測定方法2 - RP 2096-1で規定された音響調整手法
最も効率的・効果的な手法を提示した規格。
基本はST200/RP202に沿う形だが、TF・FFT測定も加えた実務手順となっている。
テスト信号
ST 2095-1:2023準拠ピンクノイズ(必須)
- シネマプロセッサー内蔵ノイズは原則不可
(ST 2095-1不準拠のものが多いため) - DCPパッケージ上の.wavファイル
またはDAWからの再生(unity gain) - 信号注入点: Bチェーンイコライザー前
全処理の前段
WAV形式ファイル - 48kHz SMPTE ST 2095-1準拠テスト信号(10秒・30秒)
↑右クリックダウンロードして.tiffを.zipにして解凍してください
(古のWebページみたいですが)
測定機材
- FFTベースアナライザー
→ TF(トランスファーファンクション)測定対応
→ 32,000ポイント以上またはPPO固定設定
→ RTA表示(1/3オクターブ)も併用 - 測定マイク
→ 5本推奨
→ 無指向性
→ 1/4インチキャップ
→ IEC 61672 Class 1推奨・Class 2最低限
→ 個体キャリブレーションデータ必須
→ アナライザーに90°/拡散音場補正をロード
→ マイク向き: 天井向き(90°)で全ch統一 - 音響キャリブレーター
→ NISTトレーサブル(トレーサビリティがとれた校正のある) - True-RMS SPLメーター
→ C特性・A特性対応 - 温湿度計
- レーザー距離計
測定ポイント
【劇場・5点構成】
- プライマリ(1): スクリーン中心線上・2/3L地点
- 追加4点: プライマリ中心に
前後 ±1/6L・左右 ±1/5W の
オフセットダイヤモンド配置
制約:
【ダビングステージ・5点構成】
【小規模劇場(奥行12m未満)】
測定手順
【事前確認】
-
物理検査
スピーカー・アンプ・配線・極性確認
温湿度記録 -
背景雑音チェック(NC基準)
目標: NC-25
上限: NC-35
方法: 30秒間・全マイク平均・1オクターブバンド

-
RT60計測(必要時)
200〜300席の目安: 中域0.5〜0.6秒
ISO 3382-2を参照 -
ゲインストラクチャー確認
1kHz・-20 dBFS サイン波で信号経路確認 -
サラウンドディレイ設定
サイドウォール遅延 [ms]: メートル法: 3×(5L/6 - S)
バックウォール遅延 [ms]: メートル法: 3×L/2
※EQ調整前に必ず完了すること -
クロスオーバー・極性・位相確認
インパルス応答でch間極性一致確認
LFEとセンターchの位相整合
【電気音響測定】
-
粗レベル設定(コース調整)
1/3oct RTAで500Hz-2kHz帯域を確認
スクリーンch: 約71.5 dB(Z特性) dBCで
サラウンドch: 約68.5 dB(Z特性)
LFE: 約81.5 dB(25Hz-100Hz帯域) -
周波数特性測定・EQ調整
スクリーンch・LFE: TF測定モード
サラウンドアレイ: RTAモード
平均時間: 20秒以上
「as-found」データを保存後にEQ調整 -
最終レベル設定(ファインセット)
下記判定基準を満たすよう調整 -
リップシンク確認
白フレームフラッシュ+-20 dBFS 1kHzサイン波
(1フレーム長)でゼロオフセット確認 -
聴感確認(最終・最重要)
ST 202準拠環境でミックスされた
既知のプログラム素材を使用
ダイアローグ・弦楽器・シビランス等で確認
判定基準
【周波数特性】
ST 202 Table 1のターゲットエリア内
(ST 202と同一・「ライン」でなく「エリア」として運用)


EQ適用の制限:
- 狭帯域高QフィルターはNG
*位相キャンセルによるディップは補正不可
*6dB以上のブーストは要再検討
*補正量と音響変化が1:1でない場合はEQ不適
【レベル】
C-A差チェック:
日常点検
2〜4 dB以内 → 正常(X-Curve準拠の証拠)
2dB未満 → 高域過多の疑い
4dB超 → 低域過多またはEQ問題
【チャンネル間均一性】
スクリーンch間: ±0.5 dB以内
マイク間レンジ: 1オクターブ分解能500Hz-2kHzで±3 dB以内
記録シート
メンテナンス較正(RP 2096-2)
RP 2096-1に基づいて計測したベースラインに対して差が±1 dB以内となっていることを確認する。






