AI でなんとかする
幅広ニーズを対応できるチャット型と、こちらでストーリーを作ったダッシュボードの2つを作る。ダッシュボードのストーリー等の可視化要件もチャット型で作れる
幅広ニーズを対応できるチャット型
- csvをSQLliteに保存し、それを参照するMCP toolsをたてる 1
- そのMCP toolsを使う生成AIアプリケーションに連携する
今回は、生成AIアプリケーションにClaude Desktopを採用。無償版だとcontextあふれがちだったのでPro版を利用
行政事業レビュー見える化サイト の
CSVダウンロード の
1-2_基本情報_事業概要等,3-1_効果発現経路_目標・実績,3-2_効果発現経路_目標のつながり,4-1_点検・評価5-1_支出先_支出情報
を利用。全部入れても良さそうだが ひとつひとつDLが面倒だったので ひとまずこれだけで
こんなものができる
図1 大きめcsvを参照可能にしたチャット型での幅広ニーズを対応の様子
末尾のAppendixに分析レポートを書かせた例ものせた。ちゃんと参照できている
図3 ダッシュボードの改良を依頼している図
ダッシュボード開発
できあがったもの
https://naosugi.github.io/rss_dashboard/
上記で作らせたダッシュボードの要件をClaude Codeでコピペ実行
1回でうまくいかないので、エラー文を渡しながら再実行
最初はcsv全量を読み込ませようとしていたので、途中で事前にcsvを集計処理するようエンハンスを実施。一番最初の要件に事前集計はあったはずだが難しかった模様。確かに一度作ってからのほうが必要な箇所を明確できるのでやりやすい(自分で作る場合は)
作ってから「このダッシュボードをどう使うべきか」を記載したヘルプを作成。この順番が良さそう
図4 1回目の画面
図5 作らせたヘルプを基に改良を依頼している図
図6 改良アイデアの改良を依頼している図。人間でもあるあるですが、元のデータ構造に意識が向きすぎて利用者を意識できてない
図7 データ提供元のことも考えて欲しいと依頼。どうしてこう人間あるあるの失敗をするのか。この辺、システムプロンプトあたりでちゃんと言語化しておくと良さそう
図8 改良版。ちょっと複雑すぎて後半ミスが増えてきた。生成AI自体の改善もそうだけど、設計とか頑張ってもっとシンプルにしたほうが良さそう。ここは価値観がはいるので自分はAI任せにしにくい箇所
改良版はここからアクセス可能
https://naosugi.github.io/rss_dashboard/
雑感
超便利。9年前の2016年にこんなブログを書いたのを思い出した。明らかに技術は進歩している。すごい
分析結果を楽にカッコよく可視化する方法~2016年版~
そして、当時と違って年単位じゃなくて月単位でアップデートされていくので、今回のタイトルを月表記に自然としてた
謝辞
Claude Codeに投げる前にClaude Desktopで要件を作るという重要なインサイトをご教示くださった @bocchi_talks さんに感謝
appendix
Claude Desktopで政策を分析させたサンプル(AIの出力ママであり著者の見解ではない)
清酒輸出政策の課題分析と提言
政策レビュー報告書
要旨
2024年度日本国政策分析用データベースの詳細分析に基づき、清酒輸出関連政策の課題を包括的に検証した。その結果、①政策の重複・分散、②バリューチェーン全体をカバーする統合的アプローチの不足、③成果指標の偏り、④地域特性を活かした差別化戦略の弱さなど、複数の構造的課題が明らかとなった。特に国税庁所管の類似事業間の重複が顕著であり、清酒産業のバリューチェーン各段階における政策介入の不均衡も確認された。本報告書では、これらの課題に対応するための短期的および中長期的な政策提言を行い、清酒産業の持続的発展と国際競争力強化のための政策体系再構築の方向性を示す。
1. 政策重複の現状分析
1.1 輸出促進事業の重複
現行の清酒産業政策において、特に輸出促進に関連する国税庁所管の以下3事業間で明確な重複が確認された:
- 日本産酒類の競争力強化・海外展開推進事業(2016年開始)
- 日本産酒類海外展開支援事業(2021年開始)
- 酒類業振興支援事業(2024年開始、新規事業)
これら3事業の目的を比較すると:
-
日本産酒類の競争力強化・海外展開推進事業:
「日本産酒類の国際的な競争力を強化し、輸出促進を図り、酒類業の中長期的な成長を推進するため、海外販路の開拓、日本産酒類の認知度向上等を目的とする。」 -
日本産酒類海外展開支援事業:
「酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進する。」 -
酒類業振興支援事業:
「酒類事業者による、日本産酒類のブランディング、インバウンドによる海外需要の開拓などの海外展開に向けた取組及び国内外の新市場開拓などの意欲的な取組を支援することにより、日本産酒類の輸出拡大及び酒類業の経営改革・構造転換を図るとともに、酒類業の健全な発達を促進する。」
これら3事業は「海外販路拡大」「ブランディング」「インバウンド活用」「認知度向上」など、目的および活動内容に著しい類似性が見られる。特に2021年開始の「日本産酒類海外展開支援事業」と2024年新規開始の「酒類業振興支援事業」は、ほぼ同一の目的を持ち、後者は前者の内容を包含しつつ若干拡大したものに過ぎない。
これらの類似事業が並行して存在することは、予算の分散、事業間の調整コスト増大、申請事業者の混乱、評価の複雑化などの非効率を生じさせている。
1.2 研究開発と技術支援の役割分担
- 独立行政法人酒類総合研究所運営費交付金(2001年開始)
- 清酒製造業近代化事業費等補助金(2010年開始)
上記2事業については、「技術基盤の強化」と「伝統技術の継承」という類似要素を含むものの、詳細分析の結果、以下のような役割分担が確認された:
- 酒類総合研究所:科学的研究を通じた技術革新と品質向上に重点
- 日本酒造組合中央会:伝統技術の継承と文化的側面に重点
両者の役割分担は一定程度存在するが、連携強化と明確な差別化による効率化の余地は依然として存在する。
2. バリューチェーン分析から見た政策介入不足領域
清酒産業のバリューチェーン全体を「原料生産→製造→流通・販売→消費者教育→輸出」という一連の流れとして捉えた場合、以下の政策介入不足領域が特定された:
2.1 原料(酒造好適米)生産に関する政策の脆弱性
農林水産省の米政策関連事業として以下が確認された:
- 「米管理経費(国内米買入費、輸入米買入費、米管理費)」
- 「水田活用の直接支払交付金」
- 「米需要創造推進事業」
しかし、これらはいずれも一般的な米政策であり、清酒製造に不可欠な酒造好適米の生産支援や品種開発に特化した政策は確認できなかった。また、財務省(国税庁)と農林水産省の連携による横断的な取り組みも見当たらない。
気候変動による原料米の安定供給リスクや、地域特性を活かした酒米品種開発の重要性を考慮すると、この分野での政策的介入強化が求められる。
2.2 中小酒造メーカーの経営基盤強化支援の不足
日本の清酒製造業の99%以上を占める中小規模の酒造メーカーに対する経営基盤強化策は限定的である。「清酒製造業近代化事業費等補助金」には経営基盤の安定が目的に含まれるものの、デジタル化・自動化投資、後継者育成、経営多角化などへの具体的支援は明示されていない。
経済産業省等による一般的な中小企業支援策は存在するが、清酒産業の特性(季節性、伝統性、技術継承の課題等)に特化した支援策は確認できない。
2.3 国内外の流通チャネル最適化支援の不足
現行政策は海外展示会出展や商談機会の提供など、川下側(輸出段階)に集中している。一方、国内流通構造の改革や、輸出に不可欠な物流インフラ(特に冷蔵流通の確保など品質維持に必要な設備)、輸出入規制への対応支援などの構造的課題に対する政策的介入は限定的である。
日本酒の品質を維持した国際流通を確保するためには、物流面での支援強化が不可欠である。
2.4 消費者教育・文化発信の体系的アプローチ不足
清酒の文化的価値や飲用方法に関する教育・普及活動は複数事業で断片的に実施されているが、ターゲット層の明確化や効果測定は不十分である。特に、各ターゲット市場の特性に合わせた戦略的な消費者教育・文化発信アプローチが必要である。
3. 成果指標の偏りと評価体系の課題
「日本産酒類の競争力強化・海外展開推進事業」の成果指標分析から、以下の課題が確認された:
- 「輸出促進コンソーシアムのセミナー参加者数」
- 「ターゲット国・地域等で実施される展示会等に参加した事業者数」
- 「商談成約件数(見込みを含む)」
といった活動量や短期的成果に関する指標が中心であり、以下の指標が不足している:
-
質的指標の不足:
- 海外市場における日本酒のプレミアム度
- ブランド認知度・評価
- 消費者満足度や再購入率
-
費用対効果指標の不足:
- 投入予算当たりの輸出増加額
- 支援事業者の輸出成長率
- 長期的な市場シェア変化
-
産業全体への波及効果測定不足:
- 非支援事業者への波及効果
- 地域経済への影響
- 関連産業(観光等)との相乗効果
4. 地域特性を活かした差別化戦略の弱さ
現行の清酒輸出促進施策は全国一律の展開が中心で、地域ごとの特性を活かした差別化戦略が弱い。「清酒製造業近代化事業費等補助金」において「伝統・文化及び地域への取組」が含まれているものの、地域特性を国際的な差別化要因として戦略的に活用する視点は限定的である。
フランスのワイン産業に見られるような原産地呼称管理制度(AOC)的アプローチや地理的表示(GI)制度の戦略的活用による地域ブランディングの強化が求められる。
5. 政策体系再構築への提言
5.1 短期的施策
-
事業統合による効率化
- 特に「日本産酒類海外展開支援事業」と「酒類業振興支援事業」の統合
- 輸出促進関連3事業の役割明確化と連携強化
- 研究開発関連事業の役割分担の明確化
-
成果指標の再設計
- 量的指標と質的指標のバランス確保
- 市場シェア、価格プレミアム率、認知度等の質的指標導入
- 投入予算当たりの効果を測定するROI指標の設定
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省庁間連携の強化
- 国税庁と農林水産省の連携による酒造好適米の生産・開発支援
- 国税庁と経済産業省の連携による中小酒造メーカー支援の強化
5.2 中長期的施策
-
バリューチェーン全体を視野に入れた統合的政策体系の構築
- 「清酒産業競争力強化総合対策」のような包括的政策パッケージの創設
- 原料生産から消費までの一貫した支援体制確立
- 省庁横断的なタスクフォース設置による政策調整機能強化
-
地域特性を活かした差別化戦略の強化
- 地理的表示(GI)制度の戦略的活用支援
- 地域別輸出戦略の策定支援
- 地域ブランドと連動した海外プロモーション支援
-
構造改革支援の強化
- 中小酒造メーカーのデジタルトランスフォーメーション支援
- 国際物流インフラ(コールドチェーン等)の整備支援
- 新たな流通モデル(EC活用等)の構築支援
結論
2024年度日本国政策分析用データの詳細検証により、清酒輸出政策には複数の構造的課題が存在することが明らかとなった。特に国税庁所管の輸出促進関連事業間の重複、バリューチェーン全体を視野に入れた統合的アプローチの不足、成果指標の偏りなどが顕著である。
特に2024年度に「酒類業振興支援事業」が新規事業として開始されたことは、既存事業との統合・整理ではなく事業の細分化が進んでいることを示唆しており、政策効率性向上のためには事業体系の再構築が急務である。
清酒輸出の持続的成長のためには、「輸出促進」という狭い視点から脱却し、原料生産から国際市場開拓までの一貫した産業政策へと発想を転換することが求められる。また農水省と財務省の連携不足も依然として課題であり、省庁横断的なアプローチによる政策統合が不可欠である。
本報告書で示した提言が、日本の清酒産業の国際競争力強化と持続的発展に寄与することを期待する。
本報告書は2024年度日本国政策分析用データに基づく詳細な検証結果を踏まえて作成されたものである。
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csvを参照するだけならローカルファイルを参照できるようにするFile System MCPもあるが、うっかりcsv全量を読み込もうとして固まることも多々あるので、SQLliteに一回保存させてそれを参照できるようにした。検討当初はSQLLiteじゃなくてpandas dataframeのquery関数で試したが、query構文をミスりやすく集計関数も使えないため、素直にSQLで参照できるようにした。
探せば、これを実現するMCP serverをすでに作っている人がいそうだが、ちょうど良いのを探すよりも作ったほうが楽そうだったので作ったhttps://github.com/naosugi/csv_read_mcp/blob/main/server_db.py ↩