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GAOGAOAdvent Calendar 2019

Day 2

[iOS] 最新のSpeech Recognitionについて

Last updated at Posted at 2019-12-01

はじめに

iOS10から利用できるようになった音声認識API: Speech FrameworkについてのWWDC2019でアップデートがあったので最新事情をサンプルとともにお届けします。

APIに関する導入の詳細はiOSのSpeechフレームワークで音声認識 - 対応言語は58種類! - Qiitaをご覧ください。

WWDC2019のセッション内容

WWDC2019のセッションAdvances in Speech Recognition - WWDC 2019 - Videos - Apple Developerの内容を見ていきます。

サマリーとしては、

  1. macOSでのサポート
  2. デバイス上で動作可能に
  3. API強化のおかげで、豊富な音声分析ができるように

です。

macOSでのサポート

このサポートは、MacのAppKitアプリとiPadアプリの両方で利用できます。
iOSと同様に、50以上の言語がサポートされており、マイクにアクセスして音声を録音するには、ユーザーの承認が必要です。
また、ユーザーはSiriを有効にする必要があります。

デバイス上で動作可能に

表題の通りローカル環境のみで動作するようになりました。
ネットワーク通信の必要がなくなり、データがAppleに送信されないため、よりプライバシーにも配慮してアプリ開発をすることができます。
しかし、トレードオフとして

  • 精度の差異
    • 継続的な学習を行なっているためサーバを通した方が優れている。
  • リアルタイム性
    • ローカル実行すると遅延が少ない
  • 制限
    • ネットワーク通信ではリクエスト数と音声の長さを制限
    • ローカルでは無制限
  • 10の言語のみ対応
    • English, Spanish, Italian, Brazilian Portuguese, Russian, Turkish, Chinese

など、それぞれで問題点もあり、導入には要検討、と言ったところでしょうか。
特に、日本語対応していないのはかなり辛いですね。 :cry:

実装としては、SFSpeechRecognizerのインスタンスのsupportsOnDeviceRecognition(iOS13+)でローカルに対応しているかを確認して、SFSpeechAudioBufferRecognitionRequestなどのリクエストに生えたrequiresOnDeviceRecognitionをonにするだけです。

if speechRecognizer.supportsOnDeviceRecognition {
    recognitionRequest.requiresOnDeviceRecognition = true
} else {
    // do something    
}

Advances in Speech Recognition - WWDC 2019 - Videos - Apple Developerの冒頭で手元で検証してみたところ下記のようになっており、トランスクリプトと比べてみました。再現環境にもよるかもしれませんが、どちらにしても正確さに欠けるかなと言う印象です。
サーバ通信の方は、最初のSEを無理やり言語化しようとしてしまったみたいですし。。

トランスクリプト
Hi. I'm Neha Agrawal, and I'm a software engineer working on speech recognition. In 2016, we introduced the Speech Recognition framework for developers to solve their speech recognition needs. For anyone who is new to this framework, I highly recommend watching this Speech Recognition API session by my colleague Henry Mason.

ローカル サーバ通信
IMG_4885.PNG IMG_4886.PNG

豊富な音声分析について

Speech RecognitionがiOS10で提供が始まってからは、

  • 書き起こし(Transcription)
  • 代替解釈(Alternative interpretations)
  • 信頼度(Confidence levels)
  • タイミング情報(Timing information)

が結果として帰ってきていました。

iOS13からは新たに以下の結果も返してくれるようになりました。

  • 速度(Speaking rate): 人が1分あたりの単語で話す速さ
  • 平均休止時間(Average pause duration): 単語間の平均休止時間
  • 音声解析機能(Voice Analytics features): より高度で専門的な解析
    • Jitter: 音声のピッチの変化
    • Shimmer: 音声の振幅の変化
    • Pitch: トーンの高低
    • Voicing: スピーチの中で発生した領域(?)

下記のように、recognitionTaskメソッドの結果からアクセスすることができます。


if let result = result {
    
    let formattedString = result.bestTranscription.formattedString
    let speakingRate = result.bestTranscription.speakingRate
    let averagePauseDuration = result.bestTranscription.averagePauseDuration

    for segment in result.bestTranscription.segments {
        let jitter = segment.voiceAnalytics?.jitter.acousticFeatureValuePerFrame
        let shimmer = segment.voiceAnalytics?.shimmer.acousticFeatureValuePerFrame
        let pitch = segment.voiceAnalytics?.pitch.acousticFeatureValuePerFrame
        let voicing = segment.voiceAnalytics?.voicing.acousticFeatureValuePerFrame
    }
}

おわり

以上、Advances in Speech Recognition - WWDC 2019 - Videos - Apple Developerの内容に沿ってお届けしました。

分析のJitterやShimmerといった専門領域に踏み込めなかったので、より詳細な解説はどなたかにお譲りしたいと思います。分かりやすい記事が読みたい...!
また、Voicingが何をあらわすかもまだよくわかっていないです。。

サンプルコードはgithub.com/mtfum/SpeechSamplerに置いておきますのでご覧くださいませ。

お読みいただきありがとうございました。

参考

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