みなさん!JAWS DAYS 2025には参加しましたか?
参加されたみなさん、楽しかったですか?
当日は私も参加していて楽しかったです!
また、アーキテクチャ道場の企画・運営をしており、その裏話や振り返りをしようと思います。
アーキテクチャ道場とは
アーキテクチャ道場とは過去にCDP道場という名前でJAWS FESTA Kansai 2013, JAWS Festa Tohoku 2014, JAWS FESTA Kyusyu2015で開催された人気コンテンツです。
(私が知っている範囲のものを挙げているので他にもあったらごめんなさい)
AWSでシステム設計する上で欠かすことのできないCDP(Cloud Design Pattern)を、実践形式のシナリオに沿って構築して体得するワークショップで、当時はクラウドアーキテクチャの設計においてのベストプラクティスをCDP(Cloud Design Pattern)と呼んでいたことからCDP道場という名前で行われていました。
AWS Summit Tokyo 2023や2024でもアーキテクチャ道場は行われていましたが、こちらはワークショップ形式ではなく、AWSのソリューションアーキテクトの方たちがお題に対する改善案のプレゼンテーションならびにMCによる質疑応答といった形式でした。
JAWS DAYS 2025のアーキテクチャ道場では過去のCDP道場と同じワークショップ形式で開催しました。
架空企業の既存システムや会社に関する課題と背景、ビジネス要件、非機能要件や制約事項を提示し、各チームでAWSアーキテクチャをディスカッションしてもらい、発表する流れです。
アーキテクチャ道場の企画運営参加のきっかけ
私はJAWS-UGアーキテクチャ専門支部の運営をしており、一緒に運営している波田野さんが先にアーキテクチャ道場の運営として誘われていました。
で、波田野さんから一緒にどう?と誘われた形で運営メンバーに参加することになりました。
お題決め
波田野さんと一緒にお題を考えていたのですが、過去のCDP道場では例えばJAWS FESTA Kyusyu(博多で開催)では明太子の製造販売をしている会社のシステムを〜といったご当地ならではの架空企業が出てくるのでJAWS DAYS 2025でも池袋にまつわる企業にしたいよね、というところから始まりました。
まず思い浮かんだのがサウナ。
有名なサウナが池袋にあります。
私もサウナーなのですが、最近のサウナは色々なサービスがあったり、予約制だったり、水風呂も温度の違う水風呂がーとかいろいろあります。
ここでちょっと妄想が膨らみ・・・
が、波田野さんから一言・・・
俺、温泉は好きだけどサウナは苦手なんだよね
にゃーん😇😇😇
じゃあ、ということで池袋というと何があるかな・・・・大きなゲームセンター、アニメグッズ屋さん、執事カフェ、刑務所跡地、プラネタリウム・・・水族館!!
水族館はちょうど開催場所となる池袋サンシャインにあります。
サンシャイン水族館をもじってサメシャイン水族館・・・・!!!これはイケる!!!!いや、これしかないやろ!!!!
というわけでそこからは私の妄想が爆発しまくり、その日の晩のうちに架空企業のプロフィール、事業概要、お題となるシステムの案と各種要件ができました。
水族館の説明についてはサンシャイン水族館だけではなく、海遊館や美ら海水族館や架空の出来事を混ぜたりしています。
ちなみにホホジロザメの飼育・展示をしている水族館は現時点では世界中のどこにもありません。
泳いでいる時に水槽の壁にぶつかって怪我をしたりと、長期飼育をしていくのはなかなか難しいそうです。
当初は以下の5つのシステムをお題として挙げていました。
- サメ水槽の温度・水質・飼料管理システム
- サメの人工子宮管理システム
- 入場予約システム
- ナイトツアー抽選システム
- JAWS Crowd Funding
実行委員のセッション担当の方や、アーキテクチャ道場でお助け団として参加されるAWSのSAさんたちにこれを見せて、この中から1つ選んでもらうようにするか、それともどれか一つに絞って出すかを議論しました。
アーキテクチャ道場のセッション時間が80分間ということもあり、そもそものアーキテクティングのためのディスカッション時間が45分ほどしか取れないということだったので、お題は1つに絞って出す形としました。
みんなが想像をしやすいだろうということで入場予約システムをお題として出すことになりました。
また、初見でこれを出すと要件の読み込みに時間がかかって議論できなくなりそうということだったので、事前説明会を行うことにしました。
説明会の際に挙がった質問とその回答も上記資料に反映させています。
そして説明会に出られなかった人もいたと思われるため、後日本編のアーキテクチャ道場へ参加申し込みしている方たちへも送付をしました。
ちなみに説明資料の最後に載せた副読資料のサメのはなしはこちら。
サメの出産って色々違っていて面白いのです。
JAWS DAYS 2025当日
そして迎えたJAWS DAYS 2025当日です。
ありがたいことに、アーキテクチャ道場の申し込みはキャンセル待ちが出ており、嬉しいやら申し訳ないやらでした。
また、直前のセッションまでは机と椅子の配置がスクール形式(全員前を向いている形)だったのを直前の休憩時間が10分あるうちの5分で4人1テーブルの島形式へのレイアウト変更があり、こちらも当日ボランティアスタッフや実行委員のみなさんでスピーディーにしていただけました。
まずは波田野さんからワークショップの時間配分の説明とアーキテクチャ道場と運営メンバー(波田野さん、私、AWSのSAさんたち)の紹介の後に、私からサメシャイン水族館CIOとしてお題の説明をしました。
とはいえ、事前説明会で一度説明していることと、もう一度全部説明するととてもオープニングの5分間に収まらないのでさらっと説明してあとは資料を確認してね、という形式にしました。
ここからは休み時間中に振り分けたチームのみなさんでディスカッションタイムです。
テーブルにはホワイトボードのように使えるシートとペンを用意し、Zoomでブレイクアウトルームを各チームごとに作ってディスカッションしてもらいます。
また、AWSさんからはエコバッグの差し入れと、わたくしサメサンシャイン水族館CIOから北海道土産のホワイトブラックサンダーorピンクのブラックサンダーを配りました。
チームによっては全員が立ってホワイトボードシートに書き込みながらディスカッションしていたりと、だいぶ盛り上がっていました。
アーキテクチャ発表
全部で13チームに分かれていたのですが、セッション時間の制約もあり3チームの方たちに発表していただきました。
ディスカッションタイム終了5分ほど前に「発表したいチームいますか?」と呼びかけ、2チームは手を挙げてくれたのですがあと1チームがなかなか手が挙がらない・・・・というわけでCIOのわたくしがテーブルを周って「このチームいいんじゃないかな」と思ったチームに発表をお願いしました。
3チーム、前に出てきてもらい作ったアーキテクチャをZoomで画面共有してもらいながら発表してもらいました。
アーキテクチャ図の写真を全部撮れなかったのですが(ごめんなさい)3チームともそれぞれ色々な着眼点でアーキテクチャを考えていただけていました。
お題の中で特に重要視している所として以下3点を挙げていたのですが
- 運用時のコスト削減(作業者の工数、AWS費用)は最重要課題
- モダンなアーキテクチャ
- AWS Well-Architectedを意識した構成
入場予約サイトをCloudFrontで配信していて、re:Invent 2024の直前に発表されたばかりのCloudFront VPC originsを使ってプライベート環境にあるバックエンドへのセキュリティを担保した構成や、職員が利用する管理画面機能は疎結合に分離したセキュアな環境としたり、The王道!なサーバーレス構成、といった三者三様なアーキテクチャでした。
新しく出てきたものを取り入れてくるチャレンジ精神が良かったり、セキュアな構成の担保をすることで要望として挙げいてた部分をしっかり取り入れてくれたり、王道パターンで・・と謙遜されてはいましたが王道だからこそのシンプルに誰でもわかりやすい、本稼働開始後の引き継ぎや新しく入ってきた人にも理解しやすい、という点ではどのチームのアーキテクチャも良かったです。
普段、私は情シス部門のインフラ担当者として、アプリチームが内製で作る場合やベンダーさんに依頼して作っていただく場合のアーキテクチャレビューを実際に仕事で行っているのですが、それと比べてもどのチームのアーキテクチャもそのままOK出しても良さそう!と思えるものばかりでした。
クロージング
クロージングでは波田野さんから「アーキテクチャに正解は無い、より良いものを考え続けることが大事」というお話をしていただきました。
発表していただいた3チーム全て同じではなく、どこかが少しずつ違っていてどれを選んでも良さそうでした。
そして、発表しなかったチームのアーキテクチャでも良いものがあったと思います。
また、一度採用したアーキテクチャでもビジネス状況や外的要因、AWSのアップデートにより「もっとこうしたほうが良い」ということが起きることもあります。
また、アーキテクチャ検討のステップ例をWell-Architectedフレームワークの5つの柱を軸に説明していただきました。
そしてAWSのソリューションアーキテクトの福井さんからは「なぜそのアーキテクチャを選択したのか」を説明できるようにする、説明責任を果たすことが大事というコメントもありました。
ふりかえり
やはり80分間のセッションは短かったなーというのが第一にあります。
せっかく集まってディスカッションしてもらったんだしもっと多くのチームが発表できるようにしたかったです。
また、発表したアーキテクチャについての質疑応答の時間も持てたら、より参加者の理解を深めることにつながったんじゃないかなーと。
とはいえ、80分間だとこれが精一杯のベストだったかな、と思います。
最後に、JAWS DAYS 2025 アーキテクチャ道場に参加していただいたみなさん、ありがとうございました!
また、企画運営や当日の色々なことに関わっていただいたみなさん、ありがとうございました!
そして、企画段階でお題として挙げていた他のお題についてもアーキテクチャ専門支部のイベントとしてどこかでアーキテクチャ道場をできたらいいなーなんて考えてます!