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安価な中華ガイガーカウンターをもうちょっと改良(放射線測定マップの作成 Ⅶ)

Last updated at Posted at 2024-02-22

安価な中華ガイガーカウンターをIoT化(放射線測定マップの作成 Ⅰ)
https://qiita.com/nanbuwks/items/7ee0bf85be3ff3730405

では、中国製のガイガーカウンター BR-9B を改造して、 IoT化 しました。
その記事では最低限の加工で済ますようにしたために、いくつか使いでが悪いところがあります。

例えば、BR-9B は起動のためには手動操作で ON キーを押す必要がありますが、それより前に ESP32 モジュールの電源が入っていると、 BR-9B が起動するまでにカウンターがものすごい勢いで増えていきます。

image.png

この問題があるために、起動時にはタイミングよく ON キーを押すか、クラウドに上がった最初のデータはノイズとして除外する必要があり、運用テクでカバーするやりかたでした。

記事執筆時には、多くの方に改造してもらうために簡単な方法に特化しましたが、それでも敷居が高いという声があり、その後改造済みのガイガーカウンターをエンドユーザに供給するという方向にピボットすることにしました。

となると、手の混んだ改造ができるようになるので、それで使いづらいいくつかの問題を解消することにします。

ものすごい勢いで増える件

改造を追加して、 BR-9B の起動を検出するようにしようかと思いましたが・・・これについては次の改造で、電源を強制的に ON にすることで解消することにしました。

電源を強制的に ON にする

BR-9B の回路は 3.3V で駆動しています。ON キーを押すと 3.3V リニアレギュレーターが作動を開始し、BR-9B がスタートするのですが、その回路とは別に、BR-9B の 3.3V 系にESP32 モジュールの 3.3V を供給するようにします。

それに伴い、本体側の USB コネクタ、電池ボックスは使えなくなります。共用するには、ダイオード追加する必要があります。

放射線測定機能をスタートする

BR-9B は電源 ON になってもラザフォードの恩顔が表示されて、しばらくしたあとにキーを押さないと放射線測定機能がスタートしません。

image.png

L、M、R キーのいずれかを押すと測定が開始されます。

更に、測定中のキーの働きは以下のとおりです。

  • L キー サウンドのOn/OFF
  • M キー 平均値のリセット
  • R キー バックライトOFF
  • L と R キー同時押し 累積値のリセット

なので電源ONになったしばらくあとにいずれかのキーを ESP32 から押すようにします。
今回は M キーを押すようにしました。

工作

BR-9B の R4,T3,T2がつながっているいずれかへ から放射線検出信号を取り出します。

IMG_20240222_220432.jpg

3.3V 電源(オレンジ)とGND(黒)、Mキー(緑)はサービスポートから取り出します。ちなみにあと1つの端子はRキーです。

IMG_20240222_220416.jpg

3.3V 電源は ESP32 モジュールの 3V3端子へ。
IMG_20240222_221118.jpg

GND、放射線検出信号、Mキー は GND/D27/D26 に取り付けました。
IMG_20240222_221015.jpg

ESP32 モジュールに USB ケーブルをプラグすると BR-9B が電源が入ることを確認します。
IMG_20240222_220904.jpg

ちなみに、写真の黒いのは、液晶のダメージです。工具などと一緒にガラガラと運んでいたためです。割と弱い感じなので気をつけないと・・・

サンプルプログラム

M キーをタイミング良く押すようにしてみました。

int count;
void setup() {
  Serial.begin(115200);
  pinMode(27, INPUT);
  delay(1000);
  Serial.println();
  Serial.print("waiting...");
  // BR-9B splash pass
  for( int i=7 ; i>0 ; i--){
    Serial.print(i);
    Serial.print(" ");
    delay(1000);
  }
  pinMode(26, OUTPUT);
  digitalWrite(26,LOW);
  delay(2000);
  pinMode(26, INPUT);
  Serial.println("start");
  
}

void loop() {
   int check=digitalRead(27);
   if ( 0 == check ) {
     count=count+1;
     Serial.println(count);
     delayMicroseconds(200);
   }
}

これで USB ケーブルをプラグして、ラザフォードが出たあとに放射線測定画面になれば OK です。

このスケッチの setup() をその他のスケッチに持っていけばいいですね。

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