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マルツのLCDモジュールの基板に、ストロベリー・リナックスのバックライト付きLCDを移植する

Last updated at Posted at 2022-11-16

なぜ移植するの?

ここに至る経緯は、こちらの記事『マルツ製キャラクタLCDモジュールをRaspberry Pi Zeroで遊ぶ』の最後をご覧ください。

移植の目的はズバリ、マルツ基板のLCDバックライト化である。

マルツの『16桁×2行英数カナ表示液晶モジュール【MI2CLCD-01】』は、
MI2CLCD-01
基板のサイズがRaspberry Pi Zeroとピッタリ同じであるので、HATのようにRaspberry Pi Zeroと一体化できるところが気に入っているが、残念ながらこのLCDにはバックライトが無い。
そこで、同じLCDと思われる、ストロベリー・リナックスの『I2C低電圧キャラクタ液晶モジュール(16x2行)〔バックライト付〕』の
SB1602BW
バックライト部をマルツの基板に移し替えて、マルツ基板のLCDバックライト化を実現する。

バックライトが基板に直接ハンダ付けされていた!!

想定では、aitendoの『2CキャラクタLCDモジュール★16x2★〔ATD1602C-P〕』のように、バックライト部は独立したユニットになっていると思っていた。しかし、ストロベリー・リナックスのLCDモジュールは、バックライトの光源であるLEDが基板に直接ハンダ付けされていた。マルツの基板には、バックライト関係のランドやスルーホールは用意されているものの、チップLEDをハンダ付けするためのランドは無い。そこで、ストロベリー・リナックスの基板の右端を2mmぐらいLED及びLEDの配線パターンごと切り取って移植する必要があった。
どちらの基板もLCDを交換後は再利用するため、丁寧に加工する必要がある。

LCD移植

LCD移植の手順

LCD移植の手順は以下の通り

  1. マルツ及びストロベリー・リナックスのLCDモジュールのLCDフラットケーブルをコネクタから外す
  2. マルツ及びストロベリー・リナックスのLCDを基板から剥がす
  3. ストロベリー・リナックスの基板の端を切断しチップLEDがハンダ付けされた部分を切り取る
  4. 切り取ったLED部分の基板をマルツの基板にハンダ付けする
  5. 両面テープを使い、マルツ基板にストロベリー・リナックスのLCDを貼り付ける、ストロベリー・リナックス基板にマルツのLCDを貼り付ける。
  6. フラットケーブルをコネクタに接続する

以上の作業を踏むことでLCDの移植(交換)は完了だが、作業のポイントを以下に説明する。

基板からLCDを剥がす時のポイント

どちらの基板も両面テープで基板にガッチリ接着されているので、丁寧に剥がす必要がある。LCDを力ずくで持ち上げるとガラスが割れる可能性があるので、接着剤(両面テープ)部分を横から平たいピックを挿入して少しずつ剥がす。

LED部分の基板の切断

見にくいが、下の写真のように、チップLEDが縦に2つ付いていて、その上下にスルーホールがある。スルーホールを含むサイズでLEDを配線ごと切り取るイメージである。
まずは基板の右端の2〜3mmぐらいをバッサリ切断する。次に上下方向も詰めて上下のスルーホール+1mm程度にする。
sb1602bw 2.jpg
基板の厚みが1ミリちょっとしかないので、カッターナイフで何度も切れ目を入れることで折ることができる。

マルツの基板にハンダ付け

切り離したLED部分をマルツの基板のスルーホールの位置にハンダ付けする。スルーホール同士の位置がピッタリ一致するので、適当なワイヤーでスルーホール同士をハンダ付けする。ちなみに、上側のスルーホールがアノード、下側がカソードだ。
MI2CLCD-01
マルツの基板の裏側の、SJ3とSJ6のハンダジャンパーをハンダ付けしてショートさせる。また、制限抵抗R4のランドは、以下の理由によりチップ抵抗は付けずに、ショートさせた(0Ωのチップ抵抗を持っていないので、ハンダショート)。
以上のハンダジャンパーにより、アノードはCN2に接続されるので、ヘッダピンをハンダ付け。カソードは、VDDに接続されるので、特別の配線は不要となる。カソードもアノードに並べてヘッダーピンから給電したい場合は、SJ6のショートをやめて代わりにSJ4をショートさせることでCN3のスルーホールに接続される。CN2と一緒に3〜5ピンのヘッダピンをハンダ付けすればよい。

以上のハンダ付けが済んだら、LCDを両面テープで貼り付けてフラットケーブルをコネクタに接続して加工は完了。

バックライトの給電について

ストロベリー・リナックスのLCDモジュールに付属している説明書では、バックライトLEDについて、以下の記載がある。

・1mA ではかなり暗いです。5mA で通常は十分な明るさです。10mA ですと相当明るくなります。
・LED の特性測定電流が 5mA で、2 個並列ですから 10mA が標準点灯光量の上限と考えたほうがいいでしょう。

つまり、5mA〜10mA程度の電流を流すように、外部に制限抵抗をつける必要があるが、Raspberry Pi Zeroのデジタル出力ピンに制限抵抗無しでこのLEDを点灯させたところ、2.98v 8.2mAだった。明るさは十分である。

バックライト付きに生まれ変わった

LCDの左端までしっかり光っていることがわかります。
IMG_9819.png

ストロベリー・リナックスの説明書には以下の注意書きがあり、その通りだと思う。

バックライトはチップLEDが 2個右端の偏光版のところについています。(中略)
マイコンなどでキー操作時だけバックライトが点灯するように設計するのが一般的でしょう。バックライトを点灯させますと右側ばかり明るく光ってしまいますが、これは LED 素子の部分を遮光していないからです。LED素子の部分は本来ケース・シャーシに隠れて見えなくなり、液晶表示エリアだけが表から見える部分になります。 液晶裏面から光を当てていませんので左右で少し明るさの違いが出てしまうことがありますがご了承ください。

下の写真は、ストロベリー・リナックスの基板にマルツのLCDを移し変えたLCDモジュール。右端を切り取ったが、全体のパターンにはまったく影響がないので、ご覧の通りバックライト無しとして復活した。ピンアサインはマルツと一緒なので、そのまま使えます。
IMG_9821.png

ちなみに、どちらのLCDモジュールもi2cアドレスは0x3Eのため同時使用はできない。また、ストロベリー・リナックスの基板には、もともとマウントホール(取り付け穴)がないため、取り付けには工夫が必要だ。

今回は工作の記事でした。
以上

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