この記事は、昨年12月に掲載した以下の記事のアップデート版です。
はじめに
HERE Japanで地図の設計とデザインを担当している森です。
HEREは、ロケーションプサービスをグローバルに展開し、国内外で多くの企業に採用されています。日本市場でサービス展開を行うにあたっては、日本のユーザーの要望に確実に沿うよう、ローカライズを徹底的に行っています。これについては過去記事をご覧ください。
2024年のトピック
HERE WeGoアプリのリリース
HERE WeGoは、誰でも手軽に利用できる地図・ナビゲーションアプリです。欧米では長い歴史がありますが、正式に日本対応となり、アプリストアからダウンロードして利用できるようになりました。まだの方は、ぜひ以下のリンクからダウンロードして使ってみてください。
左が日本の地図表示、右はタイのバンコクでのナビゲーション画面です。
このように、日本、海外問わず、同一の使い勝手で利用可能です。
iPadでも利用可能
このアプリは、スマホに限らず、8.3から13インチまでの各iPadでの利用も可能です。まるで地図帳を見ているかのような使い勝手が実現します。下の画像はiPad miniで上野駅付近を表示したものです。
iPadで表示すると大きくて見やすい(iPad miniでの例)
HERE WeGoは、HERE SDKをベースに開発されています。
HERE SDKは、地図表示、住所・施設検索、ルート検索、渋滞情報などのロケーションサービス機能を統合して利用できます。HERE WeGoは、「手軽で実用的な地図アプリ」であるだけでなく、「HEREが提供できるロケーションサービス機能のショーケース」的な側面もあります。
HERE SDKの活用方法については、以下の活用ブックが実践的に書かれていてお勧めです。
HERE WeGo Web版のリリース
さらに今月、HERE WeGo Web版もリリースされました。
これは、WebブラウザでHERE WeGoの機能が使え、しかもURLリンクを共有することで、地図だけで無く、ルート検索結果も知人とシェアできるようになります。
みなとみらい駅から新横浜駅までの自動車ルートをシェアするURL
そしてこのように地図スタイル、オーバーレイする情報などを選択することができます。
日本で利用できる地図の種類(map scheme)
さて、それでは現時点で日本のお客様に提供可能な地図の種類をまとめます。
HEREは、主としてB2B向けで利用しやすい地図スタイル(HEREの開発者向けドキュメントではこれを"map scheme"と呼んでいます)を提供しています。
HERE SDKで提供するスタイルは、昨年よりもRoadnetworkとTopoスタイルが増え、以下の7種類のスタイルから選択が可能です。
Map Scheme名 | 説明 | 補足 |
---|---|---|
Normal | 広範な用途に利用可能な標準スタイル | DayとNightがある |
Lite | 主題図作成に適した控えめなスタイル | DayとNightがある |
Hybrid | 衛星画像と文字情報を組み合わせたスタイル | DayとNightがある |
Satellite | 衛星画像のみのスタイル | |
Logistic | 物流用途向けのスタイル | Dayのみ |
Roadnetwork | 道路以外の表示を省いたスタイル | DayとNightがある |
Topo | 自然地形表現を重視したスタイル | DayとNightがある |
ここでは新しい2つのスタイルの表示例を紹介します。
Roadnetworkスタイル(東京都の表示)
Topoスタイル(長野県の表示)
これらをHERE SDKを使って選択する実際の手順は、こちらのドキュメント(英語)を参照してください。
日本で利用できるオーバーレイ(Feature)
現在日本で利用可能なFeatureは、昨年から等高線、ゾーン30、公共交通機関の3種類が増えて以下の8種類になりました。
Map Feature名 | 説明 | 補足 |
---|---|---|
建物形状 | 建物の2D形状 | 初期設定で表示 |
建物の3D表現 | 高さに応じて建物を立体的に表示 | 初期設定で表示 |
山の陰影 | 山の地形を視覚的わかるようにする | 初期設定で非表示 |
等高線 | 地形図にあるような標高値別のライン | 初期設定で非表示 |
交通状況 | 交通渋滞の状況 | 初期設定で非表示 |
交通規制 | 主としてトラック向けの交通規制 | 初期設定で非表示 |
ゾーン30 | 区域を定めた時速30キロの速度規制 | 初期設定で非表示 |
公共交通機関 | 鉄道の運行ライン別表示 | 初期設定で非表示 |
ここでは新しい3つのFeatureの表示例を紹介します。
ゾーン30(交通規制も併せて表示)
なお、HEREのルート検索では、こうした交通規制や渋滞情報を加味した検索結果を導くことができます。
詳細については、こちらのドキュメント(英語)を参照してください。
終わりに
このように、HEREでは日本での用途に応じた様々な地図表現を提供しています。そして、今後も充実させていく予定です。どうぞご期待ください。