こんにちは
ALJの江口と申します。
ChromeOSFlexにどんな印象をお持ちでしょうか。
私は、Androidタブレットに近いイメージがあり、ノート型の機械にはあまり必要そうとは思えませんでした。
ChromeOSはGoogleの製品なので、Chromeブラウザを使っている人には良さそうですが、自分はFirefoxをメインに使っており、Firefoxの利用では不便そうだという印象もありました。
ただ、ChromeOSは非常に軽量という話も聞くので、今回、CPUがN4200のノートPCに、ChromeOSFlexで使ってみることにたので、ChromeOSFlexにFirefoxをセットアップしてみた内容を書いてみたいと思います。
使用PC
今回使用したPCは、Acer Spin1 という 2017年 頃の安価なノートです。
項目 | スペック |
---|---|
CPU | N4200 |
メモリ | 4G |
ドライブ | eMMC 128GB |
ディスプレイ | タッチ対応FullHD |
実は、最初はLinuxMintを入れようとしてたのですが、このPCではgrabのインストール時にエラーが出てしまい、うまくいれられませんでした。grabの手動インストールをしてもよかったのですが、ChromeOSFlexならすんなりインストールできたので、ChromeOSFlexを試してみようと思いました。
ChromeOSFlexで良かった点
起動・停止が高速
起動は15秒くらい。停止は2~3秒でした。
もう、主力には使えないノートなので、ちょっと調べたいなどで使いたくても、Windowsだと1分程度はかかっていたので、起動が早いのは助かります。
スリープも使いたくなる
スリープすればもっと高速で、数秒で起動します。
画面を閉じればスリープに入るので、ChromeosFlexだと、この使い方が自分によさそうだと思います。
Windowsにもスリープはありますが、Windowsはスリープの利用に向いていない気がします。再起動すると明らかに安定するので、毎回シャットダウンして利用していました。
Gemini、Chrome、Yotubeなどを利用するには便利
GoogleのOSなので、Gemini、Chrome、Youtubeはアプリ化されていて、それらが作業の中心であれば、インストール後にすぐに使えるので快適に利用できます。
イマイチな点
GoogleChrome以外のブラウザを利用するのがシンドイ
GoogleのOSなので、別ブラウザを利用するには、Linux環境を立ち上げる必要があるのは知ってましたが、Linux環境はWindowsのWSLと似ていて、仮想環境上にOSが入る感じです。仮想環境なので、ベースOSとは分離されているため、いろいろ支障がでます。最も困るのは日本語入力でした。
Linux環境にFirefoxを入れても、そのままでは日本語入力ができません。Fcitx5だの、Mozcだのを設定する必要があります。
ChromeOSFlexのLinux環境
ChromeOSFlexでLinux環境を有効化するというのはどういうことか調べてみました。
-
動作環境
ChromeOSFlexのLinux環境はCrostiniというもので、LXC の技術を利用しているようです。立ち上げると、debian12が起動しました。 -
NATされている
IPアドレスは、ホストとは別のセグメントになっており、NATされてるようです。従って外部からLinux環境に接続するには、ホストでポートフォワードなどをする必要があると思います。
ChromeOSFlex内に仮想環境でLinuxが立ち上がるようです。ChromeOSFlexから独立しているため、Linux環境内に改めて日本語のセットアップが必要になる、という感じのようです。
Linux環境にFirefoxを入れ日本語を設定してみる
Firefoxを入れ、日本語入力できるまでの手順を記載してみます。
Firefoxのインストール
事前に sudo apt update && sudo apt upgrade は済ませておきます。
mozilla.orgに記載された手順でFirefoxを入れることができます。
https://support.mozilla.org/ja/kb/run-firefox-chromeos#firefox:win11:fx138
# flatpakのインストールとFluthubリポジトリ追加
$ sudo apt install flatpak
$ flatpak --user remote-add --if-not-exists flathub https://flathub.org/repo/flathub.flatpakrepo
# ここでLinux環境をシャットダウンして再起動
# Firefoxのインストール
$ flatpak install flathub org.mozilla.firefox
インストールが完了すると、Firefoxのアイコンがメニューに出てくるので、起動すれば完了です。
Linux環境の日本語入力セットアップ
fcitx5とMozcをインストールします。
sudo apt install fcitx5 fcitx5-mozc
必要となるディレクトリの作成。
mkdir -p ~/.config
fcitx5をGUI起動時に自動起動させるため、.sommelierrc に設定を入れます。
# 以下の行を追記
/usr/bin/fcitx5 &
fcitx5をIMEとして認識させるための# ~/.profile (または ~/.xprofile)に環境変数を設定する。
# 以下の行を追記
export GTK_IM_MODULE=fcitx
export QT_IM_MODULE=fcitx
export XMODIFIERS=@im=fcitx
export DefaultIMModule=fcitx
Flatpakのサンドボックスをに対し、fcitx5と通信できるように、以下を実行する。
$ flatpak --user override --talk-name=org.fcitx.Fcitx org.mozilla.firefox
$ flatpak --user override --talk-name=org.freedesktop.portal.Fcitx org.mozilla.firefox
$ flatpak --user override --env=GTK_IM_MODULE=fcitx --env=QT_IM_MODULE=fcitx --env=XMODIFIERS=@im=fcitx org.mozilla.firefox
fcitx5のキーバインド設定 (半角/全角キーの利用)をします。
$ fcitx5-configtool
fcitx Configurationが起動するので、以下を設定します。
- 「Input Method」タブで、Mozcを追加する
- 「Global Options」タブで、「Trigget Input Method」にZenkaku Hankakuを設定する
ここでLinux環境を再起動します。
再起動したら、Firefoxで日本語入力可能か、確認してみてください。
最後に
ChromeOSFlexはGooglePlayStoreが使えないため、Linux環境の利用は必須だと思いますが、日本語のセットアップができないと不便です。
このあたりがもっと簡単にセットアップできるようになれば、ChromeOSFlexはWindowsやMacに対し、強力なライバルになりそうだと感じました。
もし、捨てるに捨てられないノートがあるようであれば、ChromeOSFlexを試してみると面白いと思います。
Gemini、Chrome、Yotubeの利用においては、非常に便利だと思います。
以上です。