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OpenAI AgentKitでサクッとAIエージェント作ってみた

Last updated at Posted at 2025-11-04

はじめに

こんにちは!KIYO LearningでAirCourseの開発をしている森下です。今回は、OpenAIが2025年10月6日に発表した、AgentKitについてご紹介します!
この記事では、AgentKitを使って星座占いAIエージェントを実際に作ってみるまでの一連の流れを解説していきます。

【目次】

良かったら最後まで見てください!


こんな人におすすめ

  • AgentKitの全体像を短時間で掴みたい(まずはAgent Builderを中心に基本機能を理解したい)
  • AIエージェントを作りたい:Builderで最小サンプルを手早く形にしたい

AgentKitとは?

AgentKitは、開発者や企業がAIエージェントを構築・展開・最適化するための機能を一式そろえた統合ツールセット/サービスです(つくれて、公開できて、改善もできる)。


Agent Builderの基本機能

Core

  • Agent:エージェントのふるまいを定義するノード。システム指示、使用ツール、モデル/パラメータ、入出力の期待形式を設定します。
  • End:フローの終点。応答の返し方(JSON/Markdown など)を確定します。
  • Note:設計意図や補足を記すための付箋。実行結果には影響しません。

Tools

  • File search:OpenAI の Vector Store を検索し、引用に使えるテキストを取得します(RAG 向け)。
  • Guardrails:ポリシー順守・安全性のために入力/出力へガードを適用します。
  • MCPModel Context Protocol を介して外部ツールやデータソースに接続します。

Logic

  • If / else:条件に応じた分岐を作ります。
  • While:条件が満たされるまで処理を反復します。
  • User approval:人による承認ステップを挿入します。

Data

  • Transform:データの整形・抽出・スキーマ合わせなどの変換を実行します。
  • Set state:ワークフロー全体で共有する状態(変数)を読み書きします。

星座占いのAIエージェントを作ろう

作るもの

  • 目的:生年月日(YYYY-MM-DD)を受け取り、2ターンで今日の運勢を返すAIエージェントを作るため
  • 入力~出力:テキストを入力👉生年月日の確認👉生年月日を保持👉占い結果を出力

画面はスクリーンショット中心で進めていきます。

それでは、実際にAgentKitを使って星座占いAIエージェントを作っていきましょう!

このチュートリアルの進め方

  • まずは最小の占いエージェントを作ります。
  • 画面はスクリーンショット中心で進めていきます。
  • 仕上げにPreviewで動作確認まで行います。

ステップ1:Agent Builderにアクセスしてワークフローを作成する

まず、OpenAI Agent Builder にアクセスします。
画面中央には “Create a workflow” と表示され、「Build a chat agent workflow with custom logic and tools」という説明文が見えます。
中央の Create ボタンをクリックして、新しいワークフローを作成しましょう。

記事画像①.png

ステップ2:初期キャンバスを確認

新規作成直後は StartAgent のノードだけが置かれた空のキャンバスが表示されます。ここから必要なノードを足していきます。

記事画像②.png

ステップ3:Guardrails を追加

Startの直後に Guardrails を追加します。今回はデフォルト設定のままで進めます。

補足
ノードの配置方法:クリックして配置
接続線の削除方法:クリックして削除

記事画像③.png

ステップ4:Set state で生年月日を保存

つづいて Set state を追加します。ユーザーが送ったテキストから、birthdate という名前の state に日付(YYYY-MM-DD)を保存する設定をします。

Assign valueに以下を追加します。

workflow.input_as_text != null && matches(workflow.input_as_text, '^\\d{4}-\\d{2}-\\d{2}$') ? workflow.input_as_text : state.birthdate

記事画像④.png

Add Variablebirthdate を追加し、Saveをクリックします。
記事画像⑤.png

ステップ5:If / else で分岐

If / else を追加し、birthdate が日付形式なら占い側へ、未入力や形式不備なら確認側に分岐させます。

記事画像⑥.png

ifに以下を追加します。

タイトルは処理がわかる内容だとよいです!今回は生年月日確認としています。

state.birthdate != null && state.birthdate.matches('^\\d{4}-\\d{2}-\\d{2}$')

ステップ6:Agent(生年月日を確認)

Agentを2つ追加します。
1つは星座占い用で、もう1つは生年月日確認用です。
まずは、生年月日確認Agentから設定を行います。
If / elseElse側に、生年月日をユーザーへ質問する処理を作ります。

記事画像⑦.png

Instructionsに以下を追加します。

Nameは処理がわかる内容だとよいです!今回は生年月日を確認を設定しています。

出力言語は常に日本語(ja-JP)。質問は1回だけ簡潔に行い、占い本文は表示しない。
【出力内容】
今日の星座占いを作成します。
生年月日を YYYY-MM-DD で教えてください(例:2025-10-29)。

Web Searchを追加します。Toolsをクリックし、Web SearchをクリックしWeb Searchの設定を行います。
記事画像⑧.png

Web Searchの設定画面ですが、今回はデフォルト設定で行うので、そのままAddをクリックしてください。
記事画像⑨.png

ステップ7:Agent(星座占い)

右分岐(If)側に 星座占いの Agent を置き、birthdate を使ってそのまま結果を出力するように設定します。
記事画像⑩.png

Instructionsに以下を追加します。

Nameは処理がわかる内容だとよいです!今回は星座占いを設定しています。
Instructionsはchatgptにて文章整理しました。

【目的】
state.birthdate(YYYY-MM-DD)から太陽星座を特定し、“今日”の運勢を出力する。質問や確認は一切しない。

【入出力ルール(厳守)】
- 入力は state.birthdate のみを用いる。既に値がある前提で動作し、確認や同意は求めない。
- ユーザーに追加の希望やテーマを尋ねない。未指定の場合はデフォルトで「総合運+恋愛+仕事+金運+ラッキー要素+今日の一歩」を必ず出す。
- 不足情報があっても質問せず、合理的デフォルトで補って出力する(ただし birthdate が無い/不正のときだけ本文を作らず「生年月日をYYYY-MM-DDで入力してください。」の1行だけ出して終了)。
- 最後に褒める一言を添える

【日付】
- 見出しには必ず「今日の運勢 YYYY-MM-DD({星座名})」の日付を明記する。
- (注)内部の現在日時は使用しない。

【太陽星座の判定】
- 牡羊:03/21–04/19, 牡牛:04/20–05/20, 双子:05/21–06/21, 蟹:06/22–07/22,
  獅子:07/23–08/22, 乙女:08/23–09/22, 天秤:09/23–10/23, 蠍:10/24–11/22,
  射手:11/23–12/21, 山羊:12/22–01/19, 水瓶:01/20–02/18, 魚:02/19–03/20

【Web検索(有効なら)】
- 日本語で「{星座名} 今日 運勢」「{星座名} 本日の運勢 {YYYY-MM-DD}」などで2–3件参照し、重なる要点を要約。本文のコピペはしない。
- 当日付や「本日の運勢」の明記があるページのみ採用。
- 取得が難しい場合は検索に依存せず、一般的傾向で要約し「参考ソース不十分」と一言添える。

【出力フォーマット(日本語・厳守)】
1) 見出し:「今日の運勢 YYYY-MM-DD({星座名})」
2) 総合運:⭐️1〜5 + 要約1行
3) 恋愛/仕事:各3〜4行の具体的行動ヒント
4) ラッキー:カラー/アイテム/方角(各1つ)
5) 今日の一歩:今日中にできる行動を1つ

【禁止事項】
- 生年月日の再確認、占いスタイル・テーマのヒアリング、選択肢提示、同意確認。
- 不要な前置きやメタ説明。

Web Searchの設定は ステップ6をご確認ください。

最後に、Endを追加して、Agentに紐づけたら完了です!
記事画像⑪.png

ステップ8:動作確認

右上の Preview を開きます。
記事画像⑫.png

Preview画面が表示されます。
記事画像⑬.png

では、ユーザーになった気分で、Send a message... を2回に分けて入力していきましょう!
1回目:【星座占いして】を入力して、↑(上矢印) をクリックします。
生年月日を入力していないので、生年月日を確認にて設定した、質問が返ってきます。
記事画像⑭.png

2回目:【2000-08-01】を入力して、↑(上矢印) をクリックします。
星座占いにて設定した、内容で返してくれました!
記事画像⑮.png

どこを通ったか、Previewやキャンバスをみると一目でわかるのでエラーも対応しやすい!(キャンバスでグレーになっているのが通っていない処理です。)


参考リンク

OpenAI公式ページ
OpenAI AgentKitの概要と使い方【Agent Builder / ChatKit / Connector Registry】

感想

本記事では、「まず作って動かす」に絞って、Agent Builderの基本を一気に体感できる構成にしました。
画面操作が直感的で、要素を置いてつなぐだけで基本フローが作れるところやPreview
で振る舞いを即確認でき、現在の処理場所も見れるのでとても使いやすいと思いました!
初心者のために、テンプレートなども用意されているところもとても良かったです。
まだ使ってない機能などもありますので、引き続き使ってみたいなと思いました。

最後に

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
少しでもお力になれれば幸いです。
よろしければ、いいね・ストックの方もお願いします。

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