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LEDパネルキット AKBONE2022 の環境構築を自分でやってみる

Last updated at Posted at 2022-11-05

「LEDパネルキットAKBONE2022で楽しもう! Beta1版」
https://qiita.com/nanbuwks/items/4317031bdf3bdcfafbf8

の開発環境を作ります。実は、環境構築済みのものはこちらでダウンロードでき、それを展開するだけで開発環境が揃います。

https://osdn.net/projects/akbone/releases/77987/
これが万全に使えたらいいのですが、まだライブラリが開発中であったり Mac OSX はこのような頒布形態がとれないことなどから、現在では Linux 環境のみ公開しています。

なので自分で環境構築する必要が出てくる場合があります。
この記事では、同様のものをイチから作るやりかたをを説明します。

以下の構成とします

  • Arduino IDE
  • ポータブル化
  • LovyanGFX の開発版ライブラリ
  • その他周辺機器のライブラリ

環境

  • Arduino 1.8.9
    これを、ポータブル化して設定しています。
$ lsb_release  -a
No LSB modules are available.
Distributor ID:	Ubuntu
Description:	Ubuntu 22.04 LTS
Release:	22.04
Codename:	jammy

今回は Linux での設定作業を記事にしています。 MS-Windowsも同様に作業できるはず。
Mac OSX の場合はポータブル化できないのでポータブル化作業を除いて、同様に設定してください。

Arduino IDE をポータブル環境でインストールする

https://www.arduino.cc/
から、今回は Portable 化した開発環境を使います。

Arduino IDE 2系はまだ Portable 化対応できていないので、1.8.19をダウンロードします。

image.png
ダウンロードして解凍した場所に移り、portable フォルダを作ります

$ mkdir portable


以下のようになります。
image.png

arduino を起動

$ ./arduino

ESP32 の設定をする

ESP32の設定を以下のように行っていきます。

「ESP32 Arduino を設定」
https://qiita.com/nanbuwks/items/d5332d068c9c597d6e00

この記事中の「動作確認」を行っておきましょう。

ESP32 ボードを接続し、シリアルポートとボードを合わせます。
動作確認プログラムは
「スケッチ例」-「ESP32」-「ChipID」-「GetChipID」を試してみました。

image.png

一度 Arduino IDE を終了します。

LED ドライバのインストール

今回、 らびやん さんの協力で LEDパネルを LovyanGFX で動くようにしていただきました。
https://github.com/lovyan03/LovyanGFX

まだ開発途中ですが、 develop ブランチを導入します。

$ cd portable
$ cd sketchbook
$ cd libraries
$ git clone https://github.com/lovyan03/LovyanGFX.git

image.png

最新の commit を使います

$ cd LovyanGFX
$ git checkout 86f0ea3

$ cd ../../../..

(2022/11/19 checkout リビジョンを修正しました)

再度Arduino IDEを起動します

$ ./arduino

サンプルプログラムとして、こちらの hub75_sample.ino を使います。
「LovyanGFX_HUB75_sample.ino」
https://github.com/nanbuwks/AKBONE2022/blob/main/Arduino/sketchbook/LovyanGFX_HUB75_sample/LovyanGFX_HUB75_sample.ino
(2022/11/06追記 : checkout に併せて刻々と変化しています。先の checkout ごとに LovyanGFX_HUB75_sample.ino を取得し直してください。)

手持ちのパネルにあわせ、書き換えを行います。

パネルの種類

AVTOKYOでは、パネルを3種類頒布しました。
image.png
左から、P4パネル、P3パネル、P2パネルです。

  • P4(ピッチ4mm) 256mmx128mm 64x32pixel
  • P3(ピッチ3mm) 192mmx96mm 64x32pixel
  • P2(ピッチ2mm) 256mmx128mm 128x64pixel

image.png
パネルのピッチが違うのがわかります。

パネルの種類に応じて、該当箇所を書き換えます。書き換えは5箇所です。

AVTOKYO で頒布した、 256x128mm の P4 パネルの場合

サイズを指定。

#define PANEL_64x32
//#define   PANEL_128x64

次の箇所を丸々無効にします。


struct LGFX_HUB75 : public lgfx::LGFX_Device
{
  struct Panel_Custom_HUB75 : public lgfx::Panel_HUB75
  {
/*/ X 座標が8ドット単位で逆順になる場合の対策が必要な場合はこのoverrideを有効にする

    void _draw_pixel_inner(uint_fast16_t x, uint_fast16_t y, uint32_t rawcolor) override
    {
      Panel_HUB75::_draw_pixel_inner((x & 8) ? x : (x ^ 7), y, rawcolor);
   // Panel_HUB75::_draw_pixel_inner((x & 8) ? (x ^ 7) : x, y, rawcolor);
    }
//*/
  };

行デコード方法をバイナリとします。

      // パネルの行選択の仕様に応じて指定する
      //cfg.address_mode = cfg.address_shiftreg;
      cfg.address_mode = cfg.address_binary;

列ドライバの初期化コマンドを送らないようにします。

      // LEDドライバの初期化コマンドを指定する
      cfg.initialize_mode = cfg.initialize_none;
      //cfg.initialize_mode = cfg.initialize_fm6124;

パネルの縦横ピクセル数を指定します。

      // ここでパネルサイズを指定する
      // 複数枚並べる場合は全体の縦横サイズを指定
      cfg.memory_width  = cfg.panel_width  = 64;
      cfg.memory_height = cfg.panel_height = 32;

AVTOKYO で頒布した、 192x96mm の P3 パネルの場合

サイズを指定。

#define PANEL_64x32
//#define   PANEL_128x64

次の箇所を丸々有効にします。


struct LGFX_HUB75 : public lgfx::LGFX_Device
{
  struct Panel_Custom_HUB75 : public lgfx::Panel_HUB75
  {
// X 座標が8ドット単位で逆順になる場合の対策が必要な場合はこのoverrideを有効にする

    void _draw_pixel_inner(uint_fast16_t x, uint_fast16_t y, uint32_t rawcolor) override
    {
      Panel_HUB75::_draw_pixel_inner((x & 8) ? x : (x ^ 7), y, rawcolor);
   // Panel_HUB75::_draw_pixel_inner((x & 8) ? (x ^ 7) : x, y, rawcolor);
    }
//*/
  };

行デコード方法をバイナリとします。

      // パネルの行選択の仕様に応じて指定する
      //cfg.address_mode = cfg.address_shiftreg;
      cfg.address_mode = cfg.address_binary;

列ドライバの初期化コマンドを送らないようにします。

      // LEDドライバの初期化コマンドを指定する
      cfg.initialize_mode = cfg.initialize_none;
      //cfg.initialize_mode = cfg.initialize_fm6124;

パネルの縦横ピクセル数を指定します。

      // ここでパネルサイズを指定する
      // 複数枚並べる場合は全体の縦横サイズを指定
      cfg.memory_width  = cfg.panel_width  = 64;
      cfg.memory_height = cfg.panel_height = 32;

AVTOKYO で頒布した、 256x128mm の P2 パネルの場合

サイズを指定。

//#define PANEL_64x32
#define   PANEL_128x64

次の箇所を丸々無効にします。


struct LGFX_HUB75 : public lgfx::LGFX_Device
{
  struct Panel_Custom_HUB75 : public lgfx::Panel_HUB75
  {
//* X 座標が8ドット単位で逆順になる場合の対策が必要な場合はこのoverrideを有効にする

    void _draw_pixel_inner(uint_fast16_t x, uint_fast16_t y, uint32_t rawcolor) override
    {
      Panel_HUB75::_draw_pixel_inner((x & 8) ? x : (x ^ 7), y, rawcolor);
   // Panel_HUB75::_draw_pixel_inner((x & 8) ? (x ^ 7) : x, y, rawcolor);
    }
//*/
  };

行デコード方法をシフトレジスタ形式とします。

      // パネルの行選択の仕様に応じて指定する
      cfg.address_mode = cfg.address_shiftreg;
      //cfg.address_mode = cfg.address_binary;

列ドライバの初期化コマンドで輝度指定を送るようにします。

      // LEDドライバの初期化コマンドを指定する
      // cfg.initialize_mode = cfg.initialize_none;
      cfg.initialize_mode = cfg.initialize_fm6124;

パネルの縦横ピクセル数を指定します。

      // ここでパネルサイズを指定する
      // 複数枚並べる場合は全体の縦横サイズを指定
      cfg.memory_width  = cfg.panel_width  = 128;
      cfg.memory_height = cfg.panel_height = 64;

動作

書き込んで、このような画面が出ればOKです。
image.png

ライブラリの設定をする

SPIFFS を使えるようにする

こちらのサイトに従い、SPIFFSのフォーマッタを導入します。
https://www.souichi.club/m5stack/spiffs/

ダウンロードした ESP32FS-1.0.zip を以下のように解凍、配置します。

$ cd tools
$ unzip ../../ESP32FS-1.0.zip 
$ ls
ESP32FS  Mangler  WiFi101  howto.txt
$ cd ..
$ ./arduino

「ツール」 - 「ESP32 Sletch Data Upload」 ができてたらOKです。

BME280ライブラリを導入する

Adafruit BME280 Library を導入します。

サンプルプログラムとして、こちらの hub75_sample.ino を使います。
「BME280demo.ino」
https://github.com/nanbuwks/AKBONE2022/blob/main/Arduino/sketchbook/BME280demo/BME280demo.ino
hub75_sample.ino と同様に、お持ちのパネルの種類に合わせて必要箇所を書き換えてください。
image.png

RTC ライブラリを導入する

PCF8563 を使うと、カレンダー機能が使えるようになります。

Adafruit RTCLib を導入します。

サンプルプログラムとして、こちらの RTC_PCF8563demo.ino を使います。
https://github.com/nanbuwks/AKBONE2022/blob/main/Arduino/sketchbook/RTC_PCF8563demo/RTC_PCF8563demo.ino

hub75_sample.ino と同様に、お持ちのパネルの種類に合わせて必要箇所を書き換えてください。
image.png

ジャイロセンサライブラリを導入する

MPU9250_WE ライブラリを導入します。

サンプルプログラムとして、こちらの MPU6500demo.ino を使います。
https://github.com/nanbuwks/AKBONE2022/blob/main/Arduino/sketchbook/MPU6500demo/MPU6500demo.ino

hub75_sample.ino と同様に、お持ちのパネルの種類に合わせて必要箇所を書き換えてください。

また、AKBONEの固定方法に合わせて以下の箇所も書き換えます。

  // ジャイロの取付向きで選択 AKBONE2022 を横長に配置
  
  xv = xv + gValue.y;
  yv = yv - gValue.x;
/*
  // ジャイロの取付向きで選択 AKBONE2022 を縦長に配置
  xv = xv + gValue.x;
  yv = yv + gValue.y;
*/

最初はキャリブレーションのために水平に保持します。
image.png

キューブが重力で転がります。
image.png

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