はじめに
先日2026年4月9日にServiceNow社から発表されたプレスリリース1により、ServiceNow SDKによる開発環境の可能性が大きく広がりました。
昨今のAIを用いた開発エコシステムにスムーズに適応していく上で、ServiceNow SDKの活用は今後避けては通れない技術になると確信しています。そこで本記事では、まずは第一歩として、公式ドキュメントに沿ってServiceNow SDKを実際に動作させるところまでの手順を整理してご紹介します。
ServiceNow SDK とは
ServiceNow SDKは、ServiceNowアプリケーションの開発を「インスタンス上での設定ベース」から「ローカル環境でのコードベース」へと転換するための開発キットです2。
従来の開発スタイルでは、ServiceNowの管理画面(UI)を通じてテーブルやスクリプトを定義していましたが、SDKを活用することで、プロフェッショナルな開発者が使い慣れたツールや標準的なワークフローを用いてアプリケーションを構築できるようになります。
とりあえず動かしてみる!
それでは、実際に環境を構築してSDKを動かしてみましょう。
事前準備:PDIの払い出し
今回は最新の Australia Patch 1 環境を使用します3。
まず、SDK操作用として admin ロールを付与したユーザー(例:now-sdk-user)を作成しておきます。

また、ServiceNow IDE [App id: sn_glider] プラグインのアップデートも必要です。

ServiceNow SDKのインストール
作業はローカルマシンのコマンドプロンプト(cmd)で行います。
まず、前提条件として適切なバージョンの Node.js と npm がインストールされていることを確認してください4。
node -v
npm -v
次に、プロジェクト用ディレクトリを作成して移動し、ServiceNowインスタンスとの認証を通します。今回は公式ドキュメントに従い、Basic認証で実行しました5。
cd <path/to/directory>
npx @servicenow/sdk auth --add <instance_url>
アプリケーションの作成と展開
準備が整ったら、アプリケーションの雛形を作成します6。
npx @servicenow/sdk init
::note
npx @servicenow/sdk init 実行時の注意点
- スコープ名: 基本的にはデフォルト(提案される名称)のままで問題ありません。
- インスタンス接続設定: プロンプトで入力を求められるインスタンスURLや認証情報は、自身のPDI環境に合わせて正しく入力してください。
筆者は公式Docsのサンプルコードをそのまま流用して進めてしまった結果、接続先の設定不備により以下のエラーに遭遇しました(実体験です……笑)。
ERROR: Exception occurred while installing application / Unable to install application as application was null
デプロイ時にこのエラーが出た場合は、プロジェクト内の設定ファイル(now.config.json 等)でインスタンスの指定が正しいか再確認しましょう。
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ビルドとインストール
次に、作成したコードをビルドし、インスタンスへデプロイ(インストール)します。
環境によって now-sdk コマンドが直接認識されない場合があるため、その際は npx を経由して実行します。
# ビルドの実行
npx @servicenow/sdk build
# インスタンスへのデプロイ
npx @servicenow/sdk install --auth now-sdk-user
PDI上で動作を確認する
デプロイ完了後、ServiceNowインスタンス側を確認してみましょう。
App details を見ると、Client Script (1)、Business Rule (1)、EcmaScript Module (3) が自動生成されていることがわかります。
生成された各スクリプトを確認すると、SDK経由で作成されたことを示すコメントが自動的に挿入されています。
また、syslog を確認すると、sn_glider をソースとするログが出力されており、裏側で正しくプロセスが動いていることが確認できました。
おわりに
今回は、ServiceNow SDKの基本セットアップからサンプルアプリケーションの実装までを試してみました。
これまでの「特定のUIポータル上でのみ開発する」という制約から解き放たれ、ローカル環境という自由な選択肢が得られたことは非常に大きな進歩だと感じます。
特に、2026年4月のアップデートによりAIネイティブな体験が強化されたことで、今後はGitHub Copilot等の外部AIツールとSDKを組み合わせた、より高速な開発スタイルが主流になっていくでしょう。今後はVisual Studio CodeなどのServiceNow外のIDEからのより深い活用方法も整理してみようと思います。
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ServiceNow moves beyond the sidecar AI era, giving customers a complete AI-native experience across all products and packages ↩
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Build tag: glide-australia-02-11-2026__patch1-03-23-2026 ↩
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Authenticate to a ServiceNow instance using basic authentication with the ServiceNow SDK ↩







