はじめに
自分の相棒欲しくないですか?
多くの方は、普段Claude CodeやCodexを利用していることだと思います。しかしそれらは、コーディングに長けているだけで完全な相棒とは言い切れないでしょう。
そこで今回、Hermes Agent × さくらのAI Engineを利用して自分専用の相棒(アシスタント)を作ってみようと思います。
この記事では、構築手順から実際の運用コスト、裏技的な設定までをまとめていきます。
Hermes Agentとは
簡単に言うと、「NousResearchが開発した自前のマシン上で動く、記憶を持ち、ターミナルやブラウザを直接操作できる自律型AIエージェント」です。
ここ2年くらいでAIコーディングツールは数ありますが、Hermes Agent は特に以下の点で印象に残りました。
- 常駐型(デーモン型):毎回ターミナルなどから呼び出すのではなく、サーバーやPCに常駐しています。そのため、定期的に自律的に動作させることもできます。
- リサーチのプロ:コードを書くだけじゃなく、WEBから最新のニュースを収集しまとめるといった秘書のような役割もこなせます。
- 永続メモリ:使うほど自分専用に成長する永続メモリを持っています。過去の会話や実行結果、獲得したスキル(作成したプログラム)をMarkdownなどで蓄積し、長く使うほど賢くなります。
- Discordなどのボットとして常時稼働できる:先ほどの通りデーモンとして動作しているため、Discord Botと連携することでどこからでも命令することができます。
さくらのAI Engineとは
さくらのAI Engineは、さくらインターネットが提供する生成AI向けの推論API基盤サービスです。
調べれば、いろいろと出てくるため割愛しますが、最大のメリットは月3,000リクエスト無償で使える無償プランがあることです。Token制ではないのです。
インストールとセットアップ
インストール
Linux・macOS・WSL2に対応しており、下記のコマンドでインストールできます。
curl -fsSLO https://raw.githubusercontent.com/NousResearch/hermes-agent/main/scripts/install.sh
シェルを再起動する必要はあります。
source ~/.bashrc # zsh の場合は ~/.zshrc
hermes --version
セットアップ
インストール後に hermes setup を実行すると、対話型ウィザードが立ち上がります。
hermes setup
プロバイダー選定 → モデル選定 → ツール選択 → ゲートウェイ設定まで、画面に従って選択していくだけで、~/.hermes/config.yaml を自動で書き換えてくれます。
ここでは、カスタムプロバイダを選択しhttps://api.ai.sakura.ad.jp/v1と予め発行したAPI keyを指定します。モデルはpreview/Kimi-K2.6を選択しました。
細かい設定をあとから変えたい場合:
hermes model # モデル変更
hermes tools # 有効ツールの切り替え
hermes gateway setup # Discord/Telegram 連携
hermes doctor # 環境診断
詳細は公式ドキュメントを参照してください:
https://hermes-agent.nousresearch.com/docs/getting-started/quickstart
私の利用方法
gatewayはDiscordを利用しています。
- CTF
- インフラ構築手順書の自動作成
- コードレビューと自動PR作成
- モックアップの作成
最近便利だと思った利用方法
Discord上に専用のスレッドを作成し、そこに書かれたURLの先にある内容(ニュースやリポジトリ)を調査させGROWIに結果を書き込ませることです。
Discordは一部Markdownに対応していますが、表などは書けません。GROWIはMarkdown形式で書くことを前提としているためとてもAIと親和性が高いです。この記事の草案もHermes Agentが書きGROWIにアップロードするところまで行ってもらいました。
動作環境について
私の場合は、Linuxの仮想マシン1台丸ごとHermes Agentに割り当て、その中で好きなように動作させています。基本的になんでもできてしまうため、専用マシンを用意してあげたほうが良いと感じています。
コストについて
さくらAIエンジンの基盤モデル無償プランでは、月に以下の無料枠があります。
| サービス | 月額無料枠 |
|---|---|
| Chat completions | 3,000 回 |
| Embeddings | 10,000 回 |
| Audio | 50 回 |
私の稼働実績でも、この 3,000 回に収まっています。つまり 月額費用は事実上 0 円 で運用できています。
無償枠を超過した場合はレート制限がかかるだけなので焦る必要はなく、本格的に使いたくなったら従量課金プランに切り替えればOKです。
要約用モデルの使い分け
Hermes Agent には長い会話を自動で圧縮する「コンテキスト圧縮」機能があります。しかし、この圧縮処理を Kimi K2.6 にやらせるとうまく動作しない ケースがありました。そのため、要約にはQwen3.6-35B-A3Bを使っています。
参考リンク
Hermes Agent 公式ドキュメント
Hermes Agent GitHub
さくらAIエンジン コントロールパネル
さくらAIエンジン マニュアル