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高校の物理のお勉強

Last updated at Posted at 2022-06-21

力学の原理

ニュートンの運動方程式 

$$ m\vec{a}=\vec{F} $$

※ベクトルは方向を伴う大きさの単位

例として
「動いている物体の力は質量と加速度に比例する」
「物体の動き(加速度)は、力の大きさに比例し、質量に反比例する」など

等加速度直線運動

一定の加速度で運動する物体は以下を満たす

位置$x$
速度$V$
初速度$V_0$
加速度$\alpha$
時間$t$ とすると

1.$ V = V_0 + at $
2.$ x = x_0 + V_0t + \frac{1}{2}at^2 $
3.$V^2 - V_0^2 = 2a(x - x_0)$

1. 初速に加速度と時間の積を加えると速度が求められる

2. 初期位置に初速度と時間の積(距離)を加えた位置から,さらに加速度分の距離を追加すると位置が求められる

sokudo.png

上記グラフの面積を求めると距離が求められる

積分を使った解法として
速度を表す関数$v$を$t(時間)$で積分する
$$x = \int vdt $$

$$ = V_0t + \frac{1}{2}at^2 + C_2 $$

時間が0の時の位置は初期位置$x_0$となるため
$t = 0$の時$x = x_0$を上式に代入して$C_2 = x_0$が求められる

よって $$ x = x_0 + V_0t + \frac{1}{2}at^2 $$

3. 1-2の連立方程式で時間を消す

k_sci_phy_1_2_8_1_image01.png

よって
$$V^2 - V_0^2 = 2a(x - x_0)$$

基本問題

mondai.png

問題に入る前に2次元の問題は1次元に分解して情報を整理する

1. 初速度$V_0$の分解
三角関数を使い$V_0$をx成分、y成分に分解する
$ \cos\theta = V_0x$ より $ x = V_0\cos\theta$
$ \sin\theta = V_0y$ より $ y = V_0\sin\theta$

2. $\vec F$ の分解
ボールにかかる力は重力$mg$(質量m×重力加速度g)
→Y軸上のみ、ボール(m)に対して-gの加速度が生じる
重力加速度:gは通常$9.8m/s^2$

X軸上は力の作用はない

3.運動方程式を立てる
運動方程式 $m\vec{a} = \vec{F}$ より

$m\vec{a_x} = \vec{F_x} $
$m\vec{a_y} = \vec{F_y} $

ベクトルが等しいという事大きさと方向が等しい
方向が等しいためX,Y成分に分解しても大きさは等しい

ボールに加わる力はy成分に対する重力のみ
$ma_x = 0 $(X軸)
$ma_y = -mg$(Y軸)
$a_x = 0$  $a_y = -g$ となる
加速度aが0の場合、物体は等速直線運動を行う
加速度aが一定(定数)場合、物体は等加速度直線運動を行う

よってボールは

X軸方向には初速度$V_0\cos\theta$の等速直線運動を行い、
Y軸方向には初速度$V_0\sin\theta$の鉛直投げ上げ運動をする

これまでの内容から斜方投射の方程式が説明できる

[X軸上]
①$V_x = V_0\cos\theta$
②$x = V_0\cos\theta t$(X軸上は等速直線運動を行っているため)

[Y軸上]
③$V_y = V_0\sin\theta-gt $(Y軸上は重力加速度によって初速から時間と共に減速する)
④$y = V_0\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2$($初期位置y_0=0と加速度α=-g$を代入)
⑤$V_y^2 - V_0^2\sin^2\theta = -2gy$($初速V_0と加速度αと初期位置y_0を代入$)

(1)最高点に到達するまでの時間はいくらか?

最高点ではY軸方向の速度が0になる
よって速度$V_y = 0$

ボールにかかる力$\alpha_y = -g$

初速$ V_0y = V_0\sin\theta$

①より
$V_y = V_0y - \alpha t$
$0 = V_0\sin\theta -gt$

答え・・・最高到達点までの時間tは$ t = \frac{V_0\sin\theta}{g} $

(2)最高点はいくらか?

位置を求める式 $$ y = y_0 + V_0t + \frac{1}{2}at^2 $$
に(1)の解t=...を代入してもいいが、計算が長くなる…

(1)と同じくY軸方向の速度$V_y = 0$の時
⑤より
$-V_0^2\sin^2\theta = -2gy$(この時、位置$y$が最高値となる)

答え・・・最高到達点は$ h = \frac{V_0^2\sin^2\theta}{2g}$

(3)OP(水平到達距離)はいくらか

水平距離はX軸上の話だが、投射から落下という現象はY軸上でしか表現できない

ボールが初期位置y=0から頂点に達し、再び$y=0$となるまでの時間tを求める

④より
$ 0 = V_0\sin\theta t -\frac{1}{2}gt^2$

$ t^2 - \frac{2V_0\sin\theta t}{g} = 0$
$t(t - \frac{2V_0\sin\theta}{g}) = 0$
この形($x(x-a) = 0$ で $x = 0,-a$と同じ形なので)

$t=0 , \frac{2V_0\sin\theta}{g} $

ボールの位置がY軸上で0となる時間は 0, $\frac{2V_0\sin\theta}{g}$となる
解が2つあるのは、最初の地点と落下地点の2点で$y = 0$を示すから…素晴らしい…

よって、X軸上で$t=\frac{2V_0\sin\theta}{g}$の等速直線運動を行う場合の到達距離Xは②より

$x = \frac{V_0\cos\theta × 2V_0\sin\theta}{g}$

$x = \frac{V_0^2}{g}2\sin\theta\cos\theta$

倍角の公式より($\sin 2\theta = 2\sin\theta \cos\theta$)

$ x = \frac{V_0^2}{g}\sin2\theta$

答え・・・OP(水平到達距離)は $$ \frac{V_0^2}{g} \sin2\theta $$

ちなみに最も水平到達距離が大きくなる時の角度$\theta$は…

$V_0$と$g$は定数と考えると$\sin2\theta$が最大を示す角度となる

import matplotlib.pyplot as plt
import numpy as np
import sympy as sym
from sympy.plotting import plot
sym.init_printing(use_unicode=True)
%matplotlib inline
a, b, c, x, y = sym.symbols("a b c x y")
plt.rcParams['font.family'] = 'Noto Sans JP'

x = np.linspace(0, 2*np.pi, 500)

plt.plot(x,np.sin(x))
plt.grid(True)
plt.show()

buturi_14_0.png

$\sin$の最大値は1のため
$\sin2\theta = 1$の時 $2\theta = 90°$
よって
$\theta =45° $

ボール投げで水平到達距離が最も大きくなる投射角度は45°
実際は空気抵抗があるので、39°~40°くらいが最適らしい

(4)軌道の方程式$f(x)$を求めよ

xとyの関係 $y=f(x)$ の形にする

②より
$x = V_0\cos\theta t$
$t = \frac{x}{V_0\cos\theta}$
④に代入
$y = V_0\sin\theta \frac{x}{V_0\cos\theta} - \frac{1}{2}g (\frac{x}{V_0\cos\theta})^2$
$y = \sin\theta \frac{x}{\cos\theta} - \frac{1}{2}g \frac{x^2}{V_0^2\cos^2\theta}$
$y = \frac{\sin\theta}{\cos\theta}x - \frac{g}{2V_0^2\cos^2\theta}x^2$

(三角関数より$\frac{\sin\theta}{\cos\theta} = \tan\theta$)

$y = -\frac{g}{2V_0^2\cos^2\theta}x^2 + \tan\theta x$ ($y=ax^2+bx+c$の形)

答え・・・$f(x) = y = -\frac{g}{2V_0^2\cos^2\theta}x^2 + \tan\theta x$

$a < 0 $より
$f(x)$は上に凸な放物線を描く二次関数である

そのため頂点のy座標は$f(x)$の平方完成で求められ、その解は(2)の解$ \frac{V_0^2\sin^2\theta}{2g}$と一致するはず…

つまり$f(x)$を平方完成すると
$$ y = -\frac{g}{2V_0^2\cos^2\theta}(x - \frac{V_0^2\sin^2\theta}{2g})^2 + q $$の形になる

見た感じ正しそうだが、長くなりそうなので計算はしない

応用問題:モンキーハント

<情報の整理>

図では(a,b)の表記だが、αと被るので(L,H)とする

初速度$V_0$の分解
$ V_x = V_0\cos\theta$
$V_y = V_0\sin\theta$

小球Pにかかる力
Y成分:$\vec{F} = -mg$
X成分:$\vec{F} = 0$

運動方程式
$m\vec{a} = \vec{F}$ より

$m\vec{a_y} = -mg$
$ a_y = -g$

$m\vec{a_x} = 0$
$ a_x = 0$

よって小球Pは

X軸方向には初速度$V_0\cos\theta$の等速直線運動を行い、
Y軸方向には初速度$V_0\sin\theta$の鉛直投げ上げ運動をする

[X軸上]
①$V_x = V_0\cos\theta$
②$x = V_0\cos\theta t$

[Y軸上]
③$V_y = V_0\sin\theta-gt $
④$y = V_0\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2$
⑤$V_y^2 - V_0^2\sin^2\theta = -2gy$

また自由落下する小球Qにおいて  

初速$V_0q = 0$

小球Qにかかる力
Y成分:-mg(重力)
$m\vec{a} = \vec{F}$より
$ma = -mg$
$a = -g$

よって小球Qは

初期位置(L,H)からY軸方向に初速$V_0=0$、加速度$a=-g$の自由落下運動を行う
⑥$V_y = -mt$
⑦$y = H - \frac{1}{2}gt^2$
⑧$V_y^2 = -2gy$

(1)Pが$x=L$を通る時刻tを求めよ
①より
$L = V_0\cos\theta t$
$t = \frac{L}{V_0\cos\theta} $

答え・・・$t = \frac{L}{V_0\cos\theta} $

(2)この時刻tの時の、小球P,Qのy座標$(y_p,y_q)$を求めよ

$y_p$について
小球Pに生じるY軸上の加速度は-g
また④より

答え1・・・$y_p = V_0\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2$

また$y_q$について⑦より

答え2・・・$y_q = H - \frac{1}{2}gt^2$

(3)$V_0$に関わらず、P,Qが衝突する角度$\theta$の値について、$\tan\theta$を求める

P($x_p,y_p$)とQ($a,y_q$)が一致すれば衝突する

小球Pにおいて
(1)の解と②より、Pが$x=L$を通る時刻tのx座標($x_p$)は
$x_p = L$

この時(2)の解より
$y_p = V_0\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2$

よってPが$x = L$上を通る際の座標($x_p,y_p$)は

$(L,V_0\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2)$

また(2)の解より、この時小球Qのy座標は
$(L, H - \frac{1}{2}gt^2)$

$y_p = y_q$となる$\theta$を求める

$V_0\sin\theta t - \frac{1}{2}gt^2 = H - \frac{1}{2}gt^2$

この時(1)より$ t = \frac{L}{V_0\cos\theta}$

$V_0\sin\theta \frac{L}{V_0\cos\theta} - \frac{1}{2}g(\frac{L}{V_0\cos\theta})^2 = H - \frac{1}{2}g(\frac{L}{V_0\cos\theta})^2$

$ \frac{V_0\sin\theta}{V_0\cos\theta}L - \frac{L^2}{2V_0^2\cos^2\theta}g = H - \frac{L^2}{2aV_0^2\cos^2\theta}g$

$\tan\theta L = H$

答え・・・$\tan\theta = \frac{H}{L}$

$\tan\theta=\frac{H}{L}$となる角度$\theta$とは、小球Qが自由落下を開始する地点とX軸との成す角となる

マジで信じられないが、どんな初速度で小球Pを発射しようとも、小球Qの最初の地点を目標に向けて発射すれば、命中する。マジで信じられん

参考サイト

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