AIをうまく使えていますか?
ここ1, 2年で、大学生活にChatGPT・Gemini・ClaudeなどのLLMが急激に入り込んできた。メールの返信、レポートの作成、イラストの生成など、あらゆる作業がAIによって簡単になってきたが、プログラミングについてはどうだろうか?ChatGPTに質問して、コードを入力して、エラー文をコピペして再び質問して、、などのような使い方をしているかもしれない。
しかし、最近のコーディングツールはLLMを内蔵することで、プログラミングをもっと簡単にする方法がある。しかも、学生はほぼ無料で。
AI補完ツールで何ができるのか
コード補完
コメントやコードの文脈から、関数やコードスニペットの候補をリアルタイムで提案してくれる。Pythonなどのコード以外にも、latexやMarkdownの英語や日本語の文章補完も可能である。
インラインチャット
プログラム内でコメントを直接入力して、対応する周辺コードの変更提案やエラーの発見・修正を行う。
コード要約
ファイルを読み込んで、コードの要約をしてくれる。「〇〇行目から◻︎◻︎行目までを説明してください」や「コードの概要や目的を整理してください」などと質問すると、初めてのコードの理解にも役立つ。
各種ツールの比較
主要なAIプログラミングツールは、CursorとGitHub Copilotが今のところよく利用されている。せっかくなので、ChatGPTに聞いてみる。
🧠 Cursor vs GitHub Copilot — 機能比較表
特徴カテゴリ | Cursor | GitHub Copilot |
---|---|---|
概要 | AI統合型のコードエディタ(VS Codeベース) | 主要なエディタに統合できるAIコード補完ツール |
提供元 | Cursor AI(独立系スタートアップ) | GitHub(Microsoft傘下)× OpenAI |
エディタ本体 | VS Code互換の独自エディタ | VS Code、JetBrains、Neovim、Visual Studioなどに統合 |
AIモデル | GPT-4(Pro)またはGPT-3.5(無料) | Codex(GPTベース)またはGPT-4(Copilot X) |
コード補完 | ✅ 高精度なインライン補完・複数候補提示 | ✅ インライン補完・関数提案・複数候補提示 |
自然言語プロンプト対応 | ✅ 任意のコード範囲を選択して「このコードを説明」など | ✅ コメントや関数名から補完(明示的な指示は弱め) |
コードリファクタリング | ✅ コード選択 → 「改善」指示可能(AIに相談) | ❌ リファクタは補完ベースで限定的 |
ファイル・リポジトリ全体理解 | ✅ プロジェクト全体をAIが把握し文脈対応 | 🔶 基本は編集中ファイル単位(Copilot Chatは改善中) |
Chat機能 | ✅ Cursor Chat(コード・エラー・設計に対応) | ✅ Copilot Chat(2024年からVS Codeなどで利用可) |
プロンプト履歴/編集指示 | ✅ 質問履歴あり、修正指示も直感的 | 🔶 履歴はやや弱く、明示的な指示は限定的 |
料金 | 無料プランあり / Proは月額$20(GPT-4使用) | 月額$10(個人) / Copilot for Businessは$19 |
AIとの協調開発 | ✅ エラー修正、関数改善など「相談」しながら開発 | 🔶 自動提案が主、対話は限定的(Copilot Chatで強化中) |
決定的な違いは、Cursorが独自エディタを提供し、GitHub CopilotがVS Codeなどに内蔵される点である。筆者はCursorをまだ使ったことがないのでウワサ程度の理解だが、「自動補完機能がCopilotよりも高機能」「メモリをめちゃくちゃ消費する」「普通に重い」など賛否両論だった。あと、学生無料があったりなかったりと錯綜しているため、今回は筆者が普段利用しているGitHub Copilotの使い方について紹介する。
使ってみるまでの流れ
GitHubの公式ドキュメントによると、GitHub Educationに登録した学生はGitHub Copilotが無料で利用できると記載されている。海外のソフトウェアサービスは、学生無料で使えるものが多い。Salseforce社のTableauや、Autodesk社のAutoCADやRevitがおすすめ。(Adobe?知らないですね、、)
GitHubアカウントを作成する
- GitHubアカウントを持っていない場合は、https://github.com/signup からアカウントを作成する。
GitHub Educationに登録する
- https://education.github.com/pack にアクセスし、GitHubアカウントでログインする。
- 学校情報を入力する。
- 学生証を登録する。 日本語の学生証が対応していないため、①国際学生証(ISIC)の発行か、②学生証の翻訳が必要になる。個人的にはISICの発行の方が手間がかからず認証が早かったのでおすすめである。
ISICアカウントを購入する
ISICの学生証は有効期限が1年間で、発行料に2,200円かかる。「学生無料」と銘打った手前申し訳ないが、費用が10分の1になっただけ許してほしい。ISICは海外旅行のときに学割をするのにも使えるため、持ってて損はないはずである。
発行手順は以下のURLを参照。
※ 一銭も払わずに利用したい人は、②学生証の翻訳で認証しよう。詳しくは【GitHub】学生申請をして無料でGitHub Copilotを使うを参照。
VS Codeの拡張機能を有効にする
VS Codeを利用する際は、GitHub Copilotに関する拡張機能を有効にする。
左のタブから「拡張機能」→「"github copilot"で検索」→「"GitHub Copilot"とGitHub Copilot Chat"をインストール」
まとめ
GitHub Copilotは、GitHubのアカウントがあれば1ヶ月間無料で試用できる。面倒な人も、無料で簡単に試してみることをおすすめする。最近は、適切な仕様書だけ作ればゲームやアプリもゼロから作れるようにもなっているらしい。そんな高度な活用方法で、誰でもプログラムができると喧騒することは不可能で、「ちょっとググる」時間を極力減らす機能こそに価値があると思う。(そもそも適切な仕様書を書けたらプログラムで苦労しない)
「ちょっとググる」手間を惜しまない人間が成長することが間違いないが、その手間にかける時間をもっと減らす工夫をしていくべきだろう。