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遠方勤務制度設計(フルリモートワーク)の恩恵と弊害

Last updated at Posted at 2025-03-05

会社を非難する意図はなく、状況を好転させるために文章を書いています。業務の疲れもあり、推敲が間に合っていませんが公開しながら文章を改めようと思います。

背景

私自身は都内 IT 企業でエンジニア職として働いており, 2020年のコロナ禍に伴い実家のある関東の近隣県でフルリモートワークを行なっていた。コロナ禍から回復する中で数ヶ月に一度ほど研修や懇親会で出社の機会がある中で約4年ほどを過ごした後に結婚を機に妻の実家のある地方へ移住を行なった。この移住に伴い遠方勤務者制度の枠組みで現職を継続しているが精神的に厳しく, 制度設計の粗が目立つ。制度のポジティブな側面が台無しになっており, 人材獲得ひいては企業成長戦略を足踏みさせてしまっているため, 本記事では恩恵を述べる一方で弊害を指摘する。

制度概要

弊社では「オフィスから片道通勤2時間以上または距離200 km を超える者」を対象とする遠方勤務者制度を施行している。特徴としては以下の3点が挙げられる。

  1. 出社を要する業務の免除
  2. 年俸の5%カット
  3. 出社の制限

出社義務の免除、および出社を必要とする業務を職務から除外することによる
職務範囲の一部縮小に伴い、以下の処遇の変更が行われます。

また上述の就業規則の一部引用から 1 の免除に対するペナルティとして 2 が存在しているが, 実際のところ隠れたペナルティ 3 が存在する。これは出社にかかる交通費支給が無くなり出社を要する業務の際には案件経費として精算が必要のルールとなっているためである。

恩恵

全国の人材を採用できる

経営層曰く全国の人材採用は積極的に行いたいとのこと。
たしかに地元指向や家庭がある人、家を建ててしまって土地から動けない人の話はよく耳にする。しかしながら個人的な印象では日本円の価値が落ちており, 海外のオフショア先が見つからないために国内でのリソース確保都合という穿った見方もしている。

親の介護などで職を失わずに済む

個人的にはこの制度を利用すべきは40代、50代で親の介護が必要になった場合のように感じている。介護理由で地元に戻る必要があるなどの理由であれば仕方がないように感じる。田舎であれば家賃差額でカット5%分はペイできるだろう。

弊害

  • 給料カットが尾を引く
  • 出社制限
  • キャリアの見通しが立たない
  • 本音を得る機会がない

給料カットが尾を引く

給料カットは社員のモチベーションを落とす。給料を上げる幸福感は一時的なものであり, しばしば退職を防ぐために支給を上げる手段が取られるが効果は一時的。逆にネガティブな感情はなかなか拭えず尾を引くためカットを避けるべきというのはよく知られている。このため, 何故他の従業員へのインセンティブの形を取らなかったのだろうか。また5%の減額をカバーしようと思うと1度の昇給では取り戻せない。

出社制限

出社制限はかなりエンゲージメントを下げるように感じられる。
新卒採用の場ではフルリモートは不安と感じる方もいるようだ。
仕事に慣れない時期やプロジェクト開始時のメンバー間での信頼構築期間では対面での懇親が必要に感じる。潜在層含めて採用の幅を広げる戦略上彼らを無視しても良いものだろうか。

出社制限があると管理職としては健康管理がやりづらい面もある。私のように社会関係資本がない土地に移動してしまうと人間関係が希薄になり健康を害するリスクが高まってしまい扱いに困る部分が出てくる面もあるかと思う。

また, 残業や休日作業で数年掛かりの大型案件の一区切りにおいても慰労会もなく, 新しい社員が入ってきても懇親会も参加されず, 退職される方の送別会もない。組織への帰属意識が薄れ, 本当に自分は会社員なのかと不安を感じることが多々ある。

キャリアの見通しが立たない

できる仕事が限られる。オンラインで限定される場合にピープルマネジメントの手段に制限がかかりロールを限定されてしまう。

本音を得る機会がない

お酒の場ではポロッと本音で人は話してくれる。そのような機会で重要な仕事の進め方(人の関係性や力関係)を知ることができる。

自身の振り返りと制度に対する所感

元々は新幹線通勤で片道1時間+ほどで月3〜4回であれば交通費の上限に収まる範囲であったため出社の必要性に応じて柔軟に働いていたが, 今回の移住より対象となり前述の特徴をペナルティとして重く感じている。結婚や家庭の事情で職を失わなくて良い側面の恩恵は大きいがエンゲージメントや持続性の点で不安がある。

制度に関しては前衛的な施作として評価している一方で前述の弊害に見られる粗さがあるように感じる。弊社は労働集約型ビジネスであるから自分自身含めて社員のつまらない理由での退職は減らさなければ事業のスケールが叶わない。

私は少しづつ新しい社会関係資本を築いていく必要のある中で, 会社とも話し合いをしていく必要があるように感じている。今思うのはフリーランスほどのリスクなく場所の制限なしに東京の仕事や自社のプライム案件をもらえる現状は恵まれているが甘えられない。辞める理由を考えるより辞めない理由を考えた方がいい。1つの組織に長期で所属することは多くの人に自分を覚えてもらえることに繋がる。人脈が次の条件の良い仕事に繋がるりギブアンドテイクをやり易くなる。

ワーケーション

余談として世の中には出社を余儀なく働いている方も大勢おり, 全ての方がワーケーションできるわけではないのでワーケーションについて話す場合には慎重な配慮の必要性を強く感じています。

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