「Raspberry Pi + コルキットスピカ望遠鏡で天体撮影システムを作る」
https://qiita.com/nanbuwks/items/42af4ba35c2510c157e2
で作った、RaspberryPi撮影システム
を使って、実際に撮影してみます。
ピントを合わせる
あらかじめ、昼間にピントを合わせておく。なお、無限遠対象がないときは、以下の写真を目安にしておく。
ここの長さと、対象物への距離は以下の通り。
9cm 150m
10cm 40m
11cm 15m
12cm 7.5m
Raspberry Pi の設定
ここでは、Raspberry Pi には電源とネットワークだけ接続して操作する。
PCと接続できるようにしておく。
像が映っているかどうかの確認はストリーミング動画で行う。
PCで動画を見ながら調整する。
- 有線LANで接続するように設定するのが望ましい。
- 遅延を最小にすることが肝要なため。
- PCと直接Peer to Peer で接続できるようにしておくと便利。
- そのためには固定アドレスやAVAVIを使えるよにRaspberry PIを設定しておく。
mjpg-streamerをインストール
遅延の少ないmjpegで、画面をPCに転送する。
$ mkdir mjpg-streamer
$ cd mjpg-streamer
$ sudo apt-get install subversion libjpeg-dev imagemagick
$ svn co https://mjpg-streamer.svn.sourceforge.net/svnroot/mjpg-streamer mjpg-streamer
$ cd mjpg-streamer/mjpg-streamer
$ make
$ sudo install
像の確認
mjpg-streamer の実行
$ cd mjpg_streamer
$ sudo modprobe bcm2835-v4l2
$ ./mjpg_streamer \
-i "./input_uvc.so -f 10 -r 320x240 -d /dev/video0 -y -n" \
-o "./output_http.so -w ./www -p 8080"
ここでは、320x240として、遅延がなるべく少なくなるようにしている。なお、 -x 640 -y 480 -fps 30 -q 10 のようにして、fpsとq で調整もいいかも。
PCで見る
母艦からブラウザで
http://(Raspberry PiのIPアドレス):8080/stream.html
にアクセスする。
撮影する
良い撮影条件が揃ったら、mjpg-streamerを停止し、以下のコマンドで撮影する。(この最中は画像は確認できない)
$ raspivid -t 60000 -o 201809161821.h264
これで、H.264フォーマットで1920x1080の60秒の動画が撮影される。
mp4に変換
このままだと再生できるプレーヤーが少ないので、mp4形式にします。
以下の作業は、Raspberry Pi で行います。母艦 PC が Linux であればそちらで行うことも出来ます。
sudo apt-get install -y gpac
として MPEG-4 ツール GPAC を導入しておいて、
MP4Box -fps 30 -add 201809161821.h264 201809161821.mp4
としてmp4コンテナに格納します。
scpなどで母艦にコピーして、閲覧します。
動画をスタック処理して1枚の画像を作る
RegiStax6というソフトウェア使って、スタック処理を行ってみます。
動画→数千枚の静止画→Regex6→1枚の静止画
という流れで実現します。
以下は母艦PCとして Ubuntu Linux 16.04 を使った事例です。
インストール
こちらからダウンロードしてインストール。
https://www.astronomie.be/registax/
元々、Registax6 はWindows用ソフトであるが、Ubuntu Linux だとそのまま Wine で動作する。
動画を静止画集合に変換する
RegiStax6は動画も読めるのですが、H.264やmp4フォーマットには対応していないので、静止画に変換します。
ffmpegを使います。
$ mkdir frames
$ ffmpeg -i moon20180916-1.mp4 -f image2 -qscale 1 -qmin 1 -qmax 1 frames/%06d.jpg
このようにすると、moon20180916-1.mp4 が000001.jpg, 000002.jpg, 000003.jpg … として分解され、framesディレクトリ内に格納されます。
Regstarx6で月画像を処理
- RegiStar6を起動し、「Select」で範囲指定しOK
- 全部を読み込むとうまく処理できなかったので程度の良い400枚程度を読み込ませる
- 「SetAlignpoints」を押して処理が終わるのを待つ 処理が終われば「Align」ボタンにフォーカスが移る
- 「Align」を押して処理が終わるのを待つ (左下のゲージが進むのを待つ) 処理が終われば「Limit」ボタンにフォーカスが移る
- 「Limit」を押して処理が終わるのを待つ 処理が終われば「Stack」ボタンにフォーカスが移る
-
「Stack」をデフォルトのまま押して処理が終わるのを待つ
(左下のゲージが進むのを待つ) -
「Wavelet」の2,3,4で画質調整
大体、上のゲージのように調整するのがいい感じ。
更に、Contrast-Brightnessおよび、RGB Balanceをいじってできたもの
土星画像を作る
同様にして、土星も処理してみました。
土星の処理はそのままではうまく「SetAlignpoints」できなかったので、縦横2倍に拡大してから処理しています。
うーん、もう少しがんばりたいところ。うまいやりかたが固まったら、また発表します。