オンライン診療はヘルステック領域に影響を与えたのか

はじめに

私は精神科医として在宅医療に携わっています。在宅医療は医療業界で新しい分野ということもあり、まだ仕組みが固定されておらず工夫の余地が多いので自分たちをスタートアップ企業だと考えて、様々なことにチャレンジしてきました。
新たなチャレンジの一つとして、今回プロトアウトスタジオに入学したところ、その宿題としてこのQiita記事を書いています。
今まで全くプログラミングをやったことがない超初心者なのですが、調べたり教えてもらったりしながら現場で作りたいと思ったものを自分で作れるようになれればと考えていますので、よろしくお願いします。

オンライン診療との関わり

私自身、2018年4月からオンライン診療が保険適応となる際、ここで参考とされたICTを活用したかかりつけ医機能強化事業に参加をしたこともあり、仕組みが作られるところから関わることができました。
「保険適応化することでオンライン診療が一気に盛り上がる！」と期待されていたなか、実際に保険適応となってみるとその条件が厳しく（疾患と治療の限定）、診療報酬も安かった（対面診療の３割ほど）ことから、ほとんどの医療機関で利用されない状況でした。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大下で医療への負担が増す中、2020年4月に厚労省からの事務連絡がありオンライン診療の大幅な規制緩和が行われました。これにより、疾患と治療の制限は無くなり、ほぼ対面診療と同じことがオンライン診療でも認められることになりました。このため、一般にもオンライン診療への注目が集まり、LINEヘルスケアがオンライン診療に参入することも話題になりました。

オンライン診療の仕組みづくりに関わるなかで保険診療内で新しいことを始める難しさを感じた一方で、ヘルステックの活用によって医療がこれから大きく変わるであろうことを痛感したことが、今回のプロトアウトスタジオへの入学にも影響しています。

今回の課題

そして今回の課題、「QiitaのAPIにアクセスしてデータの取得及び、表示方法や統計をとり、Qiita記事としてまとめましょう。」というものだったので、オンライン診療の保険診療化と規制緩和の二つのタイミング（2018年4月と2020年4月）にQiitaでオンライン診療について書かれた記事の数に変化があったかを調べました。

環境

・node v16.10.0
・Visual Studio Code 1.60.2
・axios 0.22.0

サンプルコード

app3.js

const axios = require("axios");

async function main() {
  let response = await axios.get(
    "https://qiita.com/api/v2/items?per_page=100&page=1&query="+encodeURIComponent("オンライン診療")
  );

  for (let i = 0; i < response.data.length; i++) {

   console.log(response.data[i].created_at);
 }
}

main();

結果と考察

オンライン診療では執筆時点（2021年10月5日）で、31件しか記事がなかったため、３ヶ月ごとの記事数としました。
少ない記事数ではありますが、オンライン診療が保険適応となる見込みがたった2017年10月から12月と、オンライン診療の規制緩和があった2020年4月に記事数が増えていることが確認できました。

「ヘルスケア」についても調べる

とはいっても、オンライン診療に関する記事自体が少ないとう課題も感じました。
そこで、私のように保険診療内でのオンライン診療への限界を感じながら保険診療外でのヘルステックの盛り上がりがあるかもしれないと考えました。
「ヘルスケア」の記事数について調べると、326件。
この月別の記事数を調べてみました。

＃サンプルコード

app4.js

const axios = require("axios");

async function main() {
  let response = await axios.get(
    "https://qiita.com/api/v2/items?per_page=100&page=1&query="+encodeURIComponent("ヘルスケア")
  );

  for (let i = 0; i < response.data.length; i++) {

   console.log(response.data[i].created_at);
 }
}

main()

一回に100件しか記事数を取ってこれなかったので、
2,3,4と繰り返して記事数を取ってきました。

「ヘルスケア」についての結果と考察

それをまとめたのがこちら。

二つのタイミングの影響はあまり感じられませんでした。

＃「医療」についても調べてみる

今度は「医療」について調べてみると記事数は1375件。
これも、先ほど同様の方法で２、３、４、、、１４と繰り返して記事を取ってきました。
（もっと上手なやり方があるんでしょうが、宿題の期限もあり調べる余裕なし、、）

「医療」についての結果と考察

まとめたのがこちら。

「ヘルスケア」同様に、二つのタイミングの影響はあまり感じられませんでした。
一方で、なぜか毎年12月に記事数が増えていることに気づきました。
ヘルスケアを見返してみても同様の傾向があるようです。
Qiitaの記事自体が12月に多いのか、それとも他に要因があるのか、調べる時間の余裕がないです。
ということで、今回はここまで。

結論は、Qiitaで見る限り「オンライン診療がヘルステック領域に与えた影響はごく軽度」ということでお願いします。