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インフォマティカAdvent Calendar 2021

Day 22

データガバナンス名言集

Last updated at Posted at 2021-12-21

##はじめに
Advent Calendarのデータガバナンス・シリーズの第三弾(最後)です。

今までデータガバナンスの定義、ソリューションと記事を書いてきました。
そして最後は、私が長年データガバナンスの情報収集をする中で見つけた名言集をご紹介したいと思います。

データガバナンスは奥深い分野で、多くの事例を調べれば調べるほど、多くの人と意見交換をすればするほど、常に新しい発見に衝突します。
今後皆さまが、自分たち自身のデータガバナンスを追求していく上で、これらの名言集が何かしらヒントになれば幸いです。
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##トヨタ自動車株式会社代表取締役執行役員社長兼CEO 豊田 章男 さんの名言
最初は、データガバナンスに特化した話ではないのですが、トヨタ春交渉2021より、私の好きなデータガバナンスに通ずる名言をご紹介します。

今でも、トヨタの中には、**「情報を持っている人が偉い」という風潮があり、「情報が共有されず、一部の人だけのものになっている」**のが実態だと思います。

企業のトップが、自社の不都合な真実をストレートにメッセージするのは勇気のいる行為だと思いますが、それを豊田社長が発信しているところに痺れます。
また、データガバナンスの無い状態を、これ以上ないくらいに現場に則して的確に表現しているとも感じています。

TPS(トヨタ生産方式)の考え方に当てはめますと、**「必要な人が、必要なときに、必要な情報を得ることができる」ということが大切になると思います。

データガバナンスによって目指すべき世界として、これもまた的確に表現しているとも感じています。
シンプルでわかりやすいメッセージであり、逆に、これを実現できている企業はまだまだ少ないとも感じています。

##マイクロソフトの共同創業者兼元会長兼顧問 Bill Gates(ビル・ゲイツ)さんの名言
2番目も、データガバナンスに特化した話ではないのですが、あらゆる企業がデータドリブンなDXの先で目指すべき世界として、わかりやすい名言をご紹介します。

We need banking, but we don't need banks anymore.
銀行は必要ですが、もう銀行は必要ありません。

これは1994年にビル・ゲイツが発言したと言われている言葉です。
人々は銀行の業務は必要としてるけれども、それは必ずしも銀行そのものを必要としているわけではない、というメッセージです。
銀行は、従来通りの単なる銀行の業務を提供しているだけでは今後生き残るのが難しく、それらの業務を超えた、顧客に対する独自の付加価値を提供していかなければならない、というメッセージが込められています。

なお、インフォマティカのイベントに登壇したUnion Bankは、業務変革のミッションを持ったコンサルタントから、以下の言葉と共にこのメッセージをぶつけられたことをきっかけに、本気のDXに着手することになります。

DIGITIZE or DIE

そしてUnion Bankは、顧客にとって単なるユーティリティではない、人々の生活を良くする、無くてはならない存在を目指し、全社的な変革に成功していきます。

##New York Life Insurance の Enterprise Data Governance Office Vice Presidentの Blake Andrewsさんの名言
New York Life Insurance(NYLI)様は、インフォマティカと共にデータガバナンス・ジャーニーを歩んでおり、多くのイベントで講演してくれています。
以下は、Data Governance Office Vice PresidentのAndrewsさんの、参考になる名言になります。

Good Data Governance -> Good Data -> Good Business Outcomes
良いデータガバナンスが良いデータを生み、良いデータが良いビジネス成果を生む。

NYLIのデータガバナンスのマントラとして掲げられている、データガバナンスの重要性を示すシンプルな言葉です。
私の大好きな言葉の一つで、多くのセミナーで引用させてもらってます。

We’re not there to create a lot of policies and restrictions,
We’re there to add value and to enable innovation in our business.
私たちは多くのポリシーや制約を作るために、存在するのではありません。
私たちはビジネスの価値を高め、革新を可能にするためにそこにいます。

私たちというのは、データガバナンスオフィスの人たちのことを意味しています。
データガバナンスが、ビジネスのスピードを低下させるものではなく、あくまで企業のあらゆる人のビジネスに貢献する存在であること、を宣言している言葉です。
ガバナンスやセキュリティと聞いて、ネガティブな印象を持つ人たちに対するメッセージとも言えます。

We are building towards a data democratization aspect.
We want people to be self-sufficient in finding the data that they need and understanding the data.
The focus is increasingly on transparency around data.
私たちはデータの民主化へと向かっています。
私たち全員が自給自足で、必要なデータを見つけ、理解できることを目指してます。
私たちはデータのまわりの透明性に強くフォーカスしています。

これはデータガバナンスの本質、データガバナンスの中で実現すべき要件について、シンプルに指し示しています。
理解が難しいデータガバナンスの一つの解として、私は過去、この言葉から目指すべきゴールを学ぶことができました。
特にデータのまわりの透明性を確保することは、データガバナンスの一丁目一番地と言えます。

Be opportunistic !
日和見主義的でありなさい!

このメッセージは、実は、NYLIだけでなく多くのデータガバナンスの事例で見かける言葉です。
日和見主義とは、コトバンクの定義によると以下になります。

一般的にいえば、一定の原理・原則にとらわれず、事の成り行きをうかがって、どちらでも自分の都合のよいほうにつこうとする態度をとることで、機会主義、御都合主義、便宜主義と同じ意味をもっており、マルクス主義的な政治運動や労働運動で多用されている。

データガバナンスって、企業によって目指すべきゴールや解決すべき要件がある程度違うものであり、また取り組み始めた段階からその最終的なゴールが見えるものではない、と言われています。
そのため、最初からゴールがこれだ!と完全に決めて推進するのではなく、多くの人の意見を聞きながら、絶えず適切な方向へ軌道修正しつつ推進した方が良い、ということです。

この考え方は、データガバナンスはウォーターフォール型開発のように要件や計画を最初に決めて推進するものではなく、アジャイル開発のように変化を受け入れながら推進するべきだ、というメッセージと受け取ることもできると私は思っています。

##国内外のデータガバナンスにまつわる名言
最後に、国内外の様々な場で耳にした名言をご紹介していきます。

誰もが安心安全にデータを活用できるようにする。

これはシンプルな言葉ですが、先日やったSnowflakeとインフォマティカのデータガバナンスの共同ウェビナーで、双方の共通キーワードとしてメッセージさせてもらいました。

このデータについて全て教えてくれ、という問いに答えられるようにする。

これはデータガバナンスに取り組んでいるお客様が、実現したいと切望した要件です。
このお客様は最終的に、先の記事で紹介したInformatica Axonでこれを実現しています。

Data Governance is essentially treating your company’s data with as much care as you do all of its other assets!
データガバナンスとは、基本的に貴社のデータを他のすべての資産と同様に大切に扱うことです!

ヒト、モノ、カネに次いで第四の経営資源と言われるデータを、全社規模で継続的にマネジメントするデータガバナンスは、データを戦略的な経営資源として扱うことと同義と言えます。

Get people out of the “my data” & “my system” syndrome.
”私のデータ”と”私のシステム”症候群から人々を解放する。

これは、冒頭の豊田社長が解決したい課題に近いメッセージです。
データガバナンスでは、私のデータではなく、みんなのデータとして取り扱えるようにすることが重要です。

Remember the 80/20 rule – Data attributes have vastly different levels of importance.
80/20ルールを忘れないでください - データによって重要度は大きく異なります。

データガバナンスを実現するために、データ品質管理やメタデータ管理(データカタログ)などを実施する際に重要なメッセージです。
企業内の全てのデータを同じレベルで等しく管理しようとすると、その膨大な作業量にパンクしてしまいます。
従って、データガバナンスを実践する際には、まず企業にとって20%の重要なデータを見極め、そこから小さく始めつつも早い段階でビジネス上の価値を獲得しつつ、その範囲を広げていくのが良いと多くの事例で言われています。

Find the metrics to prove the value.
価値を証明するためのメトリクスを見つけましょう。

Your KPIs are your strategy, Your strategy is your KPIs.
貴社のKPI が貴社の戦略であり、貴社の戦略が貴社のKPI である。

データガバナンスやデータマネジメントの取り組みは、経営層によっては生産的な活動と見なされず、理解を得るのが難しいケースがあります。
従って、経営層にアピールするためにも、価値を証明するためのKPIを見つけ、それが向上する様を報告できるようにすることは重要です。

##まとめ
以上、データガバナンス名言集、いかがでしたでしょうか。
共感できるメッセージはありましたでしょうか。

これらの名言の中には、最初はピンと来なかった言葉もありました。
しかし、データガバナンスの国内外の事例を学習していく中で、最終的に後から見直してジワジワ来る名言も多数ありました。
皆さんが今後データガバナンスに取り組んでいく中で、こんな言葉あったな~と、いつか楽しく振り返ってくれれば嬉しく思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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