はじめに
こんにちは、株式会社うるる 技術戦略部の松永です。
GoogleからGemini 3と同時に発表されたGoogle Antigravity。
界隈は既に賑わっていまして、万番煎じですが今更ながら入門してみました。
しかしやはり気になるのは、商用コードを載せて良いのかどうか、ですよね。
注意:本記事は公開情報をもとにした まとめ記事 です。
最終判断は必ず自社の法務・情報セキュリティ部門と相談してください。
結論
最初に結論から言ってしまいますと、Antigravityがパブリックプレビューのうちは、業務の商用コードをそのまま突っ込むのは止めておいたほうが無難で、個人利用 OR 検証目的に留めておく、のがよいと思います。(ありきたりですみません)
Google Antigravityとは
一言でいうと、「AIエージェントにタスクを丸投げできるIDE」 です。
公式サイト(antigravity.google)によると、"Agent-first"(エージェント・ファースト)という思想で作られているとのこと。
Antigravityは、「人間が指示を出し、AIエージェントが計画・実装・検証まで自律的に行う」というスタイルなので、その点はKiroに近いなと感じました。

↑公式動画より。
ロゴが正規分布っぽくも見えるし、mustacheっぽくも見えて好き。
前提
Google Antigravityは、アプリを利用するにあたって利用規約への同意が必要です。

右上の歯車アイコン > Open Antigravity User Settings > Account
Antigravity に適用される規約の全体像
Antigravityの追加サービス利用規約は、次のような構成になっています。
- Google Terms of Service(Googleのサービス利用規約)
- Google Antigravity Terms of Service(Antigravityのサービス利用規約)
- Google Privacy Policy(Googleのプライバリーポリシー)
- Generative AI Additional Terms of Service(生成AIの追加利用規約)
Antigravityのサービス利用規約では、これらをまとめて “Agreement” と呼びます。
データ利用と機械学習への利用
収集されるデータ
皆さんが一番気にしているのはここだと思うのですが、Antigravityのサービス利用規約によると、Antigravity を使うときに以下のような情報が 「Interactions」 として収集・保存されると説明されています。(一応齟齬のないように原文 + 翻訳)
- user data(ユーザデータ)
- interaction data pertaining to your usage of the Service(サービスの利用状況に関するデータ)
- related metadata connected to the Service(関連メタデータ)
- any feedback you provide(フィードバック)
これらの Interactions は集約されたうえで、Google / Alphabet の製品・サービス・機械学習技術の評価・開発・改善に利用される、とされています。
Interactions は削除するオプションが用意されていますが、電子メールでリクエストしなければなりません。
antigravity-support@google.com
重要なのは、削除をリクエストしない限り、上記利用を認めることになる、と明記されていることです。
センシティヴなデータを扱う可能性のあるシステム開発においては、以下対応を取っておくのが無難かと思います。
-
インストール時のこの画面のチェックボックスをオフにする(いかにもチェックが必要っぽくみえますが、オフにしてもインストールできます)

-
上記メールアドレスにコンタクトを取り、「定期的に削除を依頼しなければいけないのか」「一度リクエストをすれば収集対象の除外となるのか」を確認
「ドライブ全削除」事故
ニュースベースですが、Antigravityのエージェントが「キャッシュを消して」と指示された結果、WindowsマシンのDドライブを丸ごと削除してしまった事例も共有されています。
- エージェントが
rmdir/delコマンドを誤ったパスに対して実行 -
/qオプションによってユーザー確認なしで実行され、ゴミ箱にすら残らず - データ復旧ツールでもほとんど復元できず、ほぼ全損
というかなりインパクトのある内容です。
ちなみにこれはTurboモードを設定した場合です。
インストール時に設定できるこの画面で、Terminal execution policyがTurboになっていないことを、よく確認しましょう!
(そもそもこれはAntigravityに限った話ではありませんが)

再び結論
業務でAntigravityに商用コードを突っ込むなら、Organization planを待ってからにしましょうね!というお話でした。

