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環境
質点の実験をしようとして、質点の代わりにビー玉を使用してみました。
このビー玉はダイソーで購入した直径 24.8mm のものでした。直径は実測した値ですが、0.1mm〜0.2mm 程度のばらつきがあります。
質量は測っていませんが、体積が約$ 10cm^3$ 、ガラスの比重$ 2.5$ の数字から、$25g $程度と推測できます。
運動エネルギーの計算
秒速$ 1m/s $とすると、運動エネルギーは $ 3.1 \times 10^-4 J $ 。
式に直すと
$ \frac{1}{2}mv^2 $ ですね。半径rと密度ρを入れた式にすると、
$ \frac{1}{2}(4/3πr^3ρ) $
回転のエネルギーがあります。
慣性モーメント $ I $ とすると運動エネルギーは
$ \frac{1}{2} Iω^2$ で、球の慣性モーメント $ 2/5 m r^2 $ をあてはめると
$ \frac{1}{5} mr^2ω^2 $
速度 $ v $ で転がる場合の角速度 $ ω = v/ r$ なので、
$ \frac{1}{5} mv^2 $
運動エネルギーは直進分のエネルギーの40%で、これは $ r$ や $ ρ$ に変わらず決まった比率ということになります。
衝突時に 直進分のエネルギーが全て青玉に伝わり、回転分のエネルギーが白玉に全て残ったとすると、そこから白玉の回転エネルギーのうち 5/7 が白玉の前進力に変化するので
$ 1/7 mv^2 $ が前進する運動エネルギーに変換、これにより獲得する 衝突後の速度 $ v'$ は
\displaylines{
1/2 mv'^2 = 1/7 mv^2 \\
v'^2 = 2/7 v^2 \\
v' = \sqrt{2/7} v \\
v' = 0.53 v
}
となります。
弾性衝突しても半分ぐらいの速度がなお残ることになりますね。
実際は衝突時に回転エネルギーから変換された直進運動エネルギーも青玉にある程度は移動するでしょうけれども、
少なからぬ運動量が残るだろうと予想されます。