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エンゲージメントに気を配っておかなければメールは届かなくなるという話

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SendGrid Advent Calendar 2016ももう7日目です。(あやうく8日になりそうだった。。。)

今回は初日にも少し触れたエンゲージメントについて書きたいと思います。若干煽り気味のタイトルですが前時代的な一括大量配信(batch-and-blast)を漫然と続けているとメール送信そのものができなくなるというリスクが高くなってきているのでその注意喚起の意味も込めて強めにしてみました。

エンゲージメントとは

エンゲージメントとは、約束、契約、誓約、婚約、雇用、従事、没頭、交戦、債務などの意味を持つ英単語。ビジネスの分野では、企業などと従業員の相互の深い結び付き、顧客や消費者の企業や製品、ブランドなどへの愛着心や親近感などの意味でよく用いられる。
Source: IT用語辞典e-Words

メールやメールマーケティングにおけるエンゲージメントは、送信元のプロダクトや送られてくるメール自体に対して受信者が愛着心や親近感を持っているかどうかを表します。

ざっくりいうと、メールの愛読者はエンゲージメントが高い(Engaged)であるといえます。

エンゲージメントを図る指標 (メトリクス)

愛読者かどうかということなので

  • 開封率 (Opens/Unique Opens)
  • クリック率 (Clicks/Unique Clicks)

が高いとエンゲージメントが高く、逆に、

  • 配信、購読停止 (Unsubscribes)
  • 迷惑メール報告 (Spam Reports)

をした場合はエンゲージメントが低い、と判断できます。
※カッコ内はSendGridのStats Metrics

なぜエンゲージメントが重要なのか

冒頭に述べたように、一括大量配信をただ続けていてはまずい時代になってきました。
スライド17.png

メール登場初期は、それこそ送れば届くしメールアドレスさえわかっていれば誰にでも送ることが可能なある種無秩序な時代でした。当然の流れとして、それを悪用しスパムを送る不届き者が現れます。

その後スパム報告を使って人々は悪に立ち向かうようになります。とはいえその仕組は非常にシンプルでメールの送信者やドメインをブロックすることにより受取りを拒否するものでした。携帯キャリアのドメイン指定拒否などもこれに該当します。

現代ではそこからもう一歩進み、機械学習などの技術を利用し、非常に高度なフィルタにより不正だと思われるメールを取り除くようになりました。Gmailで「Google の迷惑メール フィルタが検出したメッセージに類似しています」と迷惑メールに振り分けられてしまっていた経験がある方は多いのではないでしょうか。

GmailやHotmailなどはSPFなどの作法やコンテンツに加え、送信者に対する受信者のエンゲージメントが高いかどうかもフィルタリングの重要な指標として利用しているそうです。なので、

  • この送信元からのメールは毎回開封してるし、クリックしてるから必要なメールなんだな、受信トレイに入れておこう
  • あ、前にスパム報告した送信元からのメールだから迷惑メールに入れておこう
  • 毎回読まれてないから不要なメールなんだろう、迷惑メールに入れておこう

ということが発生します。ある日突然迷惑メールに入るようになったり、その逆が起きるのはこのためです。
エンゲージメントが高い人ばかりであれば問題はないですが、低い人が混じっているとそのネガティブな影響がメール配信全体に影響を与えてしまいます。

エンゲージメントのライフサイクル

とはいえ、全員のエンゲージメントが高いことをキープすることは不可能で、通常は以下のようなサイクルをたどり、最終的には必ず去っていきます。
engagement cycle.png

  1. New User - サインアップしたばかりのユーザ
  2. Engaged User - 当然サインアップするということは興味が高い状態でありメールで送られてくる情報にも敏感に反応
  3. Unengaed User - あるタイミングでそのプロダクトを使わなくなったり興味がなくなったりしてメールも読まなくなる
  4. Sunset - 夕日、という意味でもう完全に去ってしまった状態を指します

重要なのは、エンゲージメントが高い人/低い人がどれくらいいて、どのように推移をしているのか常にモニタリングをしておくことです。
幸いSendGridでは開封やクリックの情報も簡単に取得できるので、キャンペーンの効果測定にも、個別ユーザのエンゲージメントの把握もすぐに取りかかれます。

Sunsetの重要性

今回の記事ではエンゲージメントを高めるための手法については述べませんが(そのあたりは是非SendGridブログをw)、おそらく軽視されている方が多いであろうSunsetするための手段について紹介します。なぜSunsetが重要かというと、実際にはSunsetになっている状態の読者(受け取っても全く読まない人)に送り続けると、スパム報告されたり、実はそのアドレス自体を使わなくなっていてスパムトラップになってしまうというリスクもあるからです。スパムトラップの話はまた後日。

1. 配信停止手段の提供

(トランザクションメールに関してはこの限りではないですが)必ず配信停止リンク、可能であればPreference Centerを設置したいところです。重要なのは、読者が簡単に離脱できる手段を提供することです。
それが見当たらないときにそのメールを受け取りたくない人はどうするでしょうか?そうです、スパム報告をしてしまうんですね。
配信停止をご希望の方は件名に云々、みたいなのをよく見ますが、「めんどい!はいスパム報告〜」となってしまうかもしれません。なるべく簡単にしておくことが重要です。

2. Sunset Policyの作成

配信停止は受信者に自発的なSunsetを促す手段ですが、Sunset Policyというのは、送信者側がこの人はSunsetしてるからもうリストから削除してしまおう、という処理をするためのポリシーです。

例えば、3ヶ月間開封もクリックもない読者はSunsetとみなす。といった感じです。それに従い実際にリストから削除します。
これは非常に痛みを伴う作業ですが、本質的に、読まない人にメールを送ることは無意味です。キャンペーンやメールプログラムの効果を適切に判断することもできなくなってしまいます。
「宛先リストのサイズ x 送信頻度」をKPIにするとか絶対ダメ!
Sunset Policyの詳細はこちらを。

まとめ

なんかいろいろと話しが散らかってしまいましたが、「読んでくれる人にきちんと読んでもらえる内容のメールを送る、読まない人は潔く諦めて読んでくれる人に集中する」ことが重要ということです。
繰り返しになりますがエンゲージメントはフィルタの挙動に影響があります。ある日突然迷惑メールに入るようになってしまったら前回の記事も含め振り返ってみてください。

最も多い問合せの一つに「迷惑メールフォルダに入ってしまうんですが・・・」というのがありますが、作法を守り、エンゲージメントが高くなるようキープしてればいずれ受信トレイに届くようになります。これには特効薬はありません。根気強く頑張りましょう。皆様のメール配信がうまくいきますように。

Happy Sending!!

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