はじめに
2025年は生成AIの成長や多種多様なコーディングAIなどの登場により、開発フローに組み込まれることも珍しくなくなってきました。
これらのツールはAWSのBedrockやGoogle CloudのVertex AIといったクラウドのAIサービスを通して利用されるケースも多いと思います。
しかし、上記のケースで開発フローへ取り込んだ際に細分化したコスト確認ができず、管理が難しくなるという課題があります。
そこで今回はBedrockがどのぐらい利用されたのか細分化して可視化できるようにしてみようと思います。
どのように可視化するか
今回は以下の方法を用いて可視化します。
- Bedrockのアプリケーション推論プロファイルでタグを付与する
- Cost Explorerで付与したタグを可視化する
アプリケーション推論プロファイルを作成する
今回は以下の粒度で可視化を行うため、それぞれに対応したアプリケーション推論プロファイルを作成します。
- 利用モデル
- 利用チーム名
- ツール名
アプリケーション推論プロファイルについては以下の公式ドキュメントが参考になります。
作成したアプリケーション推論プロファイルを使うことでBedrock呼び出しに対してタグが付与することできるようになります。
2025年12月現在、推論プロファイルはコンソール経由では作成できずBedrock APIを利用して作成する必要があります。今回はCloudFormationを利用して作成します。
CloudFormationテンプレート
以下はアプリケーション推論プロファイルを作成するCloudFormationテンプレートです。
AWSTemplateFormatVersion: '2010-09-09'
Description: 'Bedrock Application Inference Profile'
Parameters:
ModelId:
Type: 'String'
Description: 'Bedrock Model ID'
ModelName:
Type: 'String'
Description: 'Bedrock Model Name'
TeamName:
Type: 'String'
Description: 'Team Name'
ToolName:
Type: 'String'
Description: 'Tool Name'
Resources:
BedrockApplicationInferenceProfile:
Type: 'AWS::Bedrock::ApplicationInferenceProfile'
Properties:
Description: !Sub 'Inference profile for ${TeamName} ${ToolName} ${ModelName}'
InferenceProfileName: !Sub '${AWS::StackName}-${TeamName}-${ToolName}-${ModelName}'
ModelSource:
CopyFrom: !Sub 'arn:${AWS::Partition}:bedrock:${AWS::Region}:${AWS::AccountId}:inference-profile/${ModelId}'
Tags:
- Key: 'ModelName'
Value: !Ref ModelName
- Key: 'TeamName'
Value: !Ref TeamName
- Key: 'ToolName'
Value: !Ref ToolName
BedrockApplicationInferenceProfileArn:
Description: 'Bedrock Application Inference Profile Arn.'
Value: !GetAtt BedrockApplicationInferenceProfile.InferenceProfileArn
スタックのパラメータにはモデルや可視化したい情報を設定します。
- ModelId: Bedrockで確認できるモデルID。
global.anthropic.claude-sonnet-4-5-20250929-v1:0など - ModelName: 利用したいモデル名。
Claude Sonnet 4.5など - TeamName: 利用するチーム名。
SREなど - ToolName: ツール名。
Claude Code Actionなど
テンプレートをデプロイした後、CloudFormationスタックの出力欄に推論プロファイルのARNが表示されます。
こちらを確認し、ツール側のモデルIDまたはプロファイルの指定を変更します。
Cost Explorerで可視化する
付与したタグはCost Explorerから可視化できます。今回は以下の設定で確認してみます。
- 粒度: 日別
- ディメンション: Tag > TeamName
- フィルター
- サービス: Bedrock を含むサービス名をフィルタ
- 料金タイプ: Usage
実際に可視化すると、チームごとのBedrock利用量が以下のように日次で表示されます。
また、今回の例ではチーム別での利用量を可視化しましたが、ディメンションを変更することでモデル別やツール別に可視化することも可能です。
おわりに
以上、今回はBedrockのアプリケーション推論プロファイルを使ってチームごとの利用量の可視化を行いました。
Bedrockで利用量を可視化されたい方の参考になれば幸いです。
