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データベースベンチマークTPC-HをMySQLで実行する(TPC-H v2.18.0)

Last updated at Posted at 2019-03-22

TL;DR

  • RDBベンチマークTPC-Hを実行し,動作を確認します
    • TPC-Hは複数のテーブルからなるデータベースで,22種類のクエリからなる,ベンチマークスイートです
    • データの選択量が多く,テーブルの結合処理を含むので,トランザクション性能というよりは,データ分析に要する処理の性能評価に利用されるものです
    • TPC-H仕様(pdf)が詳しいので,参考になります
  • AWSのEC2インスタンスを使用しますが,MySQLのデータベースがあれば,環境に依存しません

実験概要

  1. クエリを発行するノードとして,EC2のt2.smallインスタンスを使用します
    1. ベンチマーク実行用のインスタンスです
  2. TPC-Hツールをダウンロードし,MySQL用のデータセット,クエリを作成します
  3. いくつかのクエリを実行し,動作することを確認します

0. TPC-Hベンチマークの実行手順

ベンチマークの実行は,以下の手続きで実施します.

  1. TPC-Hのデータとクエリを生成するツールのダウンロード
  2. MySQL向けパッチの適用
  3. テーブルの作成
  4. データの生成
  5. データの登録
  6. インデックスの作成
  7. 実行クエリの生成
  8. クエリを実行して性能計測

ホストのセットアップ

yum groupinstall -y 'Development Tools'
yum install -y mariadb

1. TPC-Hツールのダウンロード

  • TPC-H_Toolsの[Download]から,TPC-Toolsを入手します
    • 入力するメールアドレスにダウンロードキー付きのURLが送付されるので,それをクリックしてダウンロードします
    • TPC-H_Tools_v2.18.0を入手した(プレフィックス文字列が付いているかもしれない(以降はtpc-h-tools.zipとして表記する)
    • scpコマンドなどで,EC2のVMにtpc-h-tools.zipをコピーします

2. MySQL向けのパッチの適用

MySQLでTPC-Hベンチマークを実行するで,TPC-Hのデータ(生成用のddlファイル)とクエリをMySQLで実行できるようにするパッチが作成されています(感謝!).

その一方で,上記記事が公開されてから,TPCツールのダウンロード方法が変わっているので,パッチ適用で不都合が生じます.そこで,tpch-patchesを活用する上で,さらに以下のような修正を行い,現在のバージョンに対応したものへ修正します.

  • 適当なディレクトリを作成してtpc-h-tool.zipを配置し,パッチをgit cloneする
mkdir -p ~/{src,bin,share}
cd ~/src
git clone https://github.com/itiut/tpch-patches
cp ~/tpc-h-tool.zip ~/src/
  • tpch-patches/install.shを以下のようにパッチする
diff --git a/install.sh b/install.sh
index 9d81955..bb0b6f5 100755
--- a/install.sh
+++ b/install.sh
@@ -22,7 +22,8 @@ esac

 BASE_DIR=$PWD
 DATABASE=$1
-TPCH_PROG=tpch_2_17_0
+TPCH_PROG=tpc-h-tool
+TPCH_VER=2.18.0_rc2
 : ${PREFIX:=$HOME}
 PREFIX=$(readlink -f $PREFIX)
 BIN_DIR=$PREFIX/bin
@@ -40,14 +41,11 @@ ensure_directories() {

 download_and_extract_dbgen() {
     pushd $SRC_DIR
-    if [ ! -f $TPCH_PROG.zip ]; then
-        echo "Download $TPCH_PROG.zip ..."
-        curl -LO http://www.tpc.org/tpch/spec/$TPCH_PROG.zip
-    fi
     if [ ! -d $TPCH_PROG ]; then
         echo "Extract $TPCH_PROG.zip ..."
-        unzip $TPCH_PROG
+        unzip $TPCH_PROG.zip
         rm -rf __MACOSX
+       mv $TPCH_VER $SRC_DIR/$TPCH_PROG
     fi
     popd
 }
  • 上記の修正でやっていること

    • TPC-Hツールを自動ダウンロードしない(別途,ダウンロードしている)
    • 展開後のディレクトリ名を(2.18.0用に)修正
  • tpch-patches/install.shを実行して,{データ,クエリ}生成プログラムを生成する

./install.sh mysql

3. テーブルの作成(スキーマの登録)

  • sf1 というデータベースを作ります
    • 名前に制約はないですが,別の名前を指定した場合,以降のコマンドの -D オプションの文字列を変更してください
cd ~/share/dbgen
mysql -u [ユーザ名] -h [mysqlホスト] -p -e "create database sf1;";
mysql -u [ユーザ名] -h [mysqlホスト] -p -D sf1 < dss.ddl
  • [ユーザ名][mysqlホスト]などは,環境に合わせて設定してください
    • ローカルホストのサーバで実験するのであれば,[mysqlホスト]の指定は不要です

4. データの作成

  • ベンチマーク用にデータを作成します
    • dbgenコマンドでデータを生成します
    • -s オプションで,ScaleFactorを指定します
      • ScaleFactorは,データの量を示す数値(GB)です
    • TPC-Hで使用されるテーブルが,tblファイルとして作られます
    • lineitem.tblが最も大きなテーブルです
cd ~/bin
./dbgen -s 1
mkdir ~/bin/sf1
mv *.tbl ~/bin/sf1

5. テーブルへデータの登録

  • dbgen で生成したデータ(テーブルごとに .tbl 拡張子でまとめられたテキストファイル)を,mysqlコマンドを使用して,auroraのデータベースsf1にロードします
cd ~/bin/sf1
for tbl_file in *.tbl; do
mysql -u [ユーザ名] -h [mysqlホスト] -p[パスワード] -D sf1 -e \
"LOAD DATA LOCAL INFILE '$tbl_file' INTO TABLE $(basename $tbl_file .tbl) FIELDS TERMINATED by '|' LINES TERMINATED BY '\n';";
done

6. インデックスの作成

  • ScaleFactorごとに,インデックス指定ファイル( .ri )を作成し,テーブルのインデックスを作成します.
cd ~/share/dbgen
sed -e 's/tpch/sf1/g' dss.ri > dss.ri.sf1
mysql -u [ユーザ名] -h [mysqlホスト] -p -D sf1 < dss.ri.sf1

7. クエリファイルの作成

  • qgen コマンドを使って,TPC-Hのクエリファイルを生成します.
    • ScaleFactorごとに異なるクエリが必要なので, -s オプションを使って指定してください
cd ~/bin
mkdir -p ~/bin/sf1query
for i in $(seq 1 22); do ~/bin/qgen -s 1 $i > $i.sql; done
mv *.sql ~/bin/sf1query

8. クエリの実行

  • mysqlコマンドでクエリファイルを入力し,クエリを実行します.以下のコマンドは,Query1を実行した場合の例です.
time mysql -u [ユーザ名] -h [mysqlホスト] -p[パスワード] -D sf1 < ~/bin/sf1query/1.sql

l_returnflag    l_linestatus    sum_qty sum_base_price  sum_disc_price  sum_charge      avg_qty a
vg_price       avg_disc        count_order
A       F       37734107.00     56586554400.73  53758257134.8700        55909065222.827692      25.522006       38273.129735    0.049985        1478493
N       F       991417.00       1487504710.38   1413082168.0541 1469649223.194375       25.516472       38284.467761    0.050093        38854
N       O       72798693.00     109186056038.16 103727910277.8472       107880806426.511496     25.501757       38248.437828    0.050000        2854654
R       F       37719753.00     56568041380.90  53741292684.6040        55889619119.831932      25.505794       38250.854626    0.050009        1478870

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user    0m0.005s
sys     0m0.000s

参考

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