4月から5月にかけて様々なSaaSベンダー様のイベントに参加し、幾つかの新しいキーワードを教えて頂きました。
統合型ERPであるNetSuiteの世界だけでは見出すのに時間のかかりそうなキーワード、新しい取り組みなのでQiita記事として【妄想】的 ですがどこまでNetSuiteとOracle製品でできるのかお伝えができればと思います。
AIが実行する
「AIが会話する」から、
「AIが業務を実行する」へ。
近年、「Agentic Commerce(エージェンティックコマース)」という言葉が注目されています。
本記事では、NetSuiteとAIを活用しながら、
- 在庫検知
- 需要予測
- 発注自動化
- マルチエージェント商談
までを、どのように実現できるのかを整理します。
特に今回は第一弾として、
「Oracle製品だけで、どこまでBtoB Agentic Commerceを実現できるのか?」
という観点で考察します。
なぜ今「Agentic Commerce」なのか?
従来のBtoB取引では、人間が:
- 在庫確認
- サプライヤ比較
- 見積依頼
- 発注判断
- 契約確認
などを行っていました。
しかし生成AIとAIエージェントの進化によって、
「AIが自律的に調達・交渉・発注する」
世界が現実になりつつあります。
ここで重要なのは、
AIが“会話する”だけではなく、
“ERPを動かす”こと
です。
そのためには、
- ERP
- CRM
- 在庫
- 財務
- ワークフロー
といった業務システムとのリアルタイム統合が必要になります。
そこで重要になるのがNetSuiteです。
なぜNetSuiteなのか?
Agentic Commerceでは、
「AIが業務データを理解し、業務処理を実行できる」
必要があります。
NetSuiteは、
- ERP
- CRM
- SCM
- Finance
が統合されているため、
AIエージェントの“実行基盤”
として非常に相性が良いと考えています。
さらにOCI(Oracle Cloud Infrastructure)のAI機能と組み合わせることで、
- AI推論
- 需要予測
- 自然言語インターフェース
- ワークフロー自動化
まで一気通貫で構成できます。
レベル1 | 在庫枯渇対応エージェント
最初のレベルは、
「AIが在庫不足を検知し、発注を提案する」
シンプルな構成です。
シナリオ
NetSuite上で管理されている部品在庫が、安全在庫を下回ります。
部品A 在庫数: 120
安全在庫閾値: 150
この情報を感知するとAIエージェントが:
在庫不足を検知
過去購買履歴を分析
推奨サプライヤを抽出
発注候補を生成
します。
従来は:
「在庫不足です」 という通知で終わっていました。
しかしAgentic Commerceでは、
発注候補
サプライヤ提案
推奨理由
までAIが提示します。
つまり、
「AIが業務イベントを検知して行動する」
という世界になります。
レベル2 | 需要予測型・先読み発注エージェント
次のレベルでは、予測をします。
シナリオ
OCI AIによる予測モデルが、
「2週間以内に部品Aが不足します」
と判断。
AIエージェントが:
季節変動
過去受注
商談状況
生産計画
を分析し、先回りして調達提案を行います。
従来は:
需要予測
↓
在庫不足予測
↓
AI調達提案
↓
NetSuite PO生成
ここでの重要なポイントは従来のERPは、
「現在を管理する」
ことが中心でした。
一方でAgentic Commerceでは、
「未来を予測して先回りする」
ことが重要になります。
AIとNetSuiteが組み合わさることで、
“予測で終わらず、実際の業務実行まで繋がる” 点が大きな特徴です。
レベル3 | マルチエージェント型 BtoB商談自動化
ここからが、Agentic Commerceらしい世界になります。
シナリオ
AIバイヤーエージェントが、
過去価格
納期実績
品質評価
契約条件
を分析し、
サプライヤ企業に対して能動的に調達提案を行います。
Buyer Agent:
過去3ヶ月で価格変動率が低く、
納期遵守率の高いサプライヤを優先します。
Seller Agent:
現在の生産能力を踏まえ、
700個発注時に短納期対応可能です。
このように交渉や提案など役立つ詳細な調達・生産情報を教えてくれることが可能になります。
今後について
今回は第一弾として、
「Oracle製品のみで、どこまでAgentic Commerceを実現できるか」
をテーマに整理しました。
次回以降は、
外部AI Agent連携
B2B Marketplace接続
他社SaaSとの統合
Cross-enterprise Agent連携
なども含めながら、
より実践的な“マルチエージェント型 BtoB Commerce”について考察していきたいと思います。
EOF.