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「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」が好きなエンジニアに「マンガ ドラゴンクエストへの道」を薦めようと思ったけれど廃刊でした

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Supershipの名畑です。先日、池袋にできたばかりの「アニメ東京ステーション」に行ってきました。豊島区のアニメ色がさらに強くなっていく。

はじめに

もはやタイトルに本記事の全要素が詰め込まれていますが、お時間あれば最後までお付き合いください。

先日「技育祭2023【秋】で45分間の登壇を務めたので、スライド作成や発表準備の要点を残します」という記事を書きました。技育祭というイベントでキャリア論について45分ほど登壇させていただきましたという内容です。

この登壇においていくつかの書籍を紹介させていただきました。
Pythonではじめる機械学習」とか「マスタリングTCP/IP―入門編―」とか、かなり有名なものばかりですが。

ただ、そこでは紹介できていない本もいくつもあり、それを記事にしたいなと思ったわけです。

16bitセンセーション ANOTHER LAYERについて

いきなりですが今期「16bitセンセーション ANOTHER LAYER」というアニメが人気です。題材が美少女ゲーム、エロゲーなので家族で見づらい類かもしれませんが、内容的にはただの地上波アニメです。

ファミ通.comでの記事がかなり話題なので、知っている方も多いのではないかと思います。

現代のイラストレーターが過去(1990年代)にタイムリープしてゲーム制作に携わって

液タブは? もしかしてマウスで塗るんですか?
これって本当に16色ですか?」「えっ、うん、1色システムに使うから実質15色かな

という、もう当時を知る者からすると心を刺激されまくりの内容なわけです。

当時を知らない方にとって面白いのかどうかは知りません。

なんにせよ、このアニメが好きな人に、特にエンジニアの方に、ぜひ読んでいただきたい漫画があります。

マンガ ドラゴンクエストへの道について

それがドラゴンクエストへの道(著:滝沢 ひろゆき)です。

下記、そのうちの一部となります。このやりとりだけで激しく時代を感じさせられます。

dq_1.png

出典:ドラゴンクエストへの道

Wikipediaにあらすじがまとまっていますが、1980年代のファミリーコンピュータブームの中で中村光一堀井雄二千田幸信という面々が国民的RPGであるドラゴンクエストをいかに生み出したかというストーリーです。

監修が石ノ森章太郎であり、さらには作中には鳥山明すぎやまこういちが登場し、レジェンド揃い。

大好きなゲームがこうして苦労して作られたんだな」「これだけの工夫が詰め込まれていたのだな」と感動の内容で、誇張でもなんでもなく、この本を読んでいなければ私はプログラミングを仕事とはしていなかったかもしれないと思っています。

しかし、薦めようとして調べてみたならすでに絶版のようです。
しかも、ざっと検索してみた感じでは中古品は多くが5,000円overでして、もはや気軽に手にできなくなっているようで、がっかりです。

そのため、皆様に読んでいただくことはかなり難しいと思うのですが、どこかで巡り会えるかも知れませんし、面白さを少しだけ語ります。

どう面白いの?

ドラゴンクエストの制作においてはとにかく越えなければいけない課題が満載で、それを一つずつクリアしてく様が感動的すぎるのです。

  • RPGというジャンル自体が大半の人に知られていない
  • 「宝箱を開く」「扉を開ける」「マップの外に出る」ということも知らない
  • 容量の関係でアイテム名にもモンスター名にも半分以上のカタカナが使えない
  • ファミコンはPCと異なり「皆で楽しむハード」である
  • 限られた魔法ゆえの戦闘の単調さ

もしこれらの課題があった場合、皆様ならどのように解決していくでしょう?
この一つ一つを考えるだけでも、エンジニアとしてはいい思考トレーニングになるのではないかと。

RPGというジャンルすら知られていない、というか、そもそも家庭用ゲーム機すら歴史が浅い状況でRPGゲームで商業的な挑戦をするのであれば、どんな選択肢をとるか。

実際に当時をリアルタイムで知る身からすると「ファミコンはPCと異なり「皆で楽しむハード」である」という考えは、本当に重要であり、制作陣がこれを意識してくれていたことに心から感謝します。
インターネットで皆で遊ぶ」といった時代ではないですからね。「物理的に同じ場に集まった仲間たちがいかに楽しく過ごせるか」という話です。

これ以外にもとにかく課題を解決するための工夫満載なわけです。
この一冊に大量のネタがこれでもかと詰め込まれています。

最後に

過去に限らず、誰もがその時代その時代の課題と向き合っているのでしょうが、先人の積み重ねた知恵というのはやはり貴重だなと思うわけです。
科学というのは知恵の積み重ねの集大成であり、私たちもその積み重ねの役割を担っているのですから。

今の当たり前が過去には当たり前ではなかったと知ることには価値があると考えています。

この本はプログラミングをする人にとって特に身近に感じられる内容だと思うので、もしもどこかで手にしたらぜひ読んでみていただきたい。

復刊されないかな。

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