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Vue.js の inheritAttrs に関する大きな勘違い

Last updated at Posted at 2019-12-12

はじめに

Vue コンポーネントには inheritAttrs というディレクティブがあります。

直訳すると 「属性を引き継ぐ」

まず簡単な例を示します。Vuetify.jsv-btn をラップしたボタンを作ってみましょう。

  • クリックすると消滅する DismissibleButton を作ります。
  • 消滅するまでの時間をミリ秒で timeout で指定できるようにします。
DismissibleButton.vue
<template>
  <v-btn v-if="visible" @click="hide">
    <slot />
  </v-btn>
</template>

<script>
  export default {
    props: {
      timeout: {
        type: Number,
        default: 0,
      },
    },
    data() {
      return {
        visible: true,
      };
    },
    methods: {
      hide() {
        setTimeout(() => {
          this.visible = false;
        }, this.timeout);
      },
    },
  };
</script>
使用側
<dismissible-button :timeout="1000">Click Me</dismissible-button>
  • スロットとしてボタンテキストを受け取り,それをそのまま <v-btn> に受け流し。
  • 可視性の制御を加えるちょっとした実装を書きました。

inheritAttrs の動作

ではここで,

<v-btn>to プロパティと nuxt プロパティを渡したい!」

というニーズが発生したとします。

ここで挙げられている解決策の

<v-btn to="/path/to/link" nuxt>リンク</v-btn>

これですね。これをラップした <dismissible-button> において,できるだけ再利用性の高い形で <v-btn> に受け流します。

<dismissible-button :timeout="1000" to="/path/to/link" nuxt>リンク</dismissible-button>

このような使い方をすることを考えます。

true のとき (デフォルト)

何も指定していないときはこれが適用されます。

上記の場合 component B は展開されると

<div color="red" type="number">{ color: 'red', type: 'number' }</div>

という html を出力します。

component B に props が定義されていない属性を与えるとデフォルトでは生成されるルートの要素に属性が追加されます。

これを読んだ僕は,このようなレンダリング結果を期待しました。

<v-btn> がコンポーネントのルート要素だから,勝手にそこに引き継いでくれる!!!

と。

期待した結果
<template>
  <v-btn v-if="visible" @click="hide" :to="to" :nuxt="nuxt">
    <slot />
  </v-btn>
</template>

でも実際はそこに展開されず,なんと <v-btn> より更に下のHTML要素の <button> に渡っていまっていました…

実際の結果
<button to="/path/to/link" nuxt=""></button>

こういうことなのだ…
(この図を目に焼き付けて帰ってください)

勘違い

端的に言葉で表現すると

inheritAttrs で下位コンポーネントに流すと『props として定義されていたら $props に流す』という処理をスキップして全部 $attrs に流す」

ということになります。これは初見殺しだ…

false のとき

inheritAttrs: false にすると,暗黙的な受け流しは行われなくなります。**明示的に v-bind で受け流した場合は $props に流すかどうかの判定が行われますが,**自分でその処理を書く必要があります。

DismissibleButton.vue
<template>
  <v-btn v-if="visible" @click="hide" v-bind="$attrs"> <!-- ← これを追加! -->
    <slot />
  </v-btn>
</template>

<script>
  export default {
    inheritAttrs: false, // ← これを追加!
    props: {
      timeout: {
        type: Number,
        default: 0,
      },
    },
    data() {
      return {
        visible: true,
      };
    },
    methods: {
      hide() {
        setTimeout(() => {
          this.visible = false;
        }, this.timeout);
      },
    },
  };
</script>

v-bind="$attrs" に関して説明すると,以下の2つの記述は等価となります。

<v-btn v-if="visible" @click="hide" v-bind="$attrs">
<v-btn v-if="visible" @click="hide" :to="$attrs.to" :nuxt="$attrs.nuxt">

実際には $attrs はこれに限らないので,数が増えても自動的にすべて受け流される v-bind="$attrs" が優秀だと言えますね。

まとめ

大事なことなのでもう一度。`

  • inheritAttrs はすべて $attrs に流す
  • 明示的に v-bind="$attrs" で流すと $props$attrs の振り分けが行われる

基本的に inheritAttrs: true にはあまり頼らないほうがいいのかもしれませんね…

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