はじめに
2025年9月末、JetBrains は公式ブログで「Better AI Depends on Better Data: We Need Your Help(より良いAIにはより良いデータが必要)」という記事を公開しました。
この投稿では、同社の AI 支援機能をより向上させるため、「データ共有」をユーザーに提案する新方針が発表されました。
この記事では、JetBrains の説明とユーザーの反応を、QA 形式で整理します。
Q1. なぜ JetBrains は「詳細なデータ共有」を求めるのか?
JetBrains によると、現状の多くの LLM(大規模言語モデル)は、主に公開データで訓練されており、実際の開発現場に即した「文脈の深いコード」や「作業中の思考過程」まではカバーできていません。
そのため、AI 補完やコード説明機能の精度を上げるには、現場の IDE で生まれるリアルなデータ必要だとしています。
この「実際の開発データ」をもとに AI を鍛えることで、より正確・安全な補完や提案を目指すというのが今回の趣旨です。
Q2. どんなデータが共有対象になるのか?
収集対象として JetBrains が挙げているのは以下のような情報です。
- コードの編集履歴(どのように書き換えたか)
- AI 機能とのやりとり(プロンプトと生成結果)
- IDE 操作のログ(クリックやショートカットなど)
- 匿名化された統計情報
これらは「AI の改善以外の目的では利用しない」とされており、機密情報や個人情報は共有されないとのことです。
また、すべてのユーザーが自分の設定から共有を無効にできる仕組みが提供されます。
Q3. なにが変わるの? オプトイン? オプトアウト?
-
非商用ライセンス利用者:データ共有はデフォルトでオン、ただし設定からオフに変更可能(opt-out)。
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商用ライセンス・EAP(Early Access Program)利用者:データ共有はデフォルトでオフ。手動でオンにする(opt-in)方式
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組織ライセンス利用者:データ共有はデフォルトでオフ。管理者が有効化しない限り共有されない。
以下公式ブログより
- 現在、当社の製品は、機能の使用状況に関する匿名の統計情報(経過時間、クリック数、一般的なワークフローなど)である匿名テレメトリを収集しています。
- 当社は編集履歴、ターミナルの使用方法、AI 機能との対話など、IDE 内での活動に関する詳細なコード関連データの収集を許可するためのオプションの追加をこの度開始いたします。 このようなデータには、コードスニペット、プロンプトテキスト、AI の応答などが含まれる可能性があります。
多くのデータ量を収集するように感じるかもしれませんが、このようなデータの内容は改善に大いに役立ちます。 データの収集にご協力いただける場合は、以下の点をお約束します。
- 機密情報または個人情報が共有されることはありません。
- データは適切に保管されます。
- アクセスは承認された担当者とユースケースに限定されます。
つまり、企業利用では「会社が許可しない限り共有されない」構成です。
非商用ライセンス利用者にはデータ共有がデフォルトでオンになりますが、変更前には利用規約で更新に関する通知が届きますのでご確認ください。
Q4. 共有によって何が良くなるのか?
JetBrains が狙う主な改善点は次の3つ。
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AI補完の精度向上
現場のコード構造や修正履歴を学ぶことで、誤補完を減らし文脈を理解した提案を実現。 -
セキュリティリスクの削減
危険なコード提案を自動検出する機能を強化。 -
ワークフロー全体の最適化
開発中の操作パターンを学習し、定型的な作業をより賢く自動化。
オープンソース LLM「Mellum」を改良するための学習データとしても活用される予定です。
Q5. 企業として参加するメリットは?
JetBrains は、この取り組みに共感し「AI の品質向上に協力したい」という企業に対して、All Products Pack 年間サブスクリプションを限定数無料で提供するプログラムを用意しています。
「参加を希望される組織に、All Products Pack サブスクリプションを限定数無料でご提供いたします。」
ご興味のある方は、公式フォームまたは弊社にご連絡 sales@nattosystem.com ください。
Q6. いつ変更されるの?
新データ共有オプションは、JetBrains IDEの2025.2.4アップデートで数週間以内にリリースされる予定です。
まとめ
JetBrains の「詳細なデータ共有」構想は、AI 開発の現場データを活かすという点で画期的です。
しかしその一方で、プライバシーや倫理的課題への向き合い方が問われます。
AI の質は「どんなデータで学んだか」に直結します。
そして、そのデータを提供するのは私たちユーザー自身です。
JetBrains IDE のデータ共有を制御する設定は、「設定 | 外観と振る舞い | システム設定 | データ共有」にあります。
✨補足:プログラムへの参加について
JetBrains の AI 開発に協力したい企業・団体は、公式フォームまたは弊社にご連絡 sales@nattosystem.com ください。
選ばれた組織には All Products Pack 年間サブスクリプションが無償提供 されます。
参考資料
本記事の内容は、以下の JetBrains 公式資料・記事を参考に構成しています。
-
JetBrains「Product Data Collection and Usage Notice」
https://www.jetbrains.com/legal/docs/terms/product_data_collection/ -
JetBrains Blog「Better AI Depends on Better Data: We Need Your Help」
https://blog.jetbrains.com/blog/2025/09/30/detailed-data-sharing-for-better-ai/ -
JetBrains「AI Service Terms of Service」
https://www.jetbrains.com/legal/docs/terms/jetbrains-ai-service/
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この記事は一部AIによって編集されたものです。