はじめに

本記事は、E資格の受験資格の取得を目的としたラビットチャレンジを
受講した際の勉強記録およびレポート記事である。

第1章：線形代数_レポート

参考図書

これなら分かる応用数学教室_最小二乗方からウェーブレットまで
(金谷健一著共立出版)

単位行列

正方行列において主対角線上の要素がすべて1でその他がすべて0の行列を
単位行列Iという。
単位行列Iは、任意の行列 $A$ に対し$ AI = IA = A$ の関係が成り立つ。
(実際に計算すると確認できる。)
$$ I = \begin{pmatrix}
1 & & \
& 1 & \
& & \ddots \
\end{pmatrix} $$

逆行列

任意の行列Aにおいて下記の関係が成り立つ$A^{-1}$を逆行列という ( $I$：単位行列 )。
$$ AA^{-1} = A^{-1}A = I $$

また行列式 (※後述) $|A|$ が0になる場合、行列Aの逆行列 $A^{-1}$ は存在しない。
$$|A| = 0$$
逆行列の求め方には、掃き出し方という方法がある。

行列式

n個の未知数$x_1$,$x_2$,...,$x_n$に関する次の連立1次方程式を考える。

\left\{
\begin{array}{l}
a_{11}x_1+a_{12}x_2+...+a_{1n}x_n=b_1 \\
a_{21}x_1+a_{22}x_2+...+a_{2n}x_n=b_2\\
                    ・\\
                    ・\\
a_{n1}x_1+a_{n2}x_2+...+a_{nn}x_n=b_n
\end{array}
\right.

行列$A$とベクトル $\vec{x}$, $\vec{b}$を
$$ A=\begin{pmatrix}
a_{11}&a_{12}&...&a_{1n} \
a_{21}&a_{22}&...&a_{2n}\
\vdots &\vdots&\ddots&\vdots\
a_{n1}&a_{n2}&...&a_{nn}\
\end{pmatrix}$$

$$ \vec{x}=\begin{pmatrix}
x_{1} \
x_{2}\
\vdots\
x_{n}\
\end{pmatrix}$$

$$ \vec{b}=\begin{pmatrix}
b_{1} \
b_{2}\
\vdots\
b_{n}\
\end{pmatrix}$$
と定義すると、上記連立1次方程式は次のように書ける。
$$A\vec{x} = \vec{b}$$
これが唯一の解を持つ必要十分条件は、行列$A$の行列式$|A|$が0でないことで
あることが知られている。
行列$A$の行列式$|A|$ (det$A$とも書く) は要素 $a_{11}$,...,$a_{nn}$ のn次式であり、次のように書く。
$$ |A|=\left|\begin{matrix}
a_{11}&a_{12}&...&a_{1n} \
a_{21}&a_{22}&...&a_{2n}\
\vdots &\vdots&\ddots&\vdots\
a_{n1}&a_{n2}&...&a_{nn}\
\end{matrix}\right|$$

$n = 2$　のときは次のようになる。
$$ \left|\begin{matrix}
a_{11}&a_{12}\
a_{21}&a_{12}\
\end{matrix}\right|=a_{11}a_{22}-a_{21}a_{12}$$

固有値と固有ベクトル

行列$A$に対して$$A\vec{x} = λ\vec{x}$$となる定数$λ$と $\vec{0}$ でない$\vec{x}$が存在するとき、λを$A$の固有値, $\vec{x}$をそれに対する
固有ベクトルと呼ぶ。

固有値分解

$n×n$対称行列$A$の固有値を　$\lambda_1$,　...　, $\lambda_n$ ,対応する固有ベクトルを$\vec{v_1}$,...,$\vec{v_n}$とし$\vec{v_1}$,...,$\vec{v_n}$を列とする行列を$V = (\vec{v_1},...,\vec{v_n})$とすると,次式が成り立つ。
$$AV=A(\vec{v_1},...,\vec{v_n})=(\lambda_1\vec{v_1}\lambda_2\vec{v_2}...\lambda_n\vec{v_n})=V\begin{pmatrix}
\lambda_1 & & \
& \lambda_2 & \
& & \ddots \
\end{pmatrix} $$
上式の両辺の右から$V^{-1}$を掛けると次式が成り立つ。
$$A=V\begin{pmatrix}
\lambda_1 & & \
& \lambda_2 & \
& & \ddots \
\end{pmatrix}V^{-1} $$
これを対称行列$A$の固有値分解と呼ぶ。

特異値分解

正方行列以外でも固有値分解に似たことはできる。
$$ M \vec{v} = \sigma\vec{u} $$
$$ M^\top \vec{u} = \sigma\vec{v} $$
このような特殊な単位ベクトルがあるならば特異値分解できる。
$$M = USV^{-1}$$