この記事は、みすてむず いず みすきーしすてむず Advent Calendar 2025の12日目の記事です。
注意
- 本記事に書かれている情報の中には不確定なものも含まれている可能性がありますが、内容については責任を負いかねます。誤りがある場合は修正致します。
- この記事で取り上げているゲームの最適化が**なだけで、大抵のゲームはWindowsネイティブの方が軽快に動作します。
この記事の想定される読者層
- Linux に多少慣れている、かつゲームのプレイ経験がそれなりにある
はじめに
この記事では、Windowsで上手く動かないゲームをLinuxで動かした話を書きます。
動作させたゲームは、Steamで販売されているシューティングゲーム『レイディアントシルバーガン』です。
ショットであるバルカンレーザーは勿論、近接攻撃ができるソードや、敵を追尾するホーミング、前方左右に撃てるスプレッド等の8種類の攻撃を活用して敵を倒していくゲームです。
最近ではRTA in Japan Summer 2025にて採用されたタイトルの一つでもあります。
株式会社トレジャーが開発し、1998年に稼働を開始したアーケードゲームですが、今回扱うSteam版は、その外部による移植作品となっています。
このゲームには推奨動作要件を満たしていても処理落ち、それもフレームスキップと入力抜けが起きるという厄介な特性があり、通常の手段ではあまり改善が見込めません。
これを回避するための実践的な方法として、「Windowsを捨てる」という結論に至りました。
1. Windows, Linux環境での比較
ストアページの「システム要件」には、以下の内容が記されています。
最低:
OS: Windows 10/11
メモリー: 8 GB RAM
DirectX: Version 9.0c
ストレージ: 2 GB の空き容量
推奨:
OS: Windows 10/11
メモリー: 8 GB RAM
グラフィック: NVIDIA GeForce GTX 750
DirectX: Version 9.0c
ストレージ: 2 GB の空き容量
この要件は決してハードルの低いものではなく、一般的なノートPCでも満たせるレベルです。
しかし、推奨動作要件から見ても大幅に余裕のあるスペックの環境であっても、視認できる程の処理落ちの発生が確認されています。
特に問題なのは、このゲームの処理落ちがフレームスキップと入力抜けであるという点であり、プレイにはかなり支障を来します。
しかし、私はネットでこれを知って思った訳です。
「少し前にUbuntuを使って推奨動作要件を満たしてない環境でプレイした時、処理落ちなんてしてなかった気がするが...?」
すぐにWindowsとUbuntuの両方で動作検証を行いました。
使用しているGPUはIntel UHD Graphics 620です。性能としては推奨動作要件のGeForce GTX 750にかなり劣るはずですが、Windows ではカクカクだった同じシーンが、Ubuntu+Proton では普通に動いています。
こちらは先述のRiJにて出走されていたVTF-INO氏の動画です。
性能から鑑みて推奨動作要件を満たしている環境ですが、Windowsでは処理落ちが発生しています。一方、SteamOS上では安定してゲームが走っています。
なお、WindowsではdgVoodoo2等使えば解決しそうな感じはしますが、2023年リリースのゲームに使うツールではないような。
2. ウィンドウの大きさを変えられるようにする
次はマウス等を使ってウィンドウの大きさを変えられるようにします。
動作させる上で必須ではないため、飛ばしても問題はありませんが、これをするとかなり便利になります。
Proton環境の場合、ウィンドウモードにしてもウィンドウが強制的に画面いっぱいに表示され、リサイズできない場合があります。
ここでValveが開発しているgamescopeを使用します。
このソフトウェアでできる事として、
- アップスケーリング
- 大きさを変更できないウィンドウを可変ウィンドウにする
- フレームレートの制限
等が挙げられます。
導入
SteamOS では既定で導入されているらしいです。
実行可能バイナリは配布されておらず、ソースコードからビルドする形となります。
git clone https://github.com/ValveSoftware/gamescope
cd gamescope
git submodule update --init
meson setup build/
sudo ninja -C build/ install
使用
ビルドが完了したら、Steamクライアントで、起動オプションに以下のコマンドを入力して起動。
GAMESCOPE_RESOLUTION=1920x1080 GAMESCOPE_FSR=1 gamescope -- %command%
最後に
と、ここまで書いてきましたが、いかがでしたか?
互換レイヤーを使用した環境でここまでのパフォーマンスを出せるとは、開発を担当したLive Wireは良い仕事をしたと言えるでしょう。

