CKA(Certified Kubernetes Administrator)は、Linux FoundationとCloud Native Computing FoundationによるKubernetes環境を管理するスキルと知識の認定試験です。
https://training.linuxfoundation.org/ja/certification/certified-kubernetes-administrator-cka/
思い立ってから2年、2026年3月になんとか合格できたので体験を記します。
なぜCKAを受けたのか
OSレスで組込みソフト開発をしていたので、「Kubernetesって必要なの…?」と思っていたりもしたのですが、Kubernetesがこの世界の標準(Kubernetesができること=やるべきこと)だと感じる機会が何度かあり、知る・触る機会がほしいと思っていました。
私は教科書だけで勉強するのは苦手で、手を動かしながら慣れたい人なのですが、CKAの試験形式がリモートデスクトップ的な仮想環境でクラスターを実際に操作して問題を解決する形式の試験であるため、自分に合っているなと思い続けることができました。
CKA合格でできるようになったこと
Kubernetesの世界の把握
Kubernetesに関する様々な言葉や考え方、仕組みの基本などが理解できたと思います。
(ただし、用意された環境の修正や粒々の操作ができればいいので、リソースをイチから用意したり、まっさらから環境構築してと言われると、勘所が分からなくて詰まってしまう気がします。)
YAML、JSONの理解
勉強を開始してだいぶ経ってから気付いたのですが、試験ではYAMLの読み書きがメインとなるため、これらの言語を理解することが必要です。
YAMLやJSONは勉強しなくても見れば全然読めてしまうものですが、書くとなると配列とか参照の仕方などちゃんと分からないとできなくて、その辺りを理解した後にようやく試験の見通しが立ちました。
ドキュメントの読み方・使い方の理解
OSSの世界ではこれが結構大事だと思うことが多くあります。
試験自体も、問題文の最初にドキュメントのリンクが貼られてたりするくらいkubernetes.ioのドキュメントを参照しながら解く形で、丸暗記は必要ありません。
kubectl describe|apply、--dry-run=client -o yaml、command: ["sh","-c","..."]などたぶん最低限はさすがに暗記しましたが、これくらいかもしれません。
受験対策
勉強期間は上述の通り2年ですが、試験に有効だったのは実質最後2か月の毎日3時間くらいかと思います。
利用した勉強方法は3つです。
- Udemyのオンライン講座
- Killer.sh
- ChatGPT
Udemyのオンライン講座(+KodeKloud)
Certified Kubernetes Administrator (CKA) with Practice Tests
https://www.udemy.com/course/certified-kubernetes-administrator-with-practice-tests/
CKA対策を調べると必ず出てくるであろうUdemyの講座です。定価は27,800円ですが、セールもあるようです。
学習時間は26時間と表示されますが、無数にあるハンズオンの項目には各1分ずつしか割り当たっていないので、実際はもっとかかります。一周するのに3~5倍かかった感覚です。
ただ、講義動画はそこそこに、 講座の最後にあるLightning Labs、Mock Examsを全て解けるようになることがゴールだと思います。
実際の試験では似た問題も出ましたが、MockExamsの難易度は本番よりも全体的に少し低めだと思います。
KodeKloud環境含めて全編英語ですが、講義動画では一応日本語字幕が出せるので、理解するのに支障はありませんでした。ハンズオンは自動翻訳して解いていました。(試験はCKA-JPとして申し込めば日本語表記になります。)
最後の最後にKodeKloudのUltimateコースの追加Mock Examsが案内されます。(割引コードも講座内にあり)
https://learn.kodekloud.com/user/courses/ultimate-certified-kubernetes-administrator-cka-mock-exam-series
KodeKloudは月5,000円・年30,000円くらいで、合格できなかったら課金しようと思ってました。
ChatGPT
2番目に書きましたが、合格は9割方、これのおかげです。AIすごい。
無料プランで、 雑に問いを投げていましたが、いい感じのパートナーに育ってくれました。
「これはCKA頻出問題ですね」「ポイントはxxx」なんて感じで答えてくれました。
Udemyでの情報では足りなくて調べるのに時間がかかるところを効率よく埋められて、「もしよければ次に CKAに頻出なxxxx を出せます」なんてサジェストもしてくれました。
このレベルの資格試験の勉強には非常に合っていると思います。
Killer.sh
CKAに申し込むと提供される、本番に近い模擬試験環境です。環境は36時間使えて、それが2回提供されます。
模擬試験の内容は本番よりも難しいので、できなくても全然合格はできます。
問題ごとにsshで対象のノードにアクセスする(環境が独立している)リモートデスクトップのような環境で、KodeKloudの環境とは使用感が全然違うので、本番環境を知る目的で1回以上はやるべきです。
受験時に注意されたいこと
1.申込み時の登録名に注意する
受験当日に、提示する身分証と登録名が一致しないと受験ができないので、注意が必要です。
私の場合
- 身分証は運転免許証とマイナンバーカードしかなかったので、表記は漢字のみ
(英語名のパスポートは有効期限切れ) - 申込み時に"Identity Verification"として名前を記入する箇所に、周りの説明文につられて英語名を設定
- LF EducationのMyLF Profileに、FirstNameに姓・LastNameに名が設定されている状態
(直しても試験後に見ると元に戻ってしまう不思議…)
こんな感じだったせいか、チェックイン時に名前が一致しないと指摘され、「他の物はありませんか」と言われるも、どう違っていたのかは不明。結局解決できず、受験できませんでした。
Webサポートに問合せをしたところ、有難いことに、不合格ではなく、なかったことにしてもらえました。以降は、上記3項目を全て正しく漢字で揃えたことで、身元確認をパスできるようになりました。
2. 試験の予定は3時間を確保する
試験開始時間を30分単位の枠から自由に選びます。
開始時間の30分前から本人確認や部屋のスキャンのためにチェックインします。これは早くても20分ほどかかります。
チェックインが完了すると試験が開始され、2時間きっかりでセッションが切断して終了となります。
(10:00開始で予約すると、9:30からチェックイン開始、スムーズにいけば9:50に開始~11:50終了 という感じ)
チェックインは開始時間後30分を超えるとできなくなるので、もし問題があって対処する場合それまでにする必要があり、チャンスは実質2回だと思います。(10:00開始での予約では、チェックインのチャンスは9:30~10:30の間)
ということで、当日の予定は、予約した試験時間の前後30分を含む、計3時間を確保しておく必要があります。
レンタル会議室等で実施する場合は、準備も要ると思うので、前後1時間ずつの計4時間を予約しておく感じになるかと思います。
3. 全て解くのは諦める
合格は66%なので、16問なら5問落とせます。
2時間で16問前後、考えてYAML書いて設定して確認して…時間的な余裕はあまりないです。
最後の問題が一番難しいというわけではなく、各設問の環境も独立しているので、解けるものからやっていくべきと思います。(悩んだら、後でやるフラグを立てて、次に臨む。ですが結局戻る時間はなかった。)
4. alias、コピー&ペースト、コマンド補完を駆使する
操作時間を効率化するためのことはできるだけやります。killer.shの環境で慣れることができると思います。
- 問題文の単語やコマンドはクリックでコピーし、ターミナルにはCtrl+Shift+Vでペーストする
-
kubectlコマンドのkへのaliasは設定済みなので活用する - コマンドや名前、オプションの入力はTabで補完する
まとめ
CKA受験はKubernetesを勉強するのにとても有効だと思います。
引き続き、関連する試験であるCKAD(Certified Kubernetes Application Developer)、CKS(Certified Kubernetes Security Specialist)も続けて取っていき、実務に備えたいと思います。
受験を検討・準備されている方の参考になれば幸いです。