この記事は ServiceNow アドベントカレンダー 2025 の12月5日分の記事として執筆しています
はじめに
OpenAIのGPTsが登場してから早2年1となりますが、皆さんはGPTsを活用されていますでしょうか。
筆者はGoogleのGeminiユーザーということもあり、これまで深く触れることはなかったのですが、ServiceNowに関連したGPTsの投稿をちらほら見かけることが多くなり、ようやく活用し始めた今日この頃です。
また、筆者が利用を控えていたもう一つの理由としてGPTsのセキュリティリスクへの懸念2がありました。闇雲にさまざまなGPTsを使うことは避けるべきと考えておりますので、本記事では作成者の信頼性が高く、筆者も実際に活用しているGPTsについて紹介できればと思います。
GPTsの利用についてはセキュリティリスクを理解したうえで、自己責任の範囲で活用ください。
おすすめ GPTs 3選まとめ
- CSDMやIT4IT等のフレームワークの理解促進のための「Digital Product-centric GPT advisory expert」
- ServiceNow製品群の関係性の理解を支援する「SN ESM Blueprint Architect」
- ServiceNow Docsをベースに、ハルシネーションしない検索結果が欲しい時は「Now Developer」
GPTs とは
OpenAIが提供するChatGPTを特定の用途に合わせてカスタマイズできる機能1を指します。
プログラミングの知識がなくても、自然言語でプロンプトやナレッジ、スキルを組み合わせることで、自分だけのオリジナルのチャットボットを簡単に作成・利用できるものです。
執筆時現在、独自の GPT を作成して共有するには ChatGPT Plus 等の有償プランへの加入が必要です。
ChatGPTのサイドバーから [GPT] > [調べる] より、GPTsのページ ( https://chatgpt.com/gpts ) を開き、「ServiceNow」と入力すると、複数のGPTsが検索結果として表示されることを確認できます。
おすすめ GPTs 3選
では早速、筆者が個人的に活用している3つのGPTsについて、簡単な説明と実際の画面を紹介します。活用イメージを掴んでいただくために、プリセット質問の一覧および一部の会話のやり取り結果も掲載します。
GPTsの選定については、有用性に加え、作成者が信頼できる企業に属していることなどを判断基準としています。参考となるSNS投稿も記載していますので、ご参考ください。
Digital Product-centric GPT advisory expert
まずはCSDM/CMDBでおなじみのMark Bodman 氏が作成したGPTs「Digital Product-centric GPT advisory expert」です。このGPTsでは公開資料や特許情報をもとに、CSDMやIT4IT、プロダクトマネジメントに関する会話ができます。
Digital Product-centric GPT advisory expert
| # | 原文 (英語) | 和訳 |
|---|---|---|
| 1 | What is the common theme between CSDM 5 and IT4IT 3? | CSDM 5 と IT4IT 3 の共通テーマは何ですか? |
| 2 | What is the recommended approach for organizations adopting a product-centric operating model in IT based on the provided material? | 提供された資料に基づくと、IT領域でプロダクト志向のオペレーティングモデルを採用する際の推奨アプローチは何ですか? |
| 3 | For an ITIL based organization, how does this material suggest shifting to a product-centric management approach? | ITIL をベースにした組織は、この資料(アップロードされた各文書)が示す内容に基づいて、どのようにプロダクト中心のマネジメントへシフトすべきか? |
| 4 | Provide an overview of all ServiceNow Products that align with each of the 33 functional components and the functional component functional criteria as defined in the IT4IT V3.0 standard. | IT4IT v3.0 標準に定義される 33 のファンクショナル・コンポーネントと、それぞれの機能基準(Functional Criteria)に整合する ServiceNow の全製品の概要を提供してください。 |
参考: Mark Bodman 氏 (ServiceNow社) によるLinkedIn投稿
SN ESM Blueprint Architect
続いては、ServiceNowのESM Architecture Blueprintを作成しているTolga Tutel氏が作成したGPTs「SN ESM Blueprint Architect」です。2025年6月に公開されたYokohamaリリース時点のESM Architecture Blueprint v7.03に関して理解を深める際に活用できます。
| # | 原文 (英語) | 和訳 |
|---|---|---|
| 1 | Can you explain the overall structure of the ESM Architecture v7.0 and how the different workflow layers connect? | ESM Architecture v7.0 の全体構造と、各ワークフロー層がどのように接続しているかを説明できますか? |
| 2 | How does Universal Request enable cross-department collaboration between IT, HR, and Customer Service? | Universal Request(ユニバーサルリクエスト)は、IT・HR(人事)・Customer Service(顧客サービス)間の部門横断コラボレーションをどのように実現しますか? |
| 3 | What’s the difference between ITSM, ESM, and Industry Workflows in the ServiceNow architecture? | ServiceNow における ITSM、ESM、Industry Workflows の違いは何ですか? |
| 4 | Which parts of the ESM architecture are powered by the App Engine versus out-of-the-box modules? | ESMアーキテクチャのどの部分が App Engine によって提供され、どの部分が標準(Out-of-the-Box)モジュールで提供されるのか? |
参考: Tolga Tutel 氏 (ServiceNow社) によるLinkedIn投稿
Now Developer
最後は、ServiceNowコミュニティや公式ドキュメントサイトを学習し、ServiceNowにおける開発、スクリプト作成、アーキテクチャに関する会話ができるGPTs「Now Developer」です。
汎用LLMで実装方法を調べる際に遭遇しがちな存在しないテーブルや関数が返されることを避けるため、ドキュメントからの引用を行い、ハルシネーションをしないように設計されているようです。
なお、intexa.aiというWebアプリ4としても公開されています。
| # | 原文 (英語) | 和訳 |
|---|---|---|
| 1 | Write me a GlideRecord query for the incident table. | インシデント(incident)テーブルの GlideRecord クエリを書いてください。 |
| 2 | How do I generate an event in ServiceNow? | ServiceNow でイベントを発生させるにはどうすればいいですか? |
| 3 | Create me a script include that returns Hello World. | Hello World を返す Script Include を作成して |
| 4 | How do I update a system property? | システムプロパティを更新するにはどうすればいいですか? |
参考: intexa.ai の開発者 Josh Brostoff 氏 (Slalom社) によるLinkedIn投稿
さいごに
筆者も活用しているServiceNowに関連したGPTsを紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。普段からGPTsを活用している方もそうでない方も、活用できそうであればぜひ役立てていただければと思います。
また、他にも活用しているGPTsがあればぜひコメントにて教えていただけますと幸いです。
GeminiユーザーとしてはGemsで展開されると嬉しいですが、執筆時点では共有機能がないので自作するしかないですね。






