macOSは無料で使用できるが、Apple純正ハードウエア以外で使用することはmacOSソフトウエア使用許諾契約に違反する行為である可能性がある。
すべては自己責任でお願いします。

0. はじめに

つい先日、最新の macOS である、macOS Sequoia 15.0 がリリースされた。
（iOS 18.0 や Xcode 16.0 等と同時にリリース）

Windows 11 or 10 に、macOS の仮想マシンを建てる方法はいくつか存在する。
今回、最新 macOS である Sequoia 15.0 をインストールして起動する方法について、次の4つを確認した。

（ VirtualBox、VMware Workstation ともに、個人利用は無償）

使用するWindows PC のハードウエア（CPU / GPU、メモリ容量、ディスク容量）に依存するため、同じ手順で実施しても、起動できるPCと起動できないPCが発生する可能性がある。

今回の検証で使用したPCは、Intel N97 2.0GHz、12GBメモリー、SATA3 512GBSSD と非力な構成。
OS は Windows11 Pro 24H2（OSビルド：26100.1742）と、
Ubuntu 24.04.1 LTS（kernel 6.8.0#45）のデュアルブート構成。

仮想マシンへのハードウェアリソースの割り当ては、一律、
2コア、メモリー6GB、ディスク60GB、VRAM128MB とした。

結論（結果）を下表にまとめる。
Geekbench6.3.0 CPU Benchmark で測定した Single core / Multi core と
PassMark PerformanceTest for Mac (11.0.1003) の CPU mark / Memory mark のスコアを併記した。

#	VM	最終起動macOS	Geekbench	PassMark
	Host（Windows11）	-	1267 / 3196	-
1	VirtualBox 7.1.2	Monterey 12.7.6	777 / 1154	3231 / 2018
2	VMware Workstaion Pro 17.5.2	Sequoia 15.0	414 / 840	970 / 888
3	Hyper-V（Windows11Pro標準）	Sequoia 15.0	?（注）	2981 / 1887
4	QUEM 8.2.2 on WSL	Sequoia 15.0	476 / 1577	3109 / 449

注）Geekbench6を起動するも、メインの画面が表示されず、計測ボタンが押せない。
体感的には VirtualBoxと同程度。
　
（Mac版CrystalDiskMark）AmorphousDiskMark の結果も下表にまとめる。

#	VM	macOS
1	VirtualBox 7.1.2	Monterey 12.7.6
2	VMware Workstaion Pro 17.5.2	Sequoia 15.0
3	Hyper-V（Windows11Pro標準）	Sequoia 15.0
4	QUEM 8.2.2 on WSL	Sequoia 15.0

1. VirtualBox 編

↓こちらのYoutube動画で手順が詳しく説明されている。

Install MacOS 14 Sonoma on VirtualBox - Issue Fixed [2024]

しかし、Sonomaのインストールまではできたが、インストールディスクからのブート時に panic ループとなり、結局 Sonoma を起動することはできなかった。

ネット上にある、Sonoma や Sequoia をインストールする記事を試してみたが、どれも成功しなかった。使用した検証PCとの相性かも知れない。

過去世代に遡って順に試したところ、4世代前の Monterey はインストールが成功して起動することができた。

↑ VRAM128MBを指定しているが、3MBと表示。

スクリーンサイズを変更するには、次の設定を追加する。

VBoxManage setextradata "VM_Name" "VBoxInternal2/EfiGraphicsResolution" 1920x1080

2. VMware 編

↓こちらのYoutube動画で手順が詳しく説明されている。

Install MacOS Sonoma on VMware | Issue Fixed 2024

ただし、WMware Player は現在入手不可のため、代わりに VMware Workstation Pro を使用した。仮想マシン作成手順は同じ、unlocker patch も問題なし。

Sonoma から Sequoia へのアップデートも問題なく実施できた。

macOSのスクリーンサイズを変更する（フルスクリーンにする）ために、VMware Tool をインストールする必要があるのだが、下記エラーとなりインストールできない。

そこで、↓こちらのYoutube動画の手順でインストールした。Sequoia にアップデート後も問題ない。

How to Make the macOS Fullscreen in VMware | Step by Step Guide

3. Hyper-V 編

↓こちらのYoutube動画で手順が詳しく説明されている。

"How to Install macOS 14 (Sonoma) on Hyper-V | Step-by-Step Guide"

今回試した4つの中で、一番手数が多いと感じた。
また、動画での説明通りに実施して Sonoma をインストールしたが、ブート中に停止して進まなくなることがあり、仮想マシンのリセットを何度か繰り返すことで完了した。
その後の Sequoia へのアップデート時にも謎の動きがあったが、最終的には Sequoia にアップデートできた。
（インストール後でも）ブート中に停止した場合は、仮想マシンのリセットを繰り返すと起動できた。

VirtualBox、VMware、Hyper-V において、Windows11のOSレベルの設定に排他的な項目があるので注意が必要。
仮想マシンが起動できないときは、VirtualBox、VMware、Hyper-V にて設定した項目を見直すこと（元に戻すこと）。

4. QEMU on WSL 編

QEMU には Windows 版も存在するが、参考にした手順が Ubuntu 前提のため、WSL2 の Ubuntu 24.04 で実施した。

↓こちらは動画ではないが、指示された順番通りにコマンドを投入していけばよい。

最初から Sequoia を選択できるようになっているので、Sequoia をインストールする。この場合は、起動シェルに記されているように、Sonoma 以降は qemu起動パラメタのCPU種別を変更しておく必要がある。
また、他の仮想マシンに合わせて、メモリー6GB、VRAM128MB とする変更も加えた。

WSL＋QEMUの二階建て構成のためか、インストールには相当な時間を要した。
特にエラーが起きたり途中で止まったりするわけでは無いので、気長に待つしかない。
ディスクIOのみ倍くらい遅く感じる。

5. 次回

Windows より Ubuntu の方が軽いOSと思われるので、後日、Ubuntu版の VirtualBox、VMware、 QEMU を試してみようと思う。

2024.1.16追記

Ubuntu版の VirtualBox と VMware は、インストールがうまくできませんでした。

番外編

2010年後期の MacBook Air（Intel Core 2 Duo 2.13GHz、4GBメモリー）に、OpenCore を使って Sonoma をインストールしたことがあるが、これが使い物にならないほど性能が悪かった。

#	macOS	Geekbench CPU Benchmark Single core / Multi core
1	High Sierra 10.13.6	Geekbench 5.5.1 　321 / 592
2	Sonoma 14.6.1	Geekbench 6.3.0 　276 / 482

発売当時15万円ほどした MacBook Air が、3万円のPC（しかも仮想マシン）に負けるとは・・・。ハードウェアの進化に驚くばかり。。。

以上