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AtCoderアクティブユーザの各世代における「国と地域」の割合を調べてみた

Last updated at Posted at 2023-01-17

SupershipでVPoEをしている名畑です。年末年始休暇中に宝石の国の12巻を読んだのですが、未だに引きずっています。多分13巻が出るまで引きずります。そして13巻を読んでまた新たななにかを引きずるのでしょう。

はじめに

先日「AtCoderの誕生年毎のアクティブユーザ数を調べてみた」という記事を公開しました。かなりの数の人に読んでいただけて感謝です。本当にありがとうございます。

上記記事ではタイトルの通りAtCoderにおける誕生年毎のユーザー分布を調べたのですが、その際に若い世代では日本以外の方の割合が高いという話に触れました。

今回は世代毎の国と地域の分布を調べた結果をまとめています。

AtCoderってなんですか?」という方はまずこちらの記事をお読みいただけますと嬉しいです。

母集団

AtCoderの誕生年毎のアクティブユーザ数を調べてみた」と合わせて今回もAtCoderのランキングアクティブユーザのみ(2022年12月29日6時付)をデータの元とし、その中で誕生年を登録していてかつ1915年以降である77,695人を対象とします。そのため本記事でユーザという単語を用いるときは原則としてアクティブユーザを示します。

全体

まず世代別に分ける前に全体の数値を出してみました。前述の通り、誕生年を登録しているユーザだけを対象としていることはご注意ください。
全165の国と地域(その他含む)から参加があります。

ユーザ数の10位までをグラフにしたのが下記です。
日本が1位ですが、インド、中国も10,000人以上のユーザがいます。

age_country_all.png

30位までを表にしておきます。

国コード 日本語表記 ユーザ数(人) 割合(%)
1 JP 日本 26,975 34.72
2 IN インド 21,723 27.96
3 CN 中国 13,638 17.55
4 BD バングラデシュ 4,270 5.50
5 EG エジプト 1,131 1.46
6 VN ベトナム 888 1.14
7 KR 韓国 883 1.14
8 TW 台湾 629 0.81
9 US アメリカ 602 0.77
10 RU ロシア 547 0.70
11 ID インドネシア 409 0.53
12 BR ブラジル 405 0.52
13 IR イラン 287 0.37
14 KH カンボジア 280 0.36
15 UA ウクライナ 247 0.32
16 XX その他 225 0.29
17 SY シリア 214 0.28
18 RO ルーマニア 198 0.25
19 KZ カザフスタン 167 0.21
20 TR トルコ 148 0.19
21 PE ペルー 142 0.18
22 PS パレスチナ 136 0.18
23 CA カナダ 134 0.17
24 SG シンガポール 130 0.17
25 PL ポーランド 123 0.16
26 AZ アゼルバイジャン 121 0.16
27 HK 香港 114 0.15
28 MX メキシコ 106 0.14
29 GB イギリス 102 0.13
30 MN モンゴル 100 0.13
31以降 2,621 3.37

こうやって改めてデータを見ると、本当にグローバルに親しまれているサービスなのだと感じます。

1915年〜1983年生まれ(40歳以上)

世代別の最初は1983年までの生まれのユーザです。今年、つまり2023年の誕生日の時点で40歳以上の方々が対象ということになります。
合計ユーザ数は1,897人です。

10位までをグラフにしたのは下記です。

age_country_1915_1983.png

表にすると下記です。

国コード 日本語表記 ユーザ数(人) 割合(%)
1 JP 日本 1,353 71.32
2 CN 中国 272 14.34
3 US アメリカ 29 1.53
4 IN インド 25 1.32
5 XX その他 23 1.21
6 KR 韓国 14 0.74
7 GB イギリス 13 0.69
8 TW 台湾 12 0.63
9 RU ロシア 12 0.63
10 FR フランス 7 0.37
11以降 137 7.22

日本で全体の7割を占め、中国が14%強となります。この二つで全体の85%を占めます。

1984年〜1993年生まれ(30代)

1984年〜1993年生まれ、つまり、2023年の誕生日の時点で30代の方々が対象ということになります。
合計ユーザ数は5,063人です。

10位までをグラフにしたのは下記です。

age_country_1984_1993.png

表にすると下記です。

国コード 日本語表記 ユーザ数(人) 割合(%)
1 JP 日本 4,180 82.56
2 CN 中国 171 3.38
3 IN インド 138 2.73
4 KR 韓国 77 1.52
5 US アメリカ 65 1.28
6 RU ロシア 34 0.67
7 TW 台湾 30 0.59
8 VN ベトナム 22 0.43
9 BD バングラデシュ 22 0.43
10 BR ブラジル 21 0.41
11以降 303 5.98

やはり日本がトップです。日本だけで8割以上となります。日本と中国で85%を占めることは40代以上と同様ですが、3番目がインドとなっています。

1994年〜2003年生まれ(20代)

1994年〜2003年生まれ、つまり、2023年の誕生日の時点で20代の方々が対象ということになります。
合計ユーザ数は57,282人です。この世代が今回の対象におけるボリュームゾーンです。

10位までをグラフにしたのは下記です。

age_country_1994_2003.png

表にすると下記です。

国コード 日本語表記 ユーザ数(人) 割合(%)
1 IN インド 20,713 36.16
2 JP 日本 19,179 33.48
3 CN 中国 6,550 11.43
4 BD バングラデシュ 4,115 7.18
5 EG エジプト 962 1.68
6 KR 韓国 586 1.02
7 VN ベトナム 426 0.74
8 BR ブラジル 350 0.61
9 US アメリカ 344 0.60
10 TW 台湾 336 0.59
11以降 3,721 6.50

インドが日本を逆転して1位です。この世代のインドだけで20000以上のユーザ数がいます。バングラデシュも多いですね。
この世代(特に20代前半)でインドがこれだけ多い理由はどこにあるのですかね。インドのユーザの95%以上が20代に固まっています。

日本では30代の4,180人に対して20代が19,179人なので、4.59倍ですね。ちなみに人口推計 2022年(令和4年)12月報によると、2022年12月の概算値で40代が1,734万人、30代が1,361万人、20代が1,264万人と、皆様がご認識しているであろう通り、下の世代に行く程に人口は大きく減っています。
なので、人数比で言うと、この世代での普及は4.59倍よりずっと広いと言えるでしょう。統計は2022年12月時点のため、私が今回出した数字とは1年のずれがありはするものの、それを踏まえても。

2004年〜2013年生まれ(10代)

2004年〜2013年生まれ、つまり、2023年の誕生日の時点で10代の方々が対象ということになります。
合計ユーザ数は12,380人です。20代の次に多いです。

10位までをグラフにしたのは下記です。

age_country_2004_2013.png

表にすると下記です。

国コード 日本語表記 ユーザ数(人) 割合(%)
1 CN 中国 6,048 48.85
2 JP 日本 2,130 17.21
3 IN インド 740 5.98
4 VN ベトナム 431 3.48
5 TW 台湾 244 1.97
6 RU ロシア 217 1.75
7 KR 韓国 200 1.62
8 IR イラン 195 1.58
9 US アメリカ 155 1.25
10 EG エジプト 153 1.24
11以降 1,867 15.08

この世代では中国がトップです。中国だけで50%近い割合を占めます。
中国の10代世代のIT教育はかなりのものなんですかね。

2014年以降生まれ(10歳未満)

2014年以降の生まれ、つまり、2023年の誕生日の時点で10歳未満の方々が対象ということになります。
ただ、前の記事でも書きましたが、2020年生まれが236人、2021年生まれが321人、2022年生まれが320人おり、登録情報が疑わしいとは思っております(誕生年は自己申告です)。
アカウント開設年を選んだのではないかと想像……。
合計ユーザ数は1,073人です。

10位までをグラフにしたのは下記です。

age_country_2014_2022.png

表にすると下記です。

国コード 日本語表記 ユーザ数(人) 割合(%)
1 CN 中国 597 55.64
2 JP 日本 133 12.40
3 IN インド 107 9.97
4 AF アフガニスタン 29 2.70
5 XX その他 26 2.42
6 BD バングラデシュ 20 1.86
7 AL アルバニア 11 1.03
8 DZ アルジェリア 10 0.93
9 RU ロシア 9 0.84
10 US アメリカ 9 0.84
11以降 122 11.37

10代同様に中国、日本、インドのベスト3です。中国の比率が10代よりもさらに高まっています。

最後に

世代毎に差が出るのだということがデータからわかりました。
30代以上では日本が、10代以下では中国がダントツで、20代ではインドが両国を上回る。

日本発のサービスであることや、コンテストの開催時刻や、人口や、様々な要因が絡んでいて単純に比較できるものではないですが、こういった明確な傾向があると想像していなかったので結果を見て面白かったです。

しかもこれ、日本以外の方の多くは、おそらくは英語で参加しているんですよね(AtCoderで問題文等は日本語と英語で提供されています)。そして、少なくとも中国やインドにおいて英語は第一言語ではないわけで。

海外のWebサービスを日本人が使うときは日本語がサポートされているかが一つの要点となりますが、今後、日本発のサービスでも日本語のサポートが後回しにされる、あるいは、日本語がサポートされないケースは加速度的に増えていくかもしれないというありがちであろう想像を改めてしてしまいました。
まあ、テクノロジーの進化によってそもそもとして言語の壁というものの高さが限りなく0に近くなる方が早いかもしれないですが。

話題になった書籍日本語が亡びるとき―英語の世紀の中でを思い出しました。あの本が最初に出て15年近く経つのですね(リンク先は増補版です)。

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