この記事では"How to Use"ではなく"What is This"に着目しています。実際にLLMを使う方法(OllamaやLM Studioでの利用方法)は紹介していません。
今回紹介するモデル
Plano-Orchestrator-30B-A3B
Qwen3-Coder-30B-A3B-Instruct
Plano-Orchestrator-30B-A3B
モデル概要
ベースモデル: Qwen3-30B-A3B-Instruct-2507
コンテキストサイズ: 262k
パラメータ数: 30B-A3B
使用VRAM: 20~28GB(Q4_K_M)
公式対応言語: 英語
想定用途: オーケストレーター(指示役)
感想
- オーケストレーションを得意とするが単体で使っても問題ないくらい使いやすかった
- 日本語能力は十分
- ウェブ検索系のツールを使った時、検索結果から必要な情報を選別して利用することができていた
-
今日の東京の天気は?などの"今日"のような不確定な要素をプロンプトに含んでも混乱せずにツールコーリングを行えていた - コーディングに関しては重量級の実装は流石に不向きであったが、"簡単だけど面倒くさい"程度の実装ならこなせていた
- 出力の質自体は30Bらしい安定感が感じられたが、生成速度は30Bのそれとは比べ物にならないほど速く、アクティブパラメータの良さを存分に体感できた
Qwen3-Coder-30B-A3B-Instruct
モデル概要
ベースモデル: Qwen3-Coder-30B-A3B-Instruct
コンテキストサイズ: 262k
パラメータ数: 30B-A3B
使用VRAM: 20~28GB(Q4_K_M)
公式対応言語: 不明
想定用途: エージェンティックコーディング
感想
- 基本的にはPlano-Orchestrator-30B-A3Bと同じ
- 日本語も英語も十分使える
- 違う点を挙げるとすれば、ツールコーリングを前提とするプロンプトを与えた際に、こちらのモデルの方が上手に解釈するような印象があった
- Planoの場合、
天気を調べてと命令した時、ウェブ検索ツールではなく天気検索ツールを探すので天気検索ツールはありませんと出力することがある。この場合は、天気をウェブ検索で調べてと命令すれば問題ない - Qwen3の場合、
天気を調べてと命令すると、ウェブ検索ツールで調べようとするので、特に細かい指示なしで出力を出してくれる
- Planoの場合、
- もちろん生成速度は速い
まとめ
どちらのモデルもオーケストレーション目的でも十分利用できるため、このモデルを軸としてエージェントチームを作ってみたりすると面白いかもしれない。アシスタント用のモデルとして常駐させて、雑に与えた大量のタスクを他のモデルに振り分けて行って並列処理みたいな...。30Bらしいパワフルな性能なのでそこそこのタスクなら単体で処理できるだろうし、OpenClawで使ってもいいかも。A3Bなので30Bとは思えない生成速度を維持している。
PlanoとQwenのどちらを選ぶか考えた時に、オーケストレーションを前提とするならPlanoの方がいいかもしれない。Qwenの感想のところでも述べた通り、ツールコーリングのやり方などで多少の差がある。オーケストレーション用途では文脈と目的の理解が重要なため、正確なツールコーリングを行うことが大事である。Planoが天気を調べてと命令されて天気検索ツールを呼ぶのはモデルの解釈不足ではなく命令に忠実に従った結果である。なので、オーケストレーションならPlano、単体ならQwenでいいと思われる。
どちらも文句なしで利用できるモデルであるが、注意する点があるとすれば、VRAM24GB以上確保できない環境だと生成速度がそんなに期待できないのでコンテキストサイズを削るしかないかもしれない。60kくらいならVRAM24GBに収められるかもしれないが、実用的に使うのであればコンテキストサイズは128kくらいは確保したいのでVRAMは32GBくらいを確保できると現実的だと思われる。
評価モデル一覧