はじめに
私はスクラムのイベントの一つであるレトロスペクティブを通じて、ふりかえりがチームにもたらす効果と手法の多さ、そしてその手法一つ一つがもたらす効果が違うことに気づくことができました。
この効果やふりかえりの楽しさをチームメンバーにも共感してもらいたく、毎週のふりかえり手法を変えてみようとしています。
ただ、チームに閉じたアクションにするのももったいないので、その手法をやってみた感想などを記事にすることで、 1 人でも多くの人に「ふりかえりをやってみたい!」とか「楽しそう!」と思ってもらえたらいいなと思い、実際にやってみたふりかえり手法について Qiita 記事にしてみることにしました。
記念すべき第 1 回目は「熱気球」です!
このふりかえり手法について
チームが乗っていると例えた熱気球をホワイトボードに描き、その熱気球が
- 高く飛ぶための上昇気流となった要因
- 飛ぶのに妨げになった荷物となった要因
- 今後飛ぶのに影響が出そうな雲となる要因
の3つの観点からチームの状況を可視化し、今後更に高く飛ぶためのアイデアを出し合う方法です。
参考にした書籍・サイト
ふりかえりエバンジェリストである 森 一樹さんの著書「アジャイルなチームをつくる ふりかえりガイドブック 始め方・ふりかえりの型・手法・マインドセット」とこちらの note 記事を参考にさせていただきました。
タイムテーブル
- 前回アクションのふりかえり:10分
- 今回レトロ(熱気球) & miro の説明:10分
- 「上昇気流」付箋出し:5分
- 「上昇気流」の共有:7分
- 「荷物」付箋出し:5分
- 「荷物」の共有:7分
- 「雲」付箋出し:5分
- 「雲」の共有:7分
- 熱気球をより高く飛ばすためにフォーカスしたいものの決定 & アクション出し:20分
事前準備
miro を用いてチーム全員がアクセスできるホワイトボードを用意しました。
そのホワイトボードの中心にはチームが乗っていると例えた熱気球を描いておきます。
実際のふりかえりのホワイトボード
※オープンにできない情報も多いのでモザイクを掛けてます
ふりかえりの流れ
まず、このふりかえりについての説明とチームで miro を使うのが初めてだったメンバーもいたので、簡単に miro の使い方を説明しました。
その後実際にふりかえりを進めていきます。
まずは赤い付箋でこの気球が高く飛べる要因となった「上昇気流」を書いてもらいました。付箋を出したあとはチームで何を書いたか共有・深堀りをしていきました。
その次に気球が飛ぶのに妨げになった「荷物」、今後飛ぶのに妨げになりそうな「雲」についても同様に青と白で付箋出しと共有・深堀りをしていきます。
それらが終わったら、次はこの気球が今後更に高く飛ばすために勢いをつけたい「上昇気流」と取り除きたい「荷物」「雲」をチームで話しながら選択します。
そしてその選択したものについて、どうしたら「上昇気流」の勢いをつけられるか、どうしたら「荷物」「雲」を取り除くことができるかチームでアイデアを出し合い、実際のアクションプランを決定しました。
ふりかえりをやってみた感想
代表的な KPT など他の手法と比べて、「雲」という今後チームの妨げになりそうなものを共有し、それに対するアクションを決めるというのは非常に特徴的だと感じました。チームが前進していく上で今後のリスクについてチームで共有し、それについてアクションを起こしていくのはすごくいい取り組みだと感じています。
また、気球の上昇というチームが前進する様子を例えられているのも、自分たちが前進している実感を得られる要素になるのがすごくいいと思いました。
今後のカイゼンとして挙げるのであれば、ただ付箋を共有するのではなく、メンバーで気球が上昇していく様子のイラストを描きながらふりかえりができれば、もっとこのふりかえりが楽しく感じることができたなと感じています。
最後に
今回は「熱気球」をやってみましたが、個人的にはすごく気に入ったふりかえり手法になりました。
文中に紹介した森さんの著書によると帆船やスピードカー、ロケットというメタファで同様に実施することもでき、このメタファを変えるだけで同じテーマでも別の結果が生まれるとのことだったので、次は変えてやってみようと思います!