macOS 向けの親指シフトエミュレータ "Lacaille" をありがたく使わせていただいております。
私の手元だけかもしれませんが、たまに「重い = キーを叩いてから入力が反映されるまで時間がかかる」現象が発生します。
そのときの解決方法を書いておきますので、参考にしてください。
(macOS Tahoe 26 での例ですが、近年のバージョンでも同じ手順で解決する可能性が高いです。)
結論としてはこれらの事象は Lacaille の問題ではありません。
macOS 側の問題によるものです。
tcc を reset する
まず試すべきなのは以下のコマンドです。
sudo tccutil reset All
tcc (Transparency Consent and Control) とは何かというと、要するに「システム環境設定→プライバシーとセキュリティ」の設定まわりに相当する機能です。画面共有を許可するか否か、入力監視を許可するか否か、というやつですね。
これをいったんクリアして設定を入れ直します。すると直る可能性が高いです。
ただ「システム環境設定→プライバシーとセキュリティ」の設定が一回全部クリアされるので、いちいち権限設定を入れ直すことになりますので、ご注意ください。
tccd の負荷原因を取り除く
tccd とは前述の tcc まわりをつかさどるデーモンです。アプリケーションから各種権限の許可を確認する際に XPC を経由して tccd が呼び出されます。
経験上、この tccd の負荷が高くなっているときに Lacaille からの入力の遅延が生じやすくなります。
対処方法としては、tccd ログを見て原因となっているアプリケーションを特定し、そのアプリケーションを終了するなり設定を変えるなりして tccd の呼び出しを軽減することです。
tccd のログは下記コマンドで表示できます。
log stream --process tccd
tccd の機能がアプリケーションから呼び出されるたびに、以下のようなログが出力されます。
2026-01-26 11:18:53.435187+0900 0x708e0d Default 0xea14c7 728 0 tccd: [com.apple.TCC:access] REQUEST: tccd_uid=501, sender_pid=844, sender_uid=501, sender_auid=501, function=TCCAccessRequest, msgID=844.1697
2026-01-26 11:18:53.435857+0900 0x708e0d Default 0xea14c7 728 0 tccd: [com.apple.TCC:access] AUTHREQ_CTX: msgID=844.1697, function=TCCAccessRequest, service=kTCCServiceCalendar, preflight=yes, query=1, client_dict=(null), daemon_dict=<private>
2026-01-26 11:18:53.435890+0900 0x708e0d Default 0xea14c7 728 0 tccd: [com.apple.TCC:access] AUTHREQ_ATTRIBUTION: msgID=844.1697, attribution={accessing={TCCDProcess: identifier=com.raycast.macos, pid=34344, auid=501, euid=501, binary_path=/Applications/Raycast.app/Contents/MacOS/Raycast}, requesting={TCCDProcess: identifier=com.apple.calaccessd, pid=844, auid=501, euid=501, binary_path=/System/Library/PrivateFrameworks/CalendarDaemon.framework/Support/calaccessd}, },
2026-01-26 11:18:53.435929+0900 0x708e0d Default 0xea14c7 728 0 tccd: [com.apple.TCC:access] requestor: TCCDProcess: identifier=com.apple.calaccessd, pid=844, auid=501, euid=501, binary_path=/System/Library/PrivateFrameworks/CalendarDaemon.framework/Support/calaccessd is checking access for accessor TCCDProcess: identifier=com.raycast.macos, pid=34344, auid=501, euid=501, binary_path=/Applications/Raycast.app/Contents/MacOS/Raycast
2026-01-26 11:18:53.437770+0900 0x708e0d Default 0xea14c7 728 0 tccd: [com.apple.TCC:access] AUTHREQ_SUBJECT: msgID=844.1697, subject=com.raycast.macos,
2026-01-26 11:18:53.438587+0900 0x708e0d Default 0xea14c7 728 0 tccd: [com.apple.TCC:access] -[TCCDAccessIdentity staticCode]: static code for: identifier com.raycast.macos, type: 0: 0x7b9168300 at /Applications/Raycast.app
上記は Raycast を起動したときに出たログです。Calendar云々、という表示があるので、おそらくカレンダーの内容を Raycast が見られるかどうか判定するために呼び出しているのでしょう。
自分の場合は AltTab というユーティリティソフトが原因でした。ウィンドウのサムネイル表示機能を有効化していると、キー入力をするたびに tccd の呼び出しが発生してしまうことが判明しました。これは、サムネイル表示をオフにすることで解決しました。
誰かの参考になれば幸いです。