結果
不採択でした
はじめに
応募の具体的作業に入ってから認識したことですが、IPAの「未踏アドバンスト事業」って委託契約による有償開発作業だったのですね。これから応募されようと考えていらっしゃる方は、この点よく考慮した方がよいかと存じます。
わたしはどちらかというと、まじで委託契約獲得狙いで応募したわけではなく、自分の企画アイデアがどんな風に評価されるのかという点に興味があり、応募にいたったのです。
応募作業
工数見積もり
これがけっこう厳しい。基本的にひとり親方(自営業)で、他の継続案件で長時間稼働しているので、応募事案に割ける時間工数がおのずと限界があり、成果物想定もだいぶしょぼくなってしまいました。本業がある人材で対応するには、ある程度複数メンバーで作業分担できる体制を整えてから応募した方がよさそうです。(本気で委託契約を獲得めざす場合)
提案内容(抜粋)
プロジェクト名:日本語ロジック仕様記述言語 Re:Mind(リマインド)
①プロジェクトの背景、目的、目標
業務系システムエンジニアはソフトウェアエンジニアでありながら、要件定義や設計を主たる担当工程とするようになると、実装言語の記述作業から離れてしまい、仕様書も自然言語で記述することが多くなります。ソフトウェアエンジニアリングでありながらソフトウェアの支援をほとんど受けずに設計を行っている態様の現場が多くみられます。
設計モデリング用言語として構造化された日本語によるコンパイル言語を提供し、システムエンジニアの設計工程にコンパイル検証を導入することで後工程の品質を高めることが主たる狙いです。
◇メリット
- 自然言語の母語が構造化された制約があるだけで、言語としての可読性が高い
この点でシステムエンジニアリングに疎いドメインエキスパートでも十分に意図を共有可能(特に上流のモデリング記述)
2.ロジックの意図の表現・精度が自然言語記述より格段に増す
数学的形式言語ほどではないにしろ、最上流から静的に型付けされた構造化言語による記述とすることでシステムに出現するデータの型の引き、戻りの一貫性は検証可能
②開発に関する未踏性の主張、期待される効果など
本プロジェクト成果物の日本語プログラミング言語仕様としては、制御構文の開始シンボルとして、◇、〇、□、・などの全角記号を用い、箇条書きされた日本文としての体裁をトランスコンパイラ言語としての Re:Mindの構文と共有しています。◇は分岐構文、〇はループ構文の開始と終了を表し、これらの構文のシステムトークン・予約語に対して冗⾧な日本語表記がなくてもフロー図の表現に慣れている方が直感的に認識できることを考慮しています。
表1 現存する日本語プログラミング言語との基本的な相違
言語名 | 日本語語彙 | 日本語語順 | 分ち書き | オブジェクト指向 |
---|---|---|---|---|
なでしこ | 使用する | 使用する | しない | 対応しない |
プロデル | 使用する | 使用する | しない | 対応する |
Mind | 使用する | 使用する | する | 対応しない |
Re:Mind | 使用する | 使用しない | する | 対応する |
審査結果
不採択(書類選考)
評価された点
「実用性は高いと思われます。」
評価できなかった点
「普通のプログラミング言語との大きな差別化がなされている印象がない。」
その他開発体制的なお話。
おわりに(私の感想)
おおっ、「実用性は高い」とはうれしいおことばというのが率直な感想。「普通のプログラミング言語との大きな差別化」はめざすところではないので、そんなこと言われてもという感じではあります