先日、VCP-VCF 9.0 Administrator (VMware Certified Professional - VMware Cloud Foundation Administrator) に合格しました。
VMware Cloud Foundation (VCF) 9.0 のリリースに伴い、試験内容も刷新されています。今回は全2回の記事で、この新しい試験の概要と、私が合格のために活用した Hands-on Labs (HOL) について紹介します。
第一部となる本記事では、試験のスペックと、座学だけではカバーしきれない実技要素を補完するための「HOL活用リスト」を共有します。
VCP-VCF 9.0 Administrator (2V0-17.25) 試験概要
試験概要については以下のWebサイトから詳細を確認することができます。
従来のVCP-DCV試験などと同様の形式ですが、VCFという製品の特性上、カバー範囲が非常に広い点が特徴です。
- 試験名称: VMware Cloud Foundation Administrator
- 試験コード: 2V0-17.25
- 対象バージョン: VMware Cloud Foundation 9.0
- 出題数: 60問
- 試験時間: 135分
- 合格ライン: 300点
私はHOLを活用した結果なんとか400点を超えることができました。
試験範囲の広さ
VCFは、Compute (vSphere)、Storage (vSAN)、Network (NSX)、Management (Aria Suite / VCF Operations & Automation) を統合したプラットフォームです。そのため、試験範囲も SDDC Manager の操作だけでなく、これら構成要素すべての管理・運用に及びます。
また、VCF 5.2 とアーキテクチャー・コンセプトが大きく変わっている部分があり、VCF 5.2の知識だけで試験に臨むと撃沈する可能性があり、VCF 9.0のハンズオン経験はつけておきたいところです。
試験範囲の抜粋
以下はExam Study GuideからのVCP-VCF 9.0 Administrator (2V0-17.25) 試験範囲の抜粋です。
Section 1: IT Architectures, Technologies, Standards
Section 2: VMware Cloud Foundation Fundamentals
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Objective 2.1: Private Cloud Vision
- プライベートクラウドの原則、ユースケース、および価値提案の記述
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Objective 2.2: VMware Compute Fundamentals
- vCenterおよびESXのデプロイと構成
- vSphereクラスターの構成
- 仮想マシンのデプロイ、構成、およびvCenterを通じた管理
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Objective 2.3: VMware Storage Fundamentals
- vSphereストレージの構成
- VMware vSAN ESAおよびvSAN OSAのユースケースの記述
- vSANクラスターのデプロイおよびvSANストレージポリシーの構成
- vSANにおけるレジリエンス、データ可用性、およびスペース効率(Space Efficiency)の目的の特定
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Objective 2.4: VMware Network Fundamentals
- VCFネットワークコンポーネントの区別
- 仮想ネットワーキングファブリック、機能、接続、ルーティング、およびサービスの構成
Section 3: Plan and Design the VMware by Broadcom Solution
Section 4: Deploy, Configure, and Operate VMware Cloud Foundation (VCF)
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Objective 4.1: VCF: Deploy and Configure
- VCFデプロイメントのコンポーネントおよびデプロイメントモデルの特定
- VCFベースのプライベートクラウドのデプロイおよび必要な追加コンポーネントの記述
- VCF Network Gatewayおよびネットワーキングのデプロイ・構成
- Workload Domainのデプロイ、ストレージ構成、およびSupervisorの構成
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Objective 4.2: VCF: Manage
- VCF Operationsにおけるフリート管理(Fleet Management)機能の区別
- アイデンティティ管理、RBAC、ライセンス、証明書、およびパスワード管理の構成
- 既存のvCenterをVCFにインポートするためのタスクとプロセスの特定
- VCFのライフサイクル管理
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Objective 4.3: VCF: Operations
- VCF Network OperationsおよびVCF Operations (Logs)のユースケース、コンポーネント、デプロイオプションの記述
- メトリクスとプロパティの区別
- カスタムビュー、レポート、およびダッシュボードの作成・共有
- アラートの構成およびログイベントの監視
- VCFコンポーネント、ネットワーク、vSANストレージ、アプリケーション、セキュリティ、および構成ドリフト(Configuration Drift)の監視
- VCF Operationsポリシーの構成
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Objective 4.4: VCF: Consume and Automate
- VCF Automationのユースケース、コンポーネント、およびデプロイオプションの記述
- リージョン、マルチ組織テナンシー、各種ネットワーク(プロバイダー/組織)、プロバイダーコンテンツライブラリの構成
- 組織管理者としてのタスク実行、コンテンツの作成・管理、拡張性(Extensibility)を用いた自動化
- 組織ガバナンスポリシーの作成と管理
- Supervisorベースのサービスのデプロイ記述
試験の障壁?:英語試験のみ…
現在、この試験の言語オプションは 英語 (English) のみ です(2025年受験時点)。
技術用語は英語のままで問題ありませんが、シナリオ形式の問題(「要件Xを満たすために最適な設計はどれか」といった長文問題)では、英語の読解スピードが求められます。AWS の認定試験ほど文章は長くないので、ニュアンスがわかればなんとかなる問題が多く、同様の試験の経験があれば時間も足りないということにはならないとは思いますが、非ネイティブにとっては時間配分が鍵となります。
Exam Study Guide に推奨学習リソースがあるがとても高く受けられない。。
公式ガイドでは以下のコースの受講が推奨されていますが、調べてみたところ70万円以上したので断念しました。。
VMware Cloud Foundation: Build, Manage, and Secure
VMware Cloud Foundation: Automation and Operations
合格のためのHOL活用戦略
VCF の環境をクイックに用意して、試験範囲を網羅した経験を積むために私は、VMware Hands-on Labs (HOL) を活用しました。
試験では「特定のタスクをどのメニューから実行するか」「トラブルシューティングのフロー」など、実機操作の経験が問われます。以下に、私が実際に使用し、試験対策として有効だったHOLを6つ紹介します。
そもそも HOL とは?
先日HOLの概要と、登録手順をまとめたので是非こちらも参照ください!
1. プラットフォーム基礎と新機能の理解
Lab: What’s New in VMware Cloud Foundation 9.0 - Platform (HOL-2610-01-VCF-L)
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内容: VCF 9.0 のプラットフォーム概要、デプロイメント、管理ドメイン・ワークロードドメインの構成やVCFのデプロイの流れなどが学べます。このラボはガイド含め日本語表示もできました。
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試験とのアラインメント:
- VCFアーキテクチャの把握: 試験の基礎となる Management Domain / Workload Domain の構成要素、VCFの構成概念を理解できました。
- VCF 5.x との比較: このラボは、既存の VCF 5.x から何が変わったのか、アーキテクチャの変更点が明確に分かる構成になっています。従来バージョンの知識がある方こそ、その差分を効率よくアップデートできるため非常に有用でした。
- VCFのデプロイの流れ:VCF 9のデプロイ手順は試験でも問われる範囲です。
- ネットワーク: VCF 9.0 で強化されたマルチテナンシーとネットワーク分離は試験でも出る可能性が高いため、実機での設定手順を確認しておく必要があります。
2. 運用管理 (VCF Operations) の基礎
Lab: Getting Started with VCF Operations (HOL-2601-01-VCF-L)
VCF 9では、これまで製品ごとに分かれていた管理機能がVCF Operationsを軸とした共通コンソールに集約されております。試験範囲でもありますように、VCF Operationsに関する質問は多く出題されましたので、この理解を深めるのは必須と感じました。その概要をクイックに理解できるのがこのHOLです。
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内容: VCF Operations を使用した、キャパシティ管理、パフォーマンス監視、基本的なトラブルシューティングのフローを体験できました。
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試験とのアラインメント:
- ダッシュボード操作: 試験では「特定のアラートに対してどう対処するか」が問われます。UIのどこに何があるかを体で覚えるために利用しました。
- キャパシティ分析: リソース不足時の対応策など、Day 2 オペレーションの設問対策になります。
3. VCF 9.0 固有の運用機能
Lab: What’s New in VMware Cloud Foundation 9.0 - Operations (HOL-2610-03-VCF-L)
前述の通り、VCF 9においてVCF Operationsの理解は重要のため、こちらのHOLも同様に試しました。このラボはガイド含め日本語表示もできました。
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内容: VCF 9.0 で追加・変更された運用機能に特化しています。Diagnostic Findings(診断結果)の確認や、VCF Health(健全性)チェック、ネットワーク・ストレージの運用監視を扱います。
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試験とのアラインメント:
- Health Check: SDDC Manager と連携した健全性確認は VCF 管理者の主要タスクです。Diagnostic Findings の見方や重要度の判断基準を理解するのに役立ちます。
4. VCF Operations を使ったセキュリティとコンプライアンスのモニタリング
Lab: Monitoring Security Operations in the Private Cloud with VCF Operations (HOL-2601-15-VCF-L)
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内容: VCF Operations を使ったセキュリティ・コンプライアンス順守状況の監視、監査イベント(Audit Events)の追跡などが体験できます。
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試験とのアラインメント:
- セキュリティとコンプライアンス: Exam Guideにある「Monitor security hardening and compliance using VCF Operations」を詳しく学べます。Audit Eventsあたりの理解は重要と思いました。
5. VCF Automation の基本
Lab: Getting Started With VCF Automation (HOL-2601-21-VCF-L)
VCF AutomationもVCF Operationsほどではないですがそこそこ問題が出ていたように思います。
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内容: VCF Automation における、Organization(組織)の設定、サービスカタログの作成、利用者によるリソース消費(Consumption)の流れを体験できます。
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試験とのアラインメント:
- サービスカタログ: ユーザーへのリソース提供方法(カタログアイテムの作成から公開まで)は、VCFの「クラウド管理者」として試験でも問われます。
6. モダンアプリケーションと高度な自動化
Lab: Build Modern Applications Using Orgs For All Apps in VCF Automation (HOL-2601-24-VCF-L)
- 内容: ブループリント(テンプレート)を使用したモダンアプリケーションの展開や、高度なカスタマイズを扱います。
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試験とのアラインメント:
- テンプレート管理: 試験の難易度が高い問題として、ブループリントの構文やポリシー設定が出る可能性があります。実際にブループリントを触っておくことで、コードベースの設問への耐性がつきます。
個人的にはModule 1の「Introduction to the VCF Automation All Apps Organization」が理解を深めるのに役立ちました。
まとめ
VCP-VCF 9.0 Administrator は、製品知識だけでなく「実際にどう動くか」という運用視点が強く求められる試験です。英語試験というハードルはありますが、ドキュメントの丸暗記よりも、HOL で操作フローを脳に焼き付けるアプローチが合格への近道だと感じました。
今回紹介したHOLの中でも1つ目〜4つ目は特に押さえておくべき内容が多く含まれており、VCF 9を触ったことがない方は是非理解を深めるために操作されることをお勧めいたします!










