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ProxmoxVEのセットアップと利用

Last updated at Posted at 2018-08-24

0. はじめに

自宅で複数のサーバー環境を使用するため、ProxmoxVEを使用した仮想マシンをセットアップする(メモ)。

1. ハードウェアの準備

  • Linux機、Windows機を含めて5つくらいのゲストOSを想定したハードウェアとした。

| 種類 | 製品名 | 備考 |
|:--|:--|:--|:--|
| ベアボーン | Shuttle スリム型ベアボーン DH270 | メーカー製品ページ
音と熱を心配していたが、静かで熱も低く一安心。
CPUグリスは標準添付でなくナノダイヤモンドグリスを別途購入。 |
| CPU | Intel CPU Core i5-7600 | メーカー製品ページ
ボードに合わせて、ソケット:LGA1151、TDP:90W以下。 |
| メモリ | Kingston ノート用メモリ DDR4-2400 (PC4-19200) 16GB
CL14 1.2V Non-ECC SODIMM | Amazon商品ページ
ボードに合わせてノート用。 |
| SSD | WD 内蔵SSD M.2-2280/512GB/WD Black/PCIe Gen3 NVMe | Amazon商品ページ
ボードに合わせてPCIe接続 M.2-2280。 |

  • ディスプレイはHDMIで繋いでテレビ(50インチのコンソール!)で代用。マウス、キーボードは適当に調達する。
  • ProxmoxVEのインストール用に1GB以上のUSBメモリを用意する。

2. 仮想環境の構築

Proxmox VE 5.2(Webインターフェースを持つ仮想アプライアンス)を使用し、ハイパーバイザーはKVMを選択した。

2.1. インストール用USBメモリを作成

USBメモリでのインストールを行う。
※ DVDメディアを想定していたが、ベアボーンがDVDドライブ(AppleのSuperDrive)を認識しなかったため。

以下の作業はmacOSで行う。

  1. インストール用isoイメージをダウンロード
  2. USBメモリーへのisoイメージ書き込み
    ※ ディスクユーティリティでのフォーマットに失敗したためコマンドラインから実施。
    1. USBメモリの接続状態を確認。

      $ diskutil list
      → USBメモリーの認識先を確認(例:/dev/disk1)
      
    2. isoイメージをUSBメモリに書き込む。
      ※ ddコマンドは書き込み先を誤ると危険のため注意。

      アンマウント(例:/dev/disk1)
      $ diskutil unMountDisk /dev/disk1
      
      書き込み(例:/dev/disk1)
      $ cd <インストールイメージの保存先>
      $ sudo dd if=proxmox-ve_5.2-1.iso of=/dev/rdisk1 bs=1m
      

2.2. Proxmox VEのインストール

2.2.1. USBブート

USBでブートし、ProxmoxVEのインストールウィザードが表示される。

  • このハードの場合
    1. USB2.0(3.0だとドライバがない?)のポートに作成したインストール用USBメモリを刺す。
    2. 電源を入れ、DELETEキーを数回押してBIOS画面に切り替える。
    3. USBでブートできるよう確認、設定変更し、保存して再起動。

2.2.2. インストールウィザード

インストールウィザードの指示に従って、インストールを進める。

参考: Proxmox VEのセットアップ手順(インストール編)

  1. インストールメニュー: Install Proxmox VEを選択
  2. End User License Agreement(EULA): I agree をクリック
  3. Target Harddisk:
  4. Location and Time Zone selection
    • Country: Japan
    • Time zone: Asya/Tokyo
    • Keyboard Layout: Japanese
  5. Administration Password and E-Mail Address
    • rootユーザーのパスワードとメールアドレスを入力
    • 両方とも後でWebUIから変更可能
  6. Network Configuration(例)
    • Hostname: pve.local
    • IP Address: 192.168.1.5
    • Network: 255.255.255.0
    • Gateway: 192.168.1.1
    • DNS Serer: 192.168.1.1
  7. インストール開始〜完了、再起動

2.2.3. 起動とSSH設定

ProxmoxVEホストを起動し、SSHの設定をする。

  1. SSDからブートし、起動を確認する。
    • Proxmox Virtual Environment GNU/Linux を選択して起動する。
    • うまくブートしない場合は、BIOSや参考サイトの方法を確認する。
  2. SSHでログインし、パッケージを最新化する
    1. SSHログインできない場合はコンソールからログインして確認

    2. リポジトリを変更する。

      /etc/apt/sources.list
      ※ サブスクリプションなしのリポジトリを追加
      
      # PVE pve-no-subscription repository provided by proxmox.com, NOT recommended for production use
      deb http://download.proxmox.com/debian stretch pve-no-subscription
      
      /etc/apt/sources.list.d/pve-enterprise.list
      ※ Enterprise Repositoryはサブスクリプションキーが必要のため無効化
      
      deb https://enterprise.proxmox.com/debian stretch pve-enterprise
      ↓
      #deb https://enterprise.proxmox.com/debian stretch pve-enterprise
      
    3. パッケージを最新化する。

      # apt-get update && apt-get -y upgrade && apt-get -y dist-upgrade
      
  3. クライアントのMac上でSSH鍵を準備し、ProxmoxVEホストに転送する。
    1. sshの公開鍵を作成する。

      $ ssh-keygen -t rsa -C "コメント:利用者のメアドなど"
      → 保存先、パスフレーズを入力して鍵を作成
      
    2. ssh鍵をProxmoxに転送する。

      $ ssh-copy-id -i "公開鍵ファイル(xxx.pub)" root@"ProxmoxVEホスト"
      
  4. コンソール or SSH(パスワード)でProxmoxVEホストにログインし、SSHサーバーの認証を公開鍵認証のみにする。
    1. sshdの設定ファイルを編集する。

      /etc/ssh/sshd_config
      ※ Rootはパスワード認証を禁止
      PermitRootLogin yes
      ↓
      PermitRootLogin without-password
      
      ※ パスワード認証を禁止
      #PasswordAuthentication yes
      ↓
      PasswordAuthentication no
      
      
      ※ 以下はそのまま
      #PubkeyAuthentication yes
      ChallengeResponseAuthentication no	
      
    2. sshdを再起動する。

      # /etc/init.d/ssh restart
      
    3. ログアウトして公開鍵でログインする。

      $ ssh -i "秘密鍵ファイル" root@"ProxmoxVEホスト"
      

3. ゲスト環境の作成

Proxmox VEでのLinux機、Windows機のインストール設定。

3.1. Linux機のセットアップ

例としてCentOS7を使用する。OSによりGuestOSの設定が少し変わる。

3.1.1. VM作成

VMを作成する。

  1. Webの管理画面にログインする。
  2. インストールするOSのISOイメージをProxmoxVEホストにアップロード
    1. 管理画面の左ツリービューにて以下を選択
      • データセンター > "ProxmoxVEホスト" > local
    2. 右の詳細ビューにて「内容」を選択
    3. 「アップロード」ボタンをクリックし、ISOファイルをアップロード
  3. 管理画面の右上の「VMを作成」をクリックする。
  4. ウィザードの指示に従い、VMの設定を入力する。(内容は例)
    1. 全般
      • ノード: "ProxmoxVEホスト"
      • VM ID: 100 (任意:ツリービューに表示されるID)
      • 名前: vm-lin01 (任意:ツリービューに表示される名称)
    2. OS
      • CD/DVD イメージファイル (iso) を使用する: チェックオン
        • ストレージ: local
        • ISOイメージ: 手順2でアップロードしたISOイメージ
      • Guest OS:
        • 種別: Linux
        • バージョン: 4.X/3.X/2.6 Kernel
    3. ハードディスク
      • バス/デバイス: SCSI
      • ストレージ: local-lvm
      • ディスクサイズ(GiB): 32 (任意)
      • キャッシュ: デフォルト(キャッシュがありません)
    4. CPU
      • ソケット: 1 (任意)
      • コア: 1 (任意)
      • 種別: デフォルト(kvm64)
    5. メモリー
      • メモリー(MiB): 512 (任意)
    6. ネットワーク
      • ネットワークデバイスなし: チェックオフ
      • ブリッジ: vmbr0
      • モデル: VirtIO(準仮想化)
  5. 内容を確認し、「完了」をクリックする。
  6. VM作成処理が実行するため、完了するまで待つ。

3.1.2. OSインストール

  1. 左ツリービューにて、作成したVMを選択する。
  2. 右詳細ビューにて、右上の「起動」をクリックする。
  3. 右詳細ビューにて、右上の「コンソール」をクリックしてVMの起動を確認し、コンソールにてインストール作業を行う。
  4. ※ OSインストール手順、作業用ユーザーの作成とsudoの設定等は割愛。

3.2. Windows機のセットアップ

例としてWindows10を使用する。OSによりGuestOSの設定が少し変わる。

3.2.1. VM作成

VMを作成する。

  1. Webの管理画面にログインする。
  2. インストールするOSのISOイメージをProxmoxVEホストにアップロード
    1. 管理画面の左ツリービューにて以下を選択
      • データセンター > "ProxmoxVEホスト" > local
    2. 右の詳細ビューにて「内容」を選択
    3. 「アップロード」ボタンをクリックし、ISOファイルをアップロード
  3. 管理画面の右上の「VMを作成」をクリックする。
  4. ウィザードの指示に従い、VMの設定を入力する。(内容は例)
    1. 全般
      • ノード: "ProxmoxVEホスト"
      • VM ID: 200 (任意:ツリービューに表示されるID)
      • 名前: vm-win01 (任意:ツリービューに表示される名称)
    2. OS
      • CD/DVD イメージファイル (iso) を使用する: チェックオン
        • ストレージ: local
        • ISOイメージ: 手順2でアップロードしたISOイメージ
      • Guest OS:
        • 種別: Microsoft Windows
        • バージョン: 10/2016
    3. ハードディスク
      • バス/デバイス: IDE 0
      • ストレージ: local-lvm
      • ディスクサイズ(GiB): 100 (任意)
      • キャッシュ: デフォルト(キャッシュがありません)
    4. CPU
      • ソケット: 2 (任意)
      • コア: 2 (任意)
      • 種別: デフォルト(kvm64)
    5. メモリー
      • メモリー(MiB): 4096 (任意)
    6. ネットワーク
      • ネットワークデバイスなし: チェックオフ
      • ブリッジ: vmbr0
      • モデル: Intel E1000
  5. 内容を確認し、「完了」をクリックする。
  6. VM作成処理が実行するため、完了するまで待つ。

3.2.2. OSインストール

  1. 左ツリービューにて、作成したVMを選択する。
  2. 右詳細ビューにて、右上の「起動」をクリックする。
  3. 右詳細ビューにて、右上の「コンソール」をクリックしてVMの起動を確認し、コンソールにてインストール作業を行う。
  4. ※ OSインストールの手順は割愛。

3.2.3. VirtIOドライバの適用

パフォーマンス向上を図るため、ネットワークとハードディスクにVirtIOドライバを適用する。
(VMWare Toolsのようなもの)

  1. 以下などからVirtIOドライバをダウンロードする。virtio-win.isoなどと表示されている。
  2. VirtIOのISOイメージをProxmoxVEホストにアップロードする。
    1. 管理画面の左ツリービューにて以下を選択
      • データセンター > "ProxmoxVEホスト" > local
    2. 右の詳細ビューにて「内容」を選択
    3. 「アップロード」ボタンをクリックし、ISOファイルをアップロード

3.2.3.1. ネットワークデバイスのVirtIO化

  1. Proxmox側でVirtIOドライバをCD/DVDドライブに設定しておく
  2. Windows機のVMをシャットダウンする。
  3. 管理画面の左ツリービューにてWindows機のVMを選択し、「ハードウェア」の「ネットワークデバイス」の項目をダブルクリックし、編集する。
    • モデル: Intel E1000 → VirtIO(準仮想化)
    • OKをクリックして保存する。
  4. VMを起動すると、デバイスドライバを求めてくるので、手順3でアップロードしたISOをCD/DVDディスクイメージとして指定する。
  5. Windows機が起動したらログオンする。
  6. ドライバのインストールダイアログが表示されるのでインストールを実行する。
  7. デバイスマネージャーでネットワーク関連のドライバを適用する。
    1. Windowsマークを右クリック→デバイスマネージャー を開く。
    2. イーサネットコントローラーでドライバが当たっていないものに対し、ドライバの更新を実行してCD/DVDドライブにあるドライバを選択し、更新する。
    3. ネットワーク関連のドライバを全て適用したら完了。

3.2.3.2. ハードディスクのSCSI VirtIO化

  1. Proxmox側でVirtIOドライバをCD/DVDドライブに設定しておく
  2. Windows機のVMを起動する。
  3. ダミーのハードディスクを追加する。
    1. 管理画面の左ツリービューにてWindows機のVMを選択し、「ハードウェア」にて「追加」→ハードディスク を選択する。
      • バス/デバイス: SCSI 1
      • ストレージ: local-lvm
      • ディスクサイズ(GiB): 1
      • キャッシュ: デフォルト(キャッシュがありません)
    2. 「追加」をクリックして保存する。
  4. デバイスマネージャーでSCSIコントローラー関連のドライバを適用する。
    1. Windowsマークを右クリック→デバイスマネージャー を開く。
    2. SISIコントローラーでドライバが当たっていないものに対し、ドライバの更新を実行してCD/DVDドライブにあるドライバを選択し、更新する。
    3. ドライバを全て適用したら完了。
  5. Windows機のVMをシャットダウンする。
  6. 管理画面の左ツリービューにてWindows機のVMを選択し、「ハードウェア」の「ハードディスク」の項目をide0→scsi0に変更する。
    1. ハードディスク(ide0)を選択し、「Detach」する。
    2. 未使用のディスク0ができるので、それをダブルクリックして設定する。
      • バス/デバイス: SCSI 0
      • ストレージ: local-lvm
      • ディスクサイズ(GiB): 100
      • キャッシュ: デフォルト(キャッシュがありません)
    3. 「追加」をクリックして保存する。
  7. ハードディスク(scsi0)が設定されていることを確認する。
  8. Windows機のVMを起動し、正常にログオンできれば完了。
  9. 必要に応じて、手順2で作成したダミーのハードディスクを削除する。
    1. Windows機のVMをシャットダウンする。
    2. ハードディスク(scsi1)を選択し、「Detach」する。
    3. 未使用のディスク0ができるので、それを選択し、「削除」する。
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