「aibo ers-11x/210で遊ぶ Advent Calendar 2023」の20日目です。
ERS-210のバッテリーについて、Loïc POLLIERさんのレポジトリbattmonを参考に、一から勉強したメモをまとめています。
https://github.com/lpollier/battmon/tree/master
ヤフオクで購入した機体のバッテリーは完全放電して液漏れしていましたので、battmonの手順に従いセルを交換しようと思います。また、作業中に気づいた重要そうな点をまとめました。
警告
この記事について作者はいかなる責任も負いません。
バッテリーの分解、改造は非常に危険な行為です。
業務外の個人的な検討活動です。
手順で気づいた重要な点
- EEPROMの内容は必要であれば書き直す
- セルを取り付ける前にトラップ部を無効にする
- 充電してBQ2040のキャリブレーションを促す
特に2番目と3番目は気づくまでフューズが切れたりaibo本体が起動しなかったりで散々でした。
EEPROMの内容の変更
セルの容量が変わった場合や充電回数をリセットしたい場合は、18日目の内容を参考にしてEEPROMの情報を書き換えました。
https://qiita.com/nakmura/private/5e313057527ebb8f6b8d
セルをニコイチする場合は変更しなくてもよかったです。
セルを取り付ける前にトラップ部を無効にする
battmonでも特に記載されていますが、下記のテスト端子間を一時的に短絡させます。
- TP4/TP5とTP12を短絡させる;Q8をオフにしてFuse切断機構を無効化する
- セルをはんだ付けする
- TP4/TP5とTP24を一瞬、短絡させる;GNDとBAT-の電位を合わせる
- TP4/TP5とTP12の短絡を解除する
個人的にハマったのは3.の「一瞬」というところでした。battmonには"a split second"と書いてありましたが、ちょい押しみたいな一瞬で実施して2度フューズが切れました。2-3秒短絡させるようにしてからはフューズが切れなくなりました。
また、GNDとBAT-の電位が揃っているか判断するとき、battmonは”TP4/TP5とTP24の間の抵抗が0Ωに非常に近い"で判断していましたが、フューズを切ってしまった時もその状態で判断してしました。今回の検討では、GNDとBAT-の電位が揃った結果、IC200の3.3v生成用のレギュレータの出力が3.3Vになっていることを確認するようにしました。
充電してBQ2040のキャリブレーションする
aibo本体にとりつけてステーションに載せる、ステーションのサブバッテリー充電器にバッテリーを接続し、充電が完了するまで待ちました。
battmonには"TIPS and tricks"と書かれていたので他の作業が終わってから読もうと思ったのですが、この作業をしないとバッテリーは使用できる状態にならないようです。
20日目のバッテリー残量チェッカーも、キャリブレーションするまでは残量なしの表示になりました。
https://qiita.com/nakmura/private/323822b798a539dcd42a
今回の実験ではキャリブレーションが完了するまで約1時間くらいかかりました。もちろん充電中は目を離さないようにしていました。
動作確認
やっとERS-210が目の前で起動しました。
だいたい2か月くらいかかったのでリフィルされたバッテリーを15,000円で買った方が早かったと思いましたが、EEPROMのテストクランプをつかったり今まで個人的に謎だった技術を勉強できてよかったです。
警告をもう一度
今回のAdvent Calenderでバッテリーセルの交換について考察しますが、非常に危険ですので知識と教養を深める目的で調べたことをまとめました。
十分な安全対策を講じなければ、実行することはお勧めできません。
重要なことなので、もう一度書きます。
警告
この記事について作者はいかなる責任も負いません。
バッテリーの分解、改造は非常に危険な行為です。