#経緯
「クライアントから降りてくる『漫画の仕様書』を、アフレコ台本化するのがめんどくさい」という話をチーム内で聞いて、関数処理で縦書き台本化できないかと検討した。
結果、それなりのものはできた。
#条件
①クライアントから降りてくる仕様書の条件は以下
| AA | BB | CC | DD | 漫画セリフ | 音声 | GG | 補足 | II | JJ | KK |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| :-: | :-: | :-: | :-: | :-: | キャラ1「セリフが書いてある」 | セリフが書いてある | :-: | いわゆるト書き部分。芝居や描写の指定 | :-: | :-: |
※アルファベット部分に関しては、いろんな事情を鑑みて割愛
②基本的には①のカラム構成で降りてくるので、コピペで今後も台本化していきたい。
#やってみた
###①Exelで縦書きで脚本を書くためのシートを用意する
まずはEXELで縦書き台本を作るための、基礎を作らねばならない。
でも、たぶん誰かが既にやってそう。
というわけで探してみた。
……あった。
こちらのサイト様からテンプレートをダウンロードして、基礎となるシートとした。
###②構成を決める
チーム内でヒアリングして、どんな構成が良いか確認。
結果。
| 構成↓ |
|---|
| ト書き |
| No. |
| キャラ |
| セリフ |
という構造で、右→左に読むという構成に決まった。
###③【関数】セリフとキャラを分離
仕様書の段階では、キャラのみ独立して書かれているカラムはなかったので、①のシートをコピーして、漫画セリフカラムの隣にキャラカラムを作成。
=IFERROR(LEFT(([@漫画セリフ],FIND("「",([@漫画セリフ])-1),"")
でキャラ名のみを取り出すことにした。
※IFERRORは、エラー表示が台本に反映されるので噛ましてある。
※スタートは3行目からなのでF3指定になっている
また、音声カラムが手入力（！）だったので、これも
=IF(([@漫画セリフ]=0,"",IFERROR(MID(([@漫画セリフ],FIND("「",([@漫画セリフ])+1,FIND("」",([@漫画セリフ])-FIND("「",([@漫画セリフ])-1),([@漫画セリフ]))
で取得することにした。
###④【関数】横並びに変換
別のシートに参照用テーブルを作成する。
| ト書き | キャラ | セリフ |
|---|
ト書き = 補足カラムを参照
キャラ = ③のキャラカラムを参照
セリフ = ③の音声カラムを参照
上記のテーブルをTRANSPOSE関数を使い横並びにした。
結果、
| 構成↓ |
|---|
| ト書き |
| キャラ |
| セリフ |
左→右で作ることができた。
###⑤台本に反映
まず、No.の行は=COLUMN()-1で取得。
※台本のスタートが2列目
台本はダウンロードしてきた時点で右→左に読む構成になっているので、④で取得したト書き、キャラ、セリフをそいれぞれの行に割り当てる。
###⑥【関数】代替文字に置換
縦書きにすることで起きる弊害があった。
記号の類、～、…、（）、「」、、などが、表示不具合を起こしてしまった。
そこで、
SUBSTITUTE関数を使い、それぞれ代替文字を当てはめていった。
代替文字はこちらのサイトを参考にさせてもらった。
縦書き字形
これでExelでの台本化は完了！
###番外編：スプレッドシートでのあれこれ
よし、できた！と思ってスプレッドシートに反映させた。
我がチームはスプレッドシートとドキュメントに大いに依存していた。
作ったExelはちゃんと反映された。
関数もいい具合に変換してくれて、正常に動いた。
しかし……
細かい悲劇が起きた。
- セル内で改行した場合に、左→右で改行されてしまう
- 印刷時（PDF変換時）、文字化けしてしまう
やれやれだぜ。
そんなわけで、スプレッドシート用に修正を行った。
まず
- セル内で改行した場合に、左→右で改行されてしまう
に関しては、対象のセルを
表示形式>方向>右から左方向のセル
に設定することで対応できた。
ぶっちゃけ全選択して、この設定かければいい。
- 印刷時（PDF変換時）、文字化けしてしまう
これはなかなか厄介だったが、結局何のことはない。
Sawarabi Gothic
というフォントに変えたことで、文字化けは解消した。
以降、降りてきた「漫画の仕様書」はコピペすれば自動的に台本化してくれる。
そんなわけで、Exelでの脚本の作り方でした。
今後のためにもメモしておきたかったので書きました。。
#参考まとめ
アフレコ台本テンプレート
縦書き字形