Azureにwindows10の仮想マシンを作成して、FTPサーバを立てるための備忘録です。業務でFTP送信機能を実装することになり、検証用にFTPサーバ構築が必要になりました。私自身あまりAzureを触ったことがなく、FTPもはじめて使ったので同じような方がいれば参考にしてください。
・1. 仮想マシン作成
・2. IISのインストール
・3. FTPサーバを有効にする
・4. FTPユーザを作成する
・5. FTPサイトの作成
・6. コマンドで動作確認
・7. FTPサイトのパッシブモードの作成
・8. FTPサイトのファイアウォールの設定
・9. Windowsファイアウォールの設定
・10. Azure側の設定
1. 仮想マシン作成
https://learn.microsoft.com/ja-jp/azure/virtual-machines/windows/quick-create-portal
こちらの公式記事を参考にしてまずは仮想マシンを作成します。
2. IISのインストール
IISとは、Windows用のWebサーバーソフトのことです。IISには多くの機能が統合されており、Linux用のWebサーバーソフトと比較して対応範囲が広いのが特徴です。IISの中にFTPサーバーの機能が含まれているので今回はこちらを利用します。
1.1で作成したVMにリモートデスクトップで接続します。PowerShell プロンプトを開き、次のコマンドを実行します。
Install-WindowsFeature -name Web-Server -IncludeManagementTools
3. FTPサーバを有効にする
IISのインストールが完了したらFTPサーバを有効化していきます。
(1)Windowsキーを押して「コントロールパネル」と入力し、Control Panelをクリック
(3)「Windowsの機能の有効化または無効化」をクリック
(4)「FTP Service」と「IIS管理コンソール」を選択してOKボタンをクリック
設定が上手くいったか確認したい方は、Windowsキーを押してから「IIS」と入力してみてください。以下のように表示されていれば、問題ありません。
4. FTPユーザを作成する
次に、FTPユーザを作ります。
(1)Windowsキーを押して「ユーザー」を入力し、「他のユーザーの追加、編集、削除」をクリック
(3)ユーザー名やパスワードなどを入力し、「次へ」ボタンをクリック
5. FTPサイトの作成
次に、作成したユーザーを使ってFTPサイトを作成・設定します。
(1)Windowsキーを押してIISを入力し、インターネット インフォメーションサービス(IIS)マネージャーをクリック
(2)左側のメニューから「サイト」を選び、画面右端にある「FTPサイトの追加」をクリック
(3)FTPサイト名、物理パスを入力・選択し、次へボタンをクリック
(4)IPアドレスを「すべて未割り当て」にし、SSLを「無し」にして次へボタンをクリック
(5) 匿名、匿名ユーザーを選択し、アクセス許可を2つともチェックして終了ボタンをクリック
6. コマンドで動作確認
FTPサーバーが正しく構築できたか、確認します。
(1)Windowsキーを押して「cmd」と入力し、コマンドプロンプトをクリック
(2)「ftp」と入力し、Enterキーを押す
(3)「open localhost」を入力し、サイトに接続する
(4)ローカルアカウントのユーザー名・パスワードを入力し、Enterキーを押してログイン
実際に実行し、以下のように「230 User logged in.」が出れば成功です。
7. FTPサイトのパッシブモードの設定
FTPにはアクティブモードとパッシブモードの2種類があります。簡単に言うと、アクティブモードはサーバ側からデータ転送用の線をクライアントに繋いで接続する方式です。対してパッシブモードはクライアントからサーバにデータコネクションを繋げます。今回はクライアントからサーバにファイルを送信するのでパッシブモードを使用します。
(2)起動したら【FTPファイアウォールのサポート】を選択して開きます。
【データチャネルポート範囲】にパッシブモードで使用する【ポート範囲】を設定します。
デフォルトは【0-0】です。
今回は【60000-60005】に設定してみました。
設定が完了したらしっかり【適用】をクリックします。
8. FTPサイトのファイアウォールの設定
次にFTPサイトのファイアウォール設定をします。
(1)IISでFTPサーバの作成したサイトを選択し、ファイアウォールの外部IPアドレス(仮想マシンのグローバルIP(パブリックIPアドレス))を入力します。
9. Windowsファイアウォールの設定
(1)【コントロールパネル】→【システムとセキュリティ】→【 Windows Defenderファイアウォール】
【詳細設定】を開きます。
(2)セキュリティが強化された【Windows Defenderファイアウォール】ウィンドウが開くので
【受信の規則】を選択し、【新しい規則】をクリックします。
【新規の受信の規則ウィザード】が開くので、【ポート】を選択して【次へ】をクリックします。
(3)【特定のローカルポート】にパッシブモードで使用する【ポート範囲】を設定します。
今回は【60000-60005】になります。
【次へ】をクリックします。
(4)【接続を許可する】を選択して【次へ】をクリックします。
(5)ネットワークの要件によって適用するプロファイルを選択し【次へ】をクリックします。
(6)適当な名前を付けて【完了】をクリックします。
(7)以下の受信規則をOKにしておきます。
FTPサーバー,FTPサーバーセキュリティ,FTPサーバーパッシブ
諸々の設定が完了したら、FTPのサービスを再起動します。これで【パッシブモード】への変更は完了になります。
10. Azure側の設定
(1)受信ポート規則の追加をします。
作成した仮想マシンの「ネットワーク」の項目から「受信ポートの規則を追加する」で以下の2つを追加する。
サービス:FTPを許可(パッシブコネクション確立用:ポート21)
サービス:Custom、ポート:60000-60005を許可
これで設定は以上です。