みます。
考えられるのは以下の2つです

  • 高性能の電源を用意する
  • 設定を変更して表示しないようにする

高性能の電源を用意する

まず、より高性能の電源を使用することが考えられます。
電流が不足して電圧が落ちてしまうなら、もっと大電流を流せる電源を用意すればいいというわけです。
しかし、これ以上の給電はMicroBコネクタでは不可能らしく、GPIOの5Vに直接給電する必要があるようです。
大容量の電源があれば、Raspberry Piの性能をフル活用できるでしょう。
しかし今回は、ちょっとしたサイネージを作るつもりでした。
要は高度な計算能力等は不要なので、高性能電源の用意とGPIOの給電回路の作成に手間とお金がかかるこの方法は却下します。
そこで、設定を変更して消してみることにしました。

設定を変更して表示しないようにする

ここでは雷マーク低電圧警告のメッセージの両方を消します。

雷マークを消す

雷マークの正体はファームウェアの警告アイコンです
Firmware warning icons
電圧が4.63V(+/-5%)を下回ると表示されるようです。
残念ながら手元の機材ではそれを確認することはできませんでした。
しかしこの警告は出てきます。恐らく、ACアダプタのコイルの遅れによる電圧変動を認識しているのでしょう。
こうしたファームウェアの設定は**/boot/config.txt**で変更することができます。
Miscellaneous options in config.txt
一番上にこの電圧の警告の消し方が出ています。
config.txtファイルを管理者権限で開いて

avoid_warnings=1

と記述して再起動することでこの警告マークを消すことができます。(公式でも推奨されていないようですが)
ちなみに

avoid_warnings=2

と記述すると低電圧の状態でも電源の問題を無視してターボモードに入るとありますが、これは恐らくやらない方がいいでしょう。
avoidwarning.png
ファイルに記述して再起動することで、雷マークが出なくなりました。

メッセージを消す

メッセージをそのままgoogleで検索するとフォーラムが出てきました

Low voltage warning message text

メッセージを消すことに関しては公式のフォーラムでもいろいろあるようで、

作動している火災報知器を停止させる方法を探すようなものだ

という投稿も見受けられます。
まあ、確かに不安定な電圧で動かすことはカーネルに対してもいいものではないでしょう。システムがクラッシュしたり、カーネルが破損する可能性も低くはないはずです。

ただ、こういった安全対策は状況にもよるだろうというのが私の考えです。

ガソリンの精製プラントならば、ライターの炎に反応してスプリンクラーが作動するような火災報知器を設置するのは極めて妥当だと言えるでしょう。
しかし、一般家庭ではバースデーケーキのキャンドルに反応してスプリンクラーの水をぶちまける火災報知器は不適切です。

もし、Raspberry Piを人命や財産に関わるクリティカルな用途、例えば自動運転車のコントローラー等に使うという状況で、低電圧警告をソフトウェア的に消したいというのは極めて不適切でしょう。クラッシュすると人を轢き殺しかねません。

しかし、今回使用するのはちょっとしたサイネージです。個人的に作成され、天気予報等をAPIで取得して表示するようなものです。作動不良で出先で雨に降られたのなら、コンビニで傘を買えばいい話ですし、クラッシュしてしまったのならそれはそこまでの話、再起動すればいいですし、カーネルが破損しても、もう一度カーネルを入れなおす等の対処をすればいいのです。

ということでソフトウェア的に解決します。

フォーラムを最後の方まで読むと、下記のような投稿がありました

Re: Low voltage warning message text

要はソフトウェアの追加と削除から battery monitor plugin for lxpanel 、つまり電圧を監視してるパッケージを削除してやればいいというわけです。

AddRemoveSoftware.png
batterymonitorpluginforlxpanel.png

これを試してみると、再起動後にはメッセージが出なくなり、画面を広々と使えるようになりました。

終わりに

これで設定の書き換えとソフトのアンインストールによって、低電圧警告の表示を全て無くすことができました。
ただし、これは趣味の範囲故に少々のリスクを負うことを前提に書いています。
リスクを認識し、誤作動によってデータや財産や人命に損害を与えないことが確実である、もしくは損害を許容できる場合にのみ行ってください。

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