はじめに
前回の記事から1年以上経過してしまいましたが、ふりかえりの手法を実践してみた記事を復活させます。
(前回の記事はこちら)
今回は「Shooting Star」を実践してみたので、こちらの手法について書いてみたいと思います!
この記事はTDCソフト株式会社Advent Calendarの10日目です。
https://qiita.com/advent-calendar/2022/tdc
Shooting Starとは?
Shooting Starはふりかえりの対象期間について、どんな期間だったかを「天気」で表します。天気の表し方は人それぞれ自由です。
その後にチーム全員の天気を更に良くするためにはどうしたらいいか?という観点でカイゼンのためのアイデアを出していきます。
参考にした書籍・サイト
tweeeety@メルカリさんの書いたこちらの note 記事を参考させていただきました。
どのように進めたか
先ほどの記事を参考に以下のように進めました。時間は5人で進めたときの時間ですので、もしこちらを参考にする場合はご自身のチームに合わせて時間を調整してください
- 今日のふりかえりの説明|5~10分
簡単に手法と流れについて説明します。 - 天気描き|5分
Weatherボードという天気を書くボードを用意して、メンバーごとに対象期間がどうだったか天気の絵を描いてもらいます。 - 天気の共有|10分
それぞれなぜその天気を書いたのか簡単に説明して共有してもらいます。(1人MAX2分) - みんなの天気を良くするアイデア出し|10分
天気を書くときより多めに時間を確保して、少しでもみんなの天気を良くできそうだと思ったアイデアをどんどん出していきます。 - アイデアの共有|10分
どんなアイデアを書いたか簡単に説明していきます。 - 実際に取り組むアイデアを決定する|15分
決め方は自由ですが、誰かの意見を採用するのではなく、チーム全員の総意で決めましょう。どうしても意見が合わないときは「ドット投票」等を採用してアイデアを選定するのもありです。
事前準備
オンラインホワイトボードツールである Miro を用いて行いました。
天気を描くWeatherボードとアイデアを出すstarfishボードを用意しました。
天気を描くエリアは個人単位で書けるようにして、starfishボードはチームで共通で5つの要素を書くエリアを用意しました。
(詳しくは戦術のnote記事をご覧ください)
実際のふりかえりボード
こちらは9人で実施したときのWeatherボードですが、よく見ると天気じゃないものも...?
なぜ Shooting Star をやってみようと思ったか?
1. 他にはあまりなかった絵を描くふりかえりだったから
これまでいくつかのふりかえり手法を実際にやってみましたが、付箋に出来事など文字を書いてそれを共有するというのがスタンダードな形でした。出来事の共有に「絵を描く」というのが他のふりかえり手法にはない独特なポイントだと思い、純粋に面白そうだなと思いやってみることにしました!
2. 楽しそうな雰囲気を作りやすそうだった
1の内容と重複してしまいますが、「絵を描く」ということがこのふりかえりに楽しさを生み出してくれそうな予感がしました。
私はふりかえりをファシリテートするとき、「楽しい」「明るい雰囲気」を作ることを心掛けています。
そういう意味でこのふりかえりはその楽しくて明るい雰囲気が作りやすそうだなと思ったのも選んだ理由です。
Shooting Starをやってみた感想
1. 絵を手書きで書くからメンバーの個性が出て楽しい!
進め方に明記しませんでしたが、私のチームでやったときは天気を手書きで書いてくださいとルールを設けていました。
理由は大きく2つあって、1つは絵文字等よりも手書きの方が天気を柔軟に表現しやすいのと、もう1つが絵に個性が出て面白いからです。
絵に自信がない人でも、天気くらいだとそこまでハードルの高さを感じずに描けますし、みんなの描いた絵からコミュニケーションが生まれて楽しい雰囲気になります。
例えば、すごい晴れているのに同時に土砂降りの雨が降っている絵を描いている人がいて「何があった!!」とみんながツッコんだり、太陽や雲などに表情を描く人もいて、「この天気かわいいね」など自然と何気ない会話を生み出すことができました。
2. 準備が簡単(ホワイトボードなど書けるものがあれば出来てしまう)
やること自体かなりシンプルですし、準備するものもホワイトボートや紙そしてペンといった書くものがあれば始めることができるのも大きな利点でした。
ファシリテーターの準備も少なく済みますし、説明自体も「その期間についてどうだったか天気を書いて表してください!」と「全員の天気を良くするには何ができるでしょう?」というシンプルな問いかけで進めることもでき、大きな混乱もなくふりかえりを進めることができました。
3.「自分」ではなく「みんな」の天気を良くするアイデアを出すところ
カイゼンの視点が個人ではなくチームにちゃんと向けられているところも良いポイントだと思いました。
例えば自分自身が晴れを書いたとしても、他メンバーが雨や曇りだった場合はその人たちの天気も晴れにするにはどうすればいいだろう?と考えることもできます。
また、いい天気を次の期間もいい天気のままであり続けるためのアイデアを考えることも重要です。
何もせずにいい天気(状態)が続く訳ではありませんし、いい天気を作り出すことができた要因をふりかえってそれを更に良くするアイデアを出すこともとても重要なので、その辺は意識して声掛けをしました。
まとめ・最後に
Shooting Starは楽しい雰囲気で進められるふりかえりだと思います。
なかなか普段絵を描く機会自体少ないですし、そういう点からもすごく楽しめるふりかえりじゃないかな?と感じています。
また、毎日のふりかえりもすごく使いやすいのでは?と思っています。天気が毎日違うようにメンバーがそれぞれ感じることも毎日違うはずなので、そんな毎日の状況を知りやすくするという意味でもこのふりかえりは使いやすいなと感じました。