今回はSavingsPlansの概要、試算から購入までの手順を紹介します。
※以降SavingsPlansはSPsと記載します。
AWS SavingsPlansとは?
予め利用する金額(USD/時間)をコミットすることにより最大72%の割引が受けられます。
特定期間(1年または3年)利用する前提で月額利用料が割り引かれます。
※コミット額に到達しない場合でも必ず支払いが発生します。
※キャパシティ予約はされません。オンデマンドキャパシティ予約を割り当てている環境でも購入したSavings Plansが適用されます。
つまり...
1年または3年の縛りはありますが、事前に購入することでオンデマンド料金より安価に利用できる可能性があるというサービスです。
※SPsを購入することで必ずしも安くなるというわけではありません。
※インスタンスの稼働率によってはオンデマンド料金の方が安価になる場合があるため購入前に試算することを推奨します。
EC2の場合、SPs購入は2種類から選択が可能
まとめると...
SPsタイプ | 適用範囲 | 割引率 |
---|---|---|
Compute SavingsPlans | 購入後の変更可能 | 低め |
EC2 Instance SavingsPlans | 指定した条件のみ適用 | 高め |
支払い方法 | 支払い時期 | 割引率 |
---|---|---|
全額前払い | 購入時に全額支払い | 高め |
一部前払い | 購入時に半分、残りは毎月支払い | 中くらい |
前払いなし | 毎月支払い | 低め |
①実際に試算してみましょう
試算する際は、AWSのサイトに記載の試算ツールまたは、AWS Pricing Calculatorを利用してみてください。
今回はAWSサイトに記載の試算ツールを利用していきます。
(例)m5.xlarge
インスタンス | OS | リージョン | テナンシー | 期間 | 支払い |
---|---|---|---|---|---|
m5.xlarge | Linux | 東京 | 共有 | 1年 | 全額前払い |
Compute SavingsPlansの試算結果
- SPs料金
- 時間単価:USD0.185
- 年額 :USD0.185×730h×12mos=USD1620.6
- オンデマンド料金
- 時間単価:USD0.248
- 年額 :USD0.248×730h×12mos=USD2172.48
- 削減率:25%
※1か月=約730hと想定
※12mos=12か月
EC2 Instance SavingsPlansの試算結果
- SPs料金
- 時間単価:USD0.146
- 年額 :USD0.146×730h×12mos=USD1278.96
- オンデマンド料金
- 時間単価:USD0.248
- 年額 :USD0.248×730h×12mos=USD2172.48
- 削減率:41%
※1か月=約730hと想定
※12mos=12か月
このようにしてSPsの時間単価や年額を試算することができます。
■AWSサイトの試算ツール
引用:
https://aws.amazon.com/jp/savingsplans/compute-pricing/
■AWS Pricing Calculator(CPU、メモリ、EBSなどを含めたい場合はこちらを利用します)
引用:
https://calculator.aws/#/
②AWSコンソールにて購入してみましょう
1.AWSコンソールにログイン
2.[Billing and Cost Management]の[Savings Plansの購入]をクリック
3.購入画面に以下の購入情報を記載する
・SPsタイプ(Compute SavingsPlans/EC2 Instance SavingsPlans)
・期間(1年/3年)
・時間単位のコミットメント
・支払いオプション(前払いなし/一部前払い/全額前払い)
・開始日(日時指定の予約購入が可能)
4.購入内容を確認後、[カートに追加]をクリック
5.すべての購入内容に問題がなければ[注文書の送信]をクリック
【補足】
・SPsタイプが同じであればコミット額合計での購入が可能です。
・開始日時の設定を行う際はUTC(協定世界時)で設定してください。
最後に
AWS利用料のコストの最適化を検討されている方、ぜひSPsの購入を検討してみてはいかがでしょうか。