「Azure OpenAI Service を活用して本気でビジネスを変えたい」――そんな熱い思いを持ったエンジニアやビジネスパーソンが集うコミュニティの祭典,「AOAI Dev Day」がついに大阪で開催された.
昨年の東京開催の大盛況を受け,「ぜひ大阪でも!」という声にお応えする形で,今回はNTT西日本のオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」を会場とした.会場には関西の方も多く参加いただいており,主催者の一人としても,会場運営側としても,有意義な一日となった.
イベント概要
- 開催日: 2025年12月5日(金)
- 場所: QUINTBRIDGE(大阪・京橋)
- イベントページ: AOAI Dev Day Osaka (Connpass)
NTT西日本の共創の場である「QUINTBRIDGE」について
今回,会場として皆さまをお迎えした QUINTBRIDGE(クイントブリッジ) について,少し紹介したい.ここはNTT西日本が運営する,企業・スタートアップ・自治体・大学などが集まり,「業界・地域・立場を超えた共創(オープンイノベーション)」 を起こすための施設である.
私たちが大切にしている「Self-as-We」
QUINTBRIDGEでは 「Self-as-We(我々としての私)」 という理念を掲げている.
「私(I)」の利益だけを追求するのではなく,「私たち(We)」のウェルビーイングの中に「私」の幸せがある.
今回のイベントは,まさにこの理念を体現するものだった.会社や立場の垣根を超えて技術知見をシェアし,全員で成長する.そんなコミュニティの熱気が,私たちの施設で生まれたことを本当に嬉しく思う.普段から会員の皆様と大切に育ててきたこの場の空気が,初対面の参加者同士の会話を後押しできていれば幸いである.
初めての試みの大阪開催の熱量は最高潮!
オープニングで登壇席から会場を見渡したとき,参加者の皆さんの「学びたい!」「交流したい!」という真剣な眼差しに圧倒された.今回のテーマは,トレンドど真ん中の 「AIエージェント」 や 「AI駆動開発」 である.一方的なセミナー形式ではなく,QUINTBRIDGE 2階のキッチン前という少しラフな空間でのMeetup形式にしたことで,登壇者と参加者の距離がぐっと近くなり,一体感のあるイベントになった.
登壇内容
1. 数理最適化とLLMの融合,そしてCopilot Studioの実践
Masahide TAKASUKA / Takahiko YONETSU(NTT西日本)
「数理最適化のAIエージェントを作ってみた話」&「社内問合せ対応の省力化・自動化に向けたエージェント構築」
トップバッターは,私(高須賀) と社内の生成AIを推進するチームに所属している米津が担当した.前半は私が「数理最適化 × LLM」という少し専門的なテーマで話し,後半は米津がCopilot Studioを使った社内実践事例を紹介した.
「数理最適化」というニッチなテーマで引かれないか心配したが,皆さん非常に熱心に聞いてくださった.「LLMがインターフェースになることで最適化計算が身近になる」という一番伝えたかった点が響いたようで,懇親会でも多くの質問をいただき嬉しかった.米津のパートも「Copilot Studioの実践として参考になる」と好評であった.
自社施設での開催ということで気合が入ったが,それ以上に,技術的なチャレンジを面白がってくれる参加者の皆さんの温かさに救われた.理論だけでなく,「実際にやってみた」という泥臭い部分こそ,コミュニティで共有する価値があるのだと再確認した.
2. AI時代の開発フローとセキュリティ
kkamegawa 氏(Microsoft MVP)
「AI時代の開発フロー Ignite最新情報を添えて」
続いては,長年コミュニティを牽引されている Microsoft MVP の kkamegawa さん.先日開催された Ignite の最新情報を織り交ぜつつ,AI時代における開発フローやクラウドセキュリティの重要性について解説された.
最新情報のキャッチアップスピードはさすがの一言.AIの機能だけでなく,それを支える「足回り」の重要性を説く kkamegawa さんの存在は本当に貴重である.基本を大切にしつつ,新しい波に乗る姿勢は,私も参考にしたいきたい.
3. 市民開発者が切り拓くAI活用
りなたむ (中村 亮太) 氏(株式会社 BizOptimars / Microsoft MVP)
「市民開発で AI Builder を活用するメリット」
「市民開発」の重要性を発信し続けている Microsoft MVP のりなたむさん.Power Platform と AI Builder を活用することで,非エンジニアでもAIを活用した業務改善ができることを,鮮やかなライブデモとともに語られた.
エンジニアだけでなく,ビジネスサイドの参加者も前のめりになっていた.QUINTBRIDGEも多様な会員様がいらっしゃるので,「市民開発」というキーワードは非常に親和性が高いと感じた.ツールを導入する上で「楽」と「建前」をバランスよく両立させるためにAI をうまく使いこなす重要性を強く感じた.
4. スタートアップ × AIエージェントの最前線
Satake YUSUKE 氏(日本マイクロソフト)
「Startups×AI Agentの最新の取り組み」
マイクロソフトのスタートアップチームであり,ご自身も経営者である佐竹さん.スタートアップがいかにスピード感を持ってAzureやGitHubを活用し,AIエージェントをビジネスに組み込んでいるか,その最前線の事例をシェアされた.
スタートアップに関するMicorsoft の手厚いサポートは,もっとより多くの人が認知するとよいと強く感じた.その一助として,QUINTBRIDGE も仲介する形で参画できれば,スタートアップ企業,Microsoft,そしてNTT西日本という強固な三角関係が形成できるため,内部で問い合わせてみようと思う.これが成功すれば,結果的にNTT西日本をはじめとする多くの企業にとっても,より多くのビジネスチャンスが生まれることになる.
5. デモで体感する GitHub Universe
Maki Nagase 氏(ゼンアーキテクツ / Microsoft MVP)
「デモ中心でGitHub Universe Recap!」
AzureやGitHubコミュニティでおなじみの Microsoft MVP まきさんによる,デモ中心のセッション.GitHub Universe で発表された新機能を,実際の画面で見せてくれるスタイルは圧巻だった.特に生成コードの品質を担保する Code Quality のデモは,開発者として見入ってしまった.
やはりライブデモは盛り上がる.「おお~!」という興奮の声がリアルに聞こえてきた.百聞は一見に如かず.実際に動いているところを見ると,技術の進化を肌で感じられる.特にコード品質の担保という「守り」の部分までAIがサポートしてくれるのは,実務においても非常に心強いと感じた.
6. Microsoft Agent 365 を速習!
Kazuyuki Sakemi 氏(主催 / 株式会社プログライブ コンサルティング)
「Microsoft Agent 365 を 30 分でなんとなく理解する」
ラストを飾るのは,本イベントの主催者であり,共に企画を進めた酒見さん.複雑な「Microsoft Agent 365」の概念を,30分で「なんとなく(でもしっかりと)」理解させてくれる手腕はさすがだった.
「Agent 365,概念が難しかったけど整理できた!」「これからの業務スタイルの変革を感じる」といった声が聞かれた.長時間のイベントの最後でも,皆さんの集中力は途切れていなかった.「Agent」という言葉がバズワード化しているが,Microsoftのエコシステムの中でどう動くのかがスッキリ整理された.これから間違いなく来る「AIエージェント時代」への予習として,最高の締めくくりであった.
今回のサマリー
今回の AOAI Dev Day Osaka を通して強く感じられたのは,AIが単なるツールを超えて,「エージェント(代理人)」として業務プロセスに深く入り込み始めているという現実だ.そして,QUINTBRIDGEの「Self-as-We」の精神のように,こうした知見を共有し合える仲間がいることの心強さを実感した.QUINTBRIDGEの開放的な空間で,登壇者も参加者も熱量が高く,ネットワーキングタイムでも大盛り上がりであった.
共催の酒見さん,運営スタッフの皆さん,そしてご来場いただいた全ての皆さま,本当に感謝を申し上げたい.NTT西日本としても,QUINTBRIDGEとしても,こうして大阪の地でエンジニアコミュニティの活性化の一助となれて本当によかった.
次回に向けて
「大阪のコミュニティも熱いぞ!」ということが多くの人に伝えられた一日となった.QUINTBRIDGEでは,今後もこうした技術イベントや共創イベントを積極的に開催・支援していく.今回参加できなかった方も,ぜひ一度遊びに来てほしい.
また皆さんと,ここ大阪で「最先端」を語り合える日を楽しみにしています!


