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プロジェクトマネージャ試験合格体験記

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はじめに

自己紹介

2020年に文系新卒として入社し、現在6年目のエンジニアです。 業務ではプロジェクトリーダーやテックリードとしてWebシステムの開発を担当しています。

受験動機

自分のなりたい将来像と現状を比較し、プロジェクトマネジメントについて深く理解することが必要だと考え、2025年度のプロジェクトマネージャ試験を受験しました。結果、無事に一発合格することができました。

本記事では、学習の過程で得たノウハウや、一般的にPMに必要とされているスキル、多くの受験生が苦戦するであろう午後試験の対策について共有します。

「PMとしての経験はないけれど、学習と資格取得を通じて最低限のマネジメントスキルがあることを示したい」「プロジェクトマネジメントとは何か、深く学習したい」という方の参考になれば幸いです。

試験の結果

午前IIは、以前合格したシステムアーキテクト試験により免除でした。
スクリーンショット 2025-12-28 18.45.06.png

使用した教材・ツール

午前II

  • 『情報処理教科書 高度試験午前Ⅰ・午前Ⅱ』
    プロジェクトマネージャ向けの問題を5周して暗記しました。特別なことはせず、本書の推奨する方法を愚直に実行しました。

午後I

  • IPA公式から配布されている過去問題を抜粋して解きました。

  • 午後I試験の劇薬です。著者も記す通り、読者を選ぶ対策本だと思います。私には効きました。

午後II

  • 『プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集』
    システムアーキテクト試験の際も同シリーズで一発合格できたため、絶大な信頼を置いている一冊です。

その他副読本など

  • 『情報処理教科書 プロジェクトマネージャ』
    通称ミヨちゃん本です。知識の再整理や過去問の分類を確認するには最適ですが、解き方などの部分については私にはあまり合わなかったため、あくまでも副読本として位置付けていました。

  • 『PMBOK®︎ガイド第7版日本語版』
    言わずと知れたプロジェクトマネジメントの教科書のデファクトスタンダードです。
    日本語版のPDFを入手するにはPMI日本支部に入会する必要があり、日本支部に入会するには本部に入会する必要があります。1万円超の会費がかかるので要注意です。

  • 『プロセス群:実務ガイド』
    PMI日本支部に登録すると支部会員特典としてPDFをダウンロードすることができます。
    PMBOK®︎ガイドの日本語版が第7版しかなく困ったのですが、調べたところこの実務ガイドが実質的に第6版の内容(10の知識エリアと5つのプロセス)となっており、代用した形です。
    なお、私が受験した時点ではプロジェクトマネージャ試験で対象となるPMBOKガイドは第6版と第7版となっていました。

  • 『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』
    PMBOK®︎ガイドを読むだけでは具体性に欠け、実務におけるプロジェクトマネジメントのイメージがつかなかったため、こちらの本も使用しました。

午後I試験の対策

基本方針

当初は、過去問を徹底的に解き、そのプロセスを理解するという王道の方針を立てました。 先に合格していたシステムアーキテクト試験でもこの手法で手応えを感じていたため、「PM試験も同様のサイクルで攻略できるはずだ」と確信していました。

問題発生

しかし、数年分の過去問を進めるうちに、無視できない「二つの深刻な問題」が浮き彫りになりました。

  • 正答率の極端な二極化
    解ける問題は解答例通りの満点に近い回答が書ける一方、解けない問題は手も足も出ず、的外れな回答を連発してしまう。

  • 解答への思考プロセスが再現できない
    間違えた問題の解説を読んでも、「どうすれば初見でこの解答に辿り着けるのか」というロジックが全く見えてこない。

どこに知識の穴があるのか、あるいは何が足りていないのか。自分でもその正体が掴めない、非常に焦燥感の強い状態でした。

根本原因の特定

この停滞を打破するため、自身の現状を客観的な事実に基づいて整理しました。

  • 学習状況
    『PMBOK®︎ガイド第7版』および『プロセス群:実務ガイド』を通読済み。
  • 基礎知識
    中小企業診断士試験の学習により、マネジメント全般の理論は習得している。
  • 実務経験
    プロジェクトマネジメントの実務経験はゼロ。

上記の状況から、この致命的な問題の根本原因は何かを探りました。そして私なりに出した結論は、以下の通りでした。

「知識は持っている。しかし、PMとしての実務経験がないため、状況に応じた『知識の使いどころ(応用の作法)』が分かっていない」

解決へのアプローチ

実務経験への不足を補うため、私は「知識を詰め込む」ことから「PMの思考回路をトレースする」ことへと舵を切りました。

ケーススタディによる擬似経験の蓄積

使用したのは、『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』です。特に第6章のケーススタディを徹底的に活用しました。 また、それまでに解いた過去問題も活用しました。単に事例を読むのではなく、「自分がこの事態に直面した責任者である」という当事者意識を持ち、PMBOK®︎ガイドを参照しながら以下のプロセスを繰り返しました。

  • 「なぜこの手法を選択するのか?」 という根拠の深掘り
  • 「他に有効なアプローチ(代替案)はないか?」 という多角的視点での検討

この考え抜くプロセスを通じて、バラバラだったPMBOKの知識が実務という一本の線で繋がり始めました。

到達した結論

この一連の訓練を通じて、私は

「プロジェクトは有機的なものであり、絶対の正解は存在しない。ただし、選んではいけない『明らかな不正解』は確実に存在する」

という確信に至りました。
一見、抽象的な表現に聞こえるかもしれません。しかし、この感覚を掴んだことで、午後Iの記述問題において、リスクを最小化し状況を好転させるために、PMとして選ぶべき最善の一手を論理的に選定できるようになりました。
正解を探すのではなく、PMとして妥当な判断を下し、不正解を排除していくマインドセットへの転換こそが、私の合格を決定づけた最大の要因だと確信しています。

とはいえ…

とはいえ、やはりシチュエーション別の定石が存在することも分かっていました。
ではその定石をどのように知れば良いのか?と悩んでいた時に出会ったのが『「速効サプリⓇ」プロジェクトマネージャ 2020春』でした。
この対策本は先述の通り劇薬です。公式解答例と設問内容が隣り合わせに書かれており、目的もなく使用すると全く勉強にならないため、教材として使うには十分な注意が必要です。
私の場合、シチュエーション別の定石を知る必要があるという明確な目的があり、この対策本が「品質マネジメント」「リスク推定」「テストのノウハウ」といったパターン別に設問と解答例がまとめられていたため、ジャストフィットした形になります。この時点で試験1週間前だったため、限られた時間を使って読める限りの範囲を熟読し、実務未経験というハンデを補うためのPMとしての引き出しを爆発的に増やすことができました。

(余談)試験当日の感触

実のところ、午後I試験を終えた直後の感触は決して良いものではありませんでした。
試験中も試験後も、「あのアプローチで本当に良かったのだろうか…?」「また以前のように、独りよがりな的外れの回答を書いていないか…?」という疑念が頭を離れず、むしろ手応えのなさに不安を感じていました。
しかし結果として80点以上取れていたことから、あがきながらケーススタディを繰り返し、PMBOKの理論を実務に繋げようと模索したことと、そこで培った「PMとしての判断基準」は、無意識のうちに私の一部となり、正解を導き出す力に変わっていたのだろうと思います。

午後II試験の対策

正直に告白すると、午後Iで手一杯だったためほとんど対策していません。試験当日まで1文字も書きませんでした。
やったことと言えば以下の2つだけです。

  • 午後II過去問題の熟読
  • 『プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集』 のサンプル論文の熟読

それでも午後Iさえ通れば合格できる自信はありました。
理由としては、システムアーキテクト試験の勉強をした時に覚えた論文の書き方を忘れていなかったこと、『プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集』 のサンプル論文以外の部分はシステムアーキテクト試験のそれとほとんど変わらなかったこと、PMの思考回路を午後I試験の学習の中で徹底的にトレースしたことが挙げられます。

論文試験を初めて受ける受験生向けに書くとすれば、『プロジェクトマネージャ 合格論文の書き方・事例集』 を信仰し、サンプル論文と午後I試験を使用してPMの思考回路を憑依させれば、合格レベルの論文を書くことができるようになると思います。

その他やってよかったこと

やはり中小企業診断士1次試験の学習でリーダーシップやマネジメントに関する基礎知識がある程度身についていたことも合格を勝ち取れた一因であると感じます。
例えば運営管理で学習する新旧QC7つ道具や、企業経営理論で学習するリーダーシップに関する理論や組織論などはプロジェクトマネージャ試験の前提知識であり、それらに関して大きく学習時間を割く必要がありませんでした。

おわりに

2026年度から高度試験もCBT化となりましたが、最後のペーパーテストで有終の美を飾れてよかったです。
来年はITストラテジストと中小企業診断士の再チャレンジに向けて全力で駆け抜けていきたいと思います。
また持論ですが、資格は取って終わりではなく、ここで得た引き出しを日々の開発現場に還元し、より価値のあるシステムを構築していくことが、本当の意味での「合格」だと思っています。
この記事が、プロジェクトマネージャを目指すエンジニアの皆様の刺激になれば幸いです。

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